本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

『霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿』

2006年09月03日 | 
十周年をむかえた“ドラよけお涼”シリーズ。
新刊読みましたよ♪
わたしはオトコノコじゃないから、
女王さまに踏みつけて欲しいとは思わないけど。
悪辣な敵を蹴散らして完全勝利するお涼の姿は、痛快です。
あの性格、あの才能なのに、恋愛上手とは言えないところもキュート。
泉田くんも、そろそろ察してあげてよ、と思います。
(あら、これって貝塚巡査と同じ胸中だわ…

『霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿』田中芳樹 講談社 2006

  <以下ちょこっとネタバレ注意!あらすじと感想です>


薬師寺涼子警視の休暇に付き合わされて、
軽井沢にやってきた泉田準一郎警部補。
大人しくパーティーに随伴するつもりが、
なぜか滞在初日から拉致されるはめに…。
 いつも奇妙な事件に巻き込まれる二人のこと、
涼やかな避暑地でのんびりできるはずもなく、
アメリカの富豪親子の相克を目にするわ、
女装団体の怒涛の全国集会に立ち会うわと、
波乱に満ちた夏になりそうな気配なのである。

さて。
知力財力美貌地位を余すところなく利用した、
お涼の傍若無人ぶりが小気味いいこのシリーズ。
実は、本筋とはそれた所で繰り広げられる
政治や社会等の痛烈な批判もひそかな楽しみです。
(作者はあれで日頃のうっぷんを晴らしているんだろうなぁ)
今回の標的はアメリカのよう。
モデルを彷彿とさせる人物が思い当たらなかったので、
ちょっと淋しかったけど。(『夜光曲』では都知事親子が笑えました)
どうせなら某大統領とか、出して欲しかった~。
(それとも単に、取り上げた有名人をわたしが知らないだけ、
なのでしょうか。…むむ。かなりの確率であり得るわ)

それと、お涼が珍しく後手に回っている感じなのが物足りなかった。
大抵、相手の手の内を全て読んだ上で行動するのにね。
大事な“臣下”に危険が及ぶと、さしものお涼も調子が狂うのでしょうか。
休暇らしく、所々でいちゃいちゃできたのは良かったですが。
渦中の青年は、女心さっぱり分からないもんねー!
もちっと意を汲みたまえ!とじれったくなります(笑)。

嬉しかった点は、ジャッキー若林がまた登場したこと。
好きなんですよ、優しいジャッキーさん。
対面すると泉田くんは冷や汗など出るみたいですが、
シツレイな話ですわ。心の目でごらん!可憐だから。
(あと泉田くんはオタクにちょい偏見があるかもね~。
岸本基準で判断するのはいかがなものでしょう



キミ、何もしないで通り過ぎるなんてナマイキよ!
四の五の言わずに、ぽちっと押しなさい!


…な~んて、お涼サマだったら言うかもね?
(- -;)わたしには無理さっ。
せひご協力下さい、ということです。(←泉田通訳風)