散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

街の顔

2021-03-03 21:26:56 | 散歩絵




久しぶりに晴天が続いている。街を歩く。スーパーマーケットは賑わっているし、パン屋や肉屋の前には幾人もが並んでいる。だけれど、よく見れば店の中はガランとして4人しかいない、ドアの外は人々の間にある空間が行列をのばしているだけだ。
一方小さなブティックのショーウィンドウが空っぽになっていた、いや、荷物がはみ出た段ボール箱が一つ、空になった棚が一つ置かれている。そこには使い古しの棚の値段を書いたメモが貼られていた。レストランや小さなホテルの窓はまるで死んでしまったように火の消えている。積み上げられた椅子にチリが積もり始めているのが見えた。小さな黒板に「テイクアウトしています。電話番号XXXXXX」という文字も消えかかっている。
職種によって打撃幅が大きく変わるのが、なんとも悩ましい。
3月半ばにロックダウンは解除される予定だったが、多少の緩和はあるものの3月末まで延期になる。ワクチンという武器はなかなかいきわたらないばかりか、新コロナウィルスの変異種に効果がどれだけあるのかがわからないのが現実。
ヤドカリの様に部屋に籠って、時々ドアを開けてはちょろちょろと動く様な毎日はいつまで続くのだろうか?
臨機応変に動いていくしか無い。今年末には少し落ち着いて来るだろうという意見も聞こえているがその頃、街の顔はどうなっているのだろう?

(もう、美しいスミレが其処此処に咲いている)