昨日(12月17日)の米国株は米議会で追加コロナ経済対策(9千億ドル)の承認が近いという観測などから上昇し、ダウ、ナスダックはそれぞれ0.49%、0.84%上昇して高値を更新した。
昨日発表された先週(12月12日に終わる週)の失業保険申請者数は885千人で前週の893千人に次ぐ高い水準だった。これは冬に向かうにつれ雇用環境が厳しくなっていることを示唆しているが、厳しい雇用状況を景気対策法案の通過を後押しすると判断されたようだ。
さて今年の株高を牽引したFANG銘柄の中のグーグル(アルファベット)とフェイスブックの来年前半の相対的なパフォーマンス見通しについてバンクオブアメリカ(バンカメ)がコメントしていた(記事はCNBCより)。
グーグルもフェイスブックも広告収入を大きな収入源にしているが、コロナワクチンの普及に伴って経済活動が正常化していく中で受ける影響度合いが違うとバンカメは述べている。バンカメは経済活動の正常化の中で「商品からサービスへ」「パブリックからプライベートへ」「バーチャルから対面へ」という動きが活発になるという。
フェイスブックの株価に較べてグーグルの株価はややパフォーマンスが見劣りしているが、これはグーグルの広告主には旅行業界や地方の飲食業などコロナで逆風を受けた業種が多いことによる。経済活動が元に戻っていく過程では、実経済に近いグーグルの方によりフォローの風が吹くというのがバンカメの見立てだ。
グーグルもフェイスブックも独禁法違反の疑いでテキサス州などから提訴されているが、バンカメは来年は訴訟問題よりも会社のビジネス基盤がより重視されると述べている。
来年広告業界にとって影響を与えるものとしてはアップルのIDFA(広告識別子)の制限問題がある。バンカメはフェイスブックやSnapがアップルによるIDFA利用制限の影響を受け、収入源という逆風が予想されると述べていた。
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私はFANGに代表されるIT銘柄は引き続き堅調だと考えているが、個別銘柄毎にパフォーマンスの差は経済環境の変化に伴って当然でる。パフォーマンスの一番高い銘柄を当てようと思うのは、名人が単発銃で獲物を狙うようなもので、当たれば大きいが外れるリスクも高い。一般にはセクターETFのような散弾銃で獲物を狙う方が手堅いだろう。