散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

アーティーチョーク

2006-10-15 18:39:15 | 飲食後記
アーティーチョーク:Cynara scolymus、チョウセンアザミ

消化器系強壮剤として利用される。
アーティーチョークの絵がラベルにかかれたチナールという苦いお酒があった。いかにも健胃酒という感じだった。

ところでなかなか大ぶりの新鮮で美味しそうなアーティーチョークを手に入れた。その上安かったので2個買った。
相棒と一個ずつ食べる算段で、これなら取り合いの争いも無く、満腹にもなる。
ああ、アーティーチョーク?あんなのまずいじゃない!という人に出会ったことがあるが、聞けば缶詰しか食べたことが無いという。
声を大にして言うが缶詰のアーティーチョークと生を湯がいたものは完全に別物である。私だって缶詰の方は特に好きじゃない。

さて、二つの鍋にお湯を張り塩を入れてぐつぐつ煮立ったところへアーティーチョークをひとつずつ放り込む。
何しろ大きい蕾なので2個入る鍋は我が家には無いのだ。
35分ほど湯がくのだが、その間にディップを作る。
今回はちょっと手抜きで市販のマヨネーズにすりつぶした大蒜と生のエストラゴンの葉、塩、故障、ライムの皮などを放り込み卵の黄身一個も加えて混ぜ合わし、場合によってはレモンを縛る。
湯がきあがったアーティーチョークを皿の上にド~オンと乗せて、冷えたワインなども用意して、おもむろに一枚一枚と葉をつまみ取ってはディップをつけて、葉の付け根の辺りを歯でしごく様にしながら食すのだ。

一枚剥がして前歯にはさみグイット引っ張ると、口の中に美味しい果肉が残る。
まったくうまい。
葉が無くなって来ても、それは終わりではない。本番はこれからなのだ。
冠毛がふさふさぎっしりと詰まっているが、それをナイフでこそげ落とし取り残った肉厚の台は最後に残った美味しい塊。それにすっとナイフを入れて切り分けてフォーク刺し、ディップをちょっとつけては口に運ぶ。
夢中になって食べる。
(夢中で無心で食した故,ガクの写真は撮れなかった。そんな余裕が無かったのだ。)
強いて言えば、その味はゆりの根や慈姑などに似ているといえる。

思わずもう一度あの至福を味わうべく翌日も店に走ったけれど、時遅し、箱の中はすっかり空だった。
がっかりである。
すっかりうなだれて家に帰った。


花が咲いてしまうとこの様に美しい紫色の花びらが開く。