goo blog サービス終了のお知らせ 

散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ハーダースドルフ アム カンプ

2012-07-22 18:17:49 | 美術関係
追記 土曜日
シュタインホーフ教会の建っている精神病院の敷地はかなり大きい。しばらく歩いて門を出ようとすると乗るべきバスの番号が見えた。
思わず走って乗り込んだわけだが、どうも行き先が違う気がしてならない。
アナウンスをよく聞いているとやっぱり行き先が違う、逆方向なのだった。
一瞬うなだれたものの、まあそれほど大きく外れることもないと高を括って市内見物を決め込んだ。
しばらくすると乗り換えに具合のよさそうなアナウンスがあったので、そこで降りてまた地下鉄に乗った。やれやれ言葉のわかる国でよかった。
途中下車した駅で食べるものを探してさまよったが今ひとつぴんとこない。ブラブラしているとハイドンの家を見つけた。
しばらく門前でハイドンに敬意を表し、また駅に引き返した。
そんな風に乗ったり降りたりしながらホテルの方へうろうろと帰った。
ところで、オペラ座の横にあるカールスプラッツ駅の地下を歩いているとワルツが聞こえてくる。
よく見ると「オペラトイレ」と言う有料公衆トイレがあるのだった。



7月15日 日曜日

Hadersdorf am Kampという村に出かけた。
ウィーンの中心から電車で45分ほど走ると、のどかなワイン畑の広がる村に着いた。
駅からの一本道をてくてく歩く道の傍には小さなワイン倉が並んでいる。
相棒はひょっとして美味しいワインが飲めるかと興味津々足取りは軽い。
ウィーンからさほど遠くはないとはいえ観光客が押し寄せる村ではない。
歩いていると「グリュースゴッド!」と挨拶の声がかかる。
村の中に入ってゆくと楽隊が賑やかな曲を奏でているのが聞こえてくる。祭りだろうか?
中央の広場を囲むようにして村は出来上がっているようだった。
広場に集まった人々が賑やかにしているのを横目にSpoerri美術館を探すとすぐに見つかった。広場に面している。
今回の旅行目的の一つはこの美術館を訪ねる事だった。私も参加している展覧会が5月25日から10月28日まで開催されている。
そこも古く美しい建物で思ったより広々とした空間だった。




(クリックすると写真拡大)





























しばらく館内をぶらぶらしていると声が階段を上ってくるのが聞こえた。
遠路はるばる車で訪ねてくださった方々だった。
笑顔が飛び切り素敵で行動的な才女のSachanと、仕事で世界中を飛び回るので四方山話を両腕に一杯持っているSachanのご主人のバーニー氏だ。
彼女はフランス語の専門家であり現在は執筆活動をしながら震災被災者援助のボランティア活動に心砕き続けている。彼女のフットワークの軽さは私も常々見習いたいと思っている。
その後の数時間、思いがけなく素敵なひと時をご一緒させていただいた。



スポエリ美術館の脇にスポエリ食堂があるので入ってみることにした。壁にはスポエリのもちろんの事「食卓オブジェが」並んでいる。
キッチンシェフはインドから香辛料をもってくるのだ言うことでそれなりにこだわりがあるらしい。
残念ながら私にはちょっと塩味がきつかったが、どのお皿にも花をあしらって可愛らしい装いを凝らしてあるというところで点の塩加減は甘くなった。
何しろ私は視覚人間だ。

スポエリ美術館土産の中にはサクランボ2個がウォッカに漬かった小さな壜があって、壜の蓋にはナンバーがうってある。サクランボは美術館の庭で採れたもので数限定なのだという。
今年はサクランボが実らず、新しいサクランボのウォッカ漬け土産品は無いということだった。

帰りはSachenとバーニー氏の好意に甘えてウィーンまで車で送っていただいた。何しろカタログを30冊も抱えていたので大助かりなのだった。