長期投資で必要なのは機敏さか鈍感力か？

　米国株を代表するベンチマークS&P500の新高値更新が視野に入ってきた。

　S&P500は２月にザラ場で6,147.43の高値をつけていたが、昨日の終値は6.141.02だったので、順調にいけば高値更新は間違いない。

　米国株は４月の関税ショックから順調に回復を続けている。

　その背景をAIを使って幾つかのニュースからまとめてみた。

「　ホワイトハウス報道官が7月の関税期限が「重要ではない」と発言し、市場の懸念を緩和。
　強い企業収益、安定した労働市場、AI関連株の復活が株式市場の回復を支える要因。
　Nvidia、Meta、Alphabetなどのテクノロジー企業が市場を牽引し、NASDAQ 100は新記録を達成。
　初期失業保険申請件数が予想を下回り、耐久財受注が5月に急増。経済の安定を示す兆候。
　CoreWeaveがCore Scientificを買収する可能性が報じられ、ハイブリッドビットコインマイナーが急騰。
　金価格のKinross Goldが、Jefferiesによるアップグレードで2%以上上昇。
　MicrosoftがOpenAIへの投資から収益を見始めているとMorgan Stanleyが指摘。Russell 2000が重要な技術的水準に近づき、小型株市場の強気シグナルが期待されている。防衛関連株が好調で、Rocket LabやAeroVironmentなどが年初来で二桁の上昇を記録。」

もっとも米国株はドイツ株に較べると過去１年間のパフォーマンスは見劣りする。

だが投資の地平線を５年に伸ばすと過去５年ではS&P500のパフォーマンスが一番高い。またもっと投資期間を長く取るとS&P500の優位性はますます高まる。

　長期投資の観点から必要な資質は何だろうか？

　経済情勢や地政学的なリスクを判断して、投資先を変える機敏さか？

　それともその時々の政治家の発言などで振幅する株価の乱高下に煩わされない鈍感さかだろうか？

　恐らくどちらも必要なのだろうが、将来に予想にはスキルやセンスがいる。また思い込みの罠に落ちる可能性も高い。

　ならば余程自分の先見力に自信を持っている人でない限り、鈍感力をつける方が良さそうだ。世界の主要株式市場のインデックスに投資をしながら、これはと思う株を株価が急落した時に機敏に買い、かなり長い間持ち続けるのが一般的にはお勧めだろうと思った。