金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「シニア大樂」で話し方を学びました

2015年09月16日 | うんちく・小ネタ

昨日の午後はNPO法人「シニア大樂」で「円満な相続を進めるポイント」という講演をしてきました。昨日のイベントは「楽しい講演と落語」というテーマの公開講座で7-80名のシニアの方が参加していました。

講演は「ドイツ人の合理的ケチケチライフ」「きらわれない話し方 明るい会話で生き生きと」「円満な相続を進めるポイント」そして最後が落語協会真打の三遊亭圓王師匠の古典落語です。

私以外の人の演題は「楽しい」ものですが、相続などというテーマはあまり楽しいものではありません。

私の前にお話された平川仁美さん(話し方一級講師)は「嫌われる話の一つは専門用語をポンポン出すような話し方」と言われたのですが、相続の話となると法律用語で話をせざるを得ませんから、聴講の方には嫌われたかもしれません。(笑)

さて三遊亭圓王師匠の落語。演題は「鼓が滝」。

粗筋は摂津の国の有名は「鼓が滝」に行った西行が「伝え聞く鼓が滝にきてみれば沢辺に咲きしタンポポの花」と歌を読む。

日が暮れて道に迷った西行は1軒の農家に一夜の宿を求める。そこで晩飯をご馳走になったお礼に翁の求めに応じ、前述の歌を披露する。しかし翁・媼とその孫が西行の歌を「音に聞く鼓が滝を打ち見れば川辺に咲きし白百合の花」と手直しする。

直された歌の良さに驚いた西行が3人の身分を聞くと3人は自分たちは和歌三神(住吉明神・人丸明神。玉津島明神)の化身だと身分を明かし、西行の歌に対する慢心を戒めた・・・というものです。

この話を膨らませて圓王師匠は約30分の話にしました。師匠は「プロの噺家というものは、同じを話を短くやれ、といわれると幾らでも短くすることができますし、長くしろ、といわれると長くすることができます」と言いました。素人の噺家さんは筋を覚えるのが精一杯で、このような調整はできないそうです。

プロの芸は奥が深いと改めて感心しました。

私も時々講演をするのですが、同じテーマでも聴衆の方の反応や与えられた時間を考えながら、話の流れを変えたり、雑談を入れるなどの工夫を凝らすようにしています。学会のセミナーのように「このテーマの話を聞こう」と聴衆の方が決めている時は話がしやすいのですが、昨日のように色々な講演が混じっている時は、総ての聴衆の方が私の話を目当てに来られている訳ではありませんから、気を使いますね。

「人を引き付ける話をする」というのは、学び続けるテーマの一つですね。

 

 

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FOMC前に米株上昇

2015年09月16日 | ライフプランニングファイル

今世界の市場関係者がもっとも注目しているFOMC(連邦公開市場委員会)ミーティングを前に昨日の米国株市場は大きく上昇した。ダウは228.89(1.4%)、S&P500は25.06(1.28%)の上昇だった。

株価を押し上げたのは、商務省が発表した小売売上高が堅調だったことだ。8月の小売売上高は市場予想の0.3%に届かなかない0.2%だったが、ガソリンなどを除いたコア小売売上高は0.4%上昇。このことは中国発の世界的な株安にも関わらず米国の景気が堅調なことを示したと市場が解釈したことを意味する。

今日・明日2日にわたるFOMCで連銀が政策金利の引き上げに踏み切るかどうかは分らないが、ロイターによると金利先物は9月に金利引上げを行うと予想する比率は月曜時点の23%から4%上昇して27%になった。

8月時点では80%強のエコノミストは連銀は9月のFOMCで政策金利を引き上げると判断していた。理由は失業率は完全雇用に近い水準に低下し、景気は堅調だったからだ。今月の経済指標は米国の景気が引き続き堅調なことを示しているから、国内事情だけを見ると金利引上げ環境は整っているといえる。問題は政策金利の引き上げで、世界の経済と株価に悪影響を与えることを連銀が懸念しているところにある。

要は連銀は悪者になりたくないのである。

ただし連銀が今月政策金利の引き上げを見送ったすると、市場に不確実性が残り、方向感が定まらず、ボラティリティが高止まりする可能性があるということだ。金利引上げを見送っても悪者になる可能性があるというので、連銀の判断は難しいところだ。

米国株が買われた株価下落でバリュエーションから見て値ごろ感がでたこともある。予想利益ベースで見て、S&P500のPERは、過去15年間の平均15.6を下回る15.4倍になった。

★   ★   ★

昨日元の会社の仲間のUさんと飯田橋で軽く飲んだ時、株の話になった。短期的にみると株価は金利動向や一部の投機家のspeculativeな動きに左右されることが多い。FOMCが金利引上げを決めると不透明感が一つ消えた、ということで一時的に株価は上昇する可能性もあるだろう。

しかし中期的には株価に影響を与えるのは企業収益(予想)である。中国の景気減速はやはりじわりじわりと効いてくる可能性は高いと私は見ている。

もう少し投資の時間軸を広げて考えると、産業構造の変化が株価にドラマチックな影響を及ぼす可能性もあると私は考えている。例えば「人工知能」を中心としたIT分野には非常に伸びしろがあると思っている。

具体例は自動車の自動運転部門だ。また日本では今話題になっている「マイナンバー制度」も大きなビジネスチャンスを持っていると考えられる。「マイナンバー制度」が理想的な形(情報漏えいリスクを回避しながら、多くの国民が利用しやすい形で運用される場合)で運用されるならば、行政・民間事業者・消費者の手間暇とコストは大幅に削減される。

削減される側(たとえば「先生」と呼ばれる士業の仕事の中のclericalな部分)にとっては脅威だろうが、国民経済全体からはプラスであることは間違いない。高齢者にとって使いやすい情報端末の普及も課題だろう。現在はPC・タブレット・スマートフォンに大別される情報端末の境界線があいまいになり、もっと設定等が簡単でかつ入力がしやすいデイバイスが普及するのではないだろうか?などと考えている。

そしてそのような市場を制するのは、世界規模の企業であることは間違いない。投資の時間軸とともに、地平線を広げて考えてみたいと思う。資産運用の期間を長寿化に合わせて、10年20年単位で考えるのであれば、の話だが。

★   ★   ★

最近出版した電子本

「海外トレッキングで役に立つ80の英語」

「インフレ時代の人生設計術」 B00UA2T3VK

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

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