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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

宝箱の中身 II

2005-07-09 01:11:13 | 収集物品
透明な塊の中に
美しい色が流れ込んで固まっている。
手に取るとひんやりとして、光にかざしてみたり、
息を吹きかけてシャツの袖で磨いて見たり、
頬に当ててその冷たさを味わって見る。
なんだか、なめたら甘いキャンディーのようにも見える。

ひところ毎週末には暑い日も、寒い日も、晴れの日も、雨の日も
蚤の市に出かけてクタクタになるまで歩き続けた事がある。
蚤の市情報誌というのがあって、全国の蚤の市日程が把握できる。
最近は残念ながらあまり堀出し物が無いが、当時は面白いものがあって病みつきになった。

ムラノガラスの花瓶にも色々なデザインがある。
流行があるのでどれもを欲しいとは思わないが、この四角張った棒のような花瓶は一目で好きになった。
50年代から60年代にかけてのデザインだ。
花瓶といっても一厘ざしである。
高さは12cm程で5cm角。
色の重なり具合、色の入り方、大きさ、形などがチェックポイントで、
それによって値段は異なるのだそうだ。
私のコレクションは傷もあれば完璧な模様ではないので、
たいした値段では無く安い物だが、それでも私はたいそう美しいと気に入っている。

他にも2,3持っていたがプレゼントしたりして、今ではこの3本だけ残っている。
この中で一番”出来が悪い”らしい赤と緑の組み合わせが好きだ。

宝箱の中身 I

2005-07-06 00:51:27 | 収集物品
ある日ある店のショウウインドウでこのアクリルのボールを見つけて、フラフラッと店内に入ってしまった。
なんだか手に取ってはいけない気がして、体を動かして四方八方から眺めていると、店の女主人がやって来て、「ほらきれいでしょ、手にとって御覧なさいよ。」とこのボールをむんずと大きな片手で掴みドンと私の差し出した両手に乗せた。

どうやったらこんな風に完璧なタンポポの綿毛を樹脂の中に埋め込む事がが出来るのだろう。
細かな気泡さえも出来ていない。
綿毛部分もキチンと開いて折れてもいない。
まるで、野原に生えていたタンポポの綿毛周辺の空間をそのままスポット抜いてきたかの様で、域を吹きかけたら飛びそうにさえ思う。

手上の玉は私の感激熱で温まり初めているし、私の財布には偶然にも値札の数字とほぼ同じだけのものが入っている。
でも今日はこれで買うものが他にあった筈だし、どうしよう。
ええい、どうにでもなれ!
私は両手に暖かくなったタンポポの綿毛の氷漬けをもってレジに向かい、これを貰いますと告げた。
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみにこれは英国製。直径10cm位の球体。
もう一つ後にアザミの入った玉も見つけて持っているが、このタンポポの魅力にはかなわない。