金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

眞子様が米国の弁護士の実態をご存じなら良いのですが・・・

2021年09月24日 | うんちく・小ネタ
 ニュースによると小室圭さんが今月末頃帰国して、眞子様との結婚の準備に入るということですね。
 私はこの小室さん・眞子様問題に特段関心はありませんが、Yahooニュースなどを見ると、「仮に小室さんの年収が1,800万円相当としてもニューヨークの高い家賃を払うと苦しい」という書き方なので少々びっくりしました。
 多くの人はアメリカ⇒訴訟大国⇒弁護士は高給取りというイメージを持っているのかもしれませんが、それは正しくないでしょう。
下のグラフはアメリカの弁護士の年収の分布を示したものです。
 弁護士の平均年収は1350万円(1ドル=110円で計算)で、下の25%は年収890万円以下なのです。上位25%以上は2、000万円以上の給与を得ていますが、これはパートナーと呼ばれる幹部弁護士を含むからです。
 アメリカの弁護士の仕事は日本の司法書士や行政書士の仕事を含んでいる(アメリカには司法書士などの資格はない)ので、全体としてはそれ程ドラマチックではなく、給料も想像するほど高くはないのです。
 多くの人がイメージする法廷で論戦を繰り広げる弁護士はLitigation Lawer訴訟弁護士と呼ばれ、このクラスになると給料は高くなりますが、法律知識に加え、ロジックを組み立てる力や相手の心理状態を推し量る力が求められます。
 まず米国人同士の訴訟に日本人が訴訟弁護士として割って入ることは不可能でしょう。
 そう考えると駆け出しの小室さんの給与は900万円前後(ニューヨークは全国平均より高いので正確には不明)と考えるのが常識的でしょう。
そして特殊なこと(たとえば日本企業が絡む訴訟などでバイリンガルの強みを発揮するなど)がない限り、それ程の高給を得ることは期待し難いということです。
 眞子様が米国の弁護士の給与について正しい情報をお持ちの上で判断されていることを期待してますが、どうなのでしょうか?
 ご結婚問題について私が気になっていることはこの点です。
 

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株価は9月の低迷期を過ぎたか?

2021年09月24日 | 投資
 昨日(9月23日)の米国株は大幅に続伸した。ダウは500ポイント1.48%の上昇。S&P500も1.2%上昇した。
 最大の理由は中国の大手不動産会社恒大グループの破綻が金融システムを揺るがす懸念が遠のいたことだった。
 人民銀行は170億ドルの流動性を供給した。これは今週初めの130億ドルの流動性供給に次ぐ2弾目のサポートだ。
 またブルンバーグに「中国政府が恒大に短期のドル債のデフォルトを避けるように伝えた」というニュースがあったことも加わり、株価は今週初めのマイナスを取り戻す大幅上昇となった。
 9月が終わるまでまだ一週間あるが、Barron'sにはStock  are past the September Doldrums - for nowという見出しが躍っていた。
 「株価は9月の停滞期を脱した~今は」という意味だ。
 確かに恒大は短期的にドル債の利払い不能によるデフォルトリスクは回避したようだ。だが恒大の債務は、中国人の個人投資家に販売した金融商品を含めて膨大だ。もしこれらの債務が履行されないとなると中国国内に大きな不安や不満が鬱積する。
 さらには不動産開発を成長モデルとしてきた中国経済の在り方全般を見直す必要も高まっている。
 無秩序な破綻リスクは回避されたように見えるが、問題が解決した訳ではあい。弱気という訳ではないが、あまりにあっけらかんとした株価上向き論には多少違和感を感じた次第。まあ株価が上昇トレンドに戻ることは大歓迎なのだけど。

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