金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【書評】「最後はひとり」下重暁子~「家族という病」ほど一般的ではない

2015年09月28日 | 本と雑誌

「家族と言う病」をグーグルで検索すると上位数行に私のブログが引用されているので、「家族という病」から私のブログを閲覧する人は多い。一時期に較べると検索数は減ったが、それでも日に数十件のアクセスはあるから「家族という病」はよく売れているのだろう。

さてそんなこともあって下重さんには多少の親近感(実際にはまったく面識はない)を感じ、彼女が今月新しく出版した「最後はひとり」という本(PHP研究所)をざっと読んでみた。

結論からいうとこの本は「家族という病」ほどには売れない、と私は判断している。

理由は「家族は素晴らしいは欺瞞である」という帯封の言葉にある共感を感じる人が多いと思うが、「最後はひとり」の帯封は「老いと孤独は書くことで乗り越えられる」で、「家族は欺瞞」ほど多くの人の共感を呼ばないと感じるからだ。

著者は「ものを書くことで自分を掘り、心を見つめ・・本当の自分を知る」という。そうすることで「今まで見えなかった自分が見えてくる」という。

「一生に自分の本を一冊書きたい。自分のために、社会のために書き残すものでもいい。・・・・私はどこから来てどこへ行こうとしているのか。・・・・自分が生まれた意味を知らねば、生を終えるにあたって、私が生きてきた事を認識し納得する事ができない」というのが著者の主張のようだ。

つまりこの本は「自分の心に向かい合うために、ひとりの時間をものを書くために有効に使いなさい」といっているのである。

恐らくその主張は正しいと思うが、総ての人が下重氏のように書いたものを発表する「場」を持っている訳ではない。この本の中にも「自費出版は二百万円位かかる」と書いてある。もっとも下重氏は言及していないが電子出版ならほとんどタダでできるが、今「最後はひとり」になっている方で電子出版を試みる方は極めて希だと思うので、やはり「ものを書いて出版し生きた証(あかし)を作る」というのは万人向けではないのである。

もっとも「孤独を自分を深めるチャンスととらえる」という点をより一般化すると多くの人にとって「老いと孤独は乗り越え易く」なるかもしれないと思う。なにも長いエッセーや本を書くことだけが自分を深める方法ではない、と私は思う。

絵を描いても良いし、写真の技を磨いても良い。人前で話すことに力を入れても良いし、知識や経験をボランティアに生かしても良いと思う。

だがこれは一般論だ。おそらく下重氏はこの本で「自分はものを書くことで老いと孤独を乗り越える」と宣言したかったのだ、と思う。だから一般論は書かななかったのだ。

なお孤独をチャンスに変える、ということについては齋藤孝氏に「孤独のチカラ」(新潮文庫)という本がある。こちらの方がより万人向けをする、と私は感じてるので付け加える次第だ。

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マイナンバー川柳を一工夫

2015年09月28日 | うんちく・小ネタ

名古屋の友人が「つかみネタです」といって、私のマイナンバー講演用に「シルバー川柳一覧」を送ってくれました。

当面の講演はシルバーさん向けの講演ですから「難しい話ばかりしないで、聞き手の興味を引く話をしてください」という老婆心でしょう。

その川柳一覧の中でマイナンバーネタに使える川柳が2つありました。

カード増え 暗証番号 裏に書き

ここでいうカードはクレジットカードや銀行のキャッシュカードでしょうが、マイナンバー制度発足後に、申請するとマイナンバーカードを貰うことができます。

マイナンバーカードを貰うと3つの暗証番号を登録します。「個人番号カード用暗証番号」「利用者証明用暗証番号」は数字4桁(同一で良いかどうかは分りません)。「証明用電子証明書」を利用する場合は6桁以上16桁の英数字を登録します。

「3つも暗証番号を覚えることはできません」ということで裏に書いておこう、と考える人がいるかもしれませんが、これは×です。

銀行預金口座からインターネット経由などで不正に現金が引き出されることがあっても、パスワード等の管理がしっかりしていると救済される可能性が高いようですが、パスワードの管理が杜撰だと救済されないことが多いようです。「カードの裏に暗証番号を書く」のは最悪です。

深刻は 情報漏れより 尿の漏れ

少し尾籠ですが、一部の高齢者の方には確かに情報漏れより尿の漏れの方が深刻な問題かもしれません。ところで「漏れて困る」情報とはどんな情報なのでしょう。マイナンバーカードには「氏名・性別・生年月日・住所」の4情報が記載されますが、いわばこれは表札に生年月日が付いた程度のもの。昔は電話帳に住所・氏名を公開していましたからそれ程秘匿する情報ではない、という見方もできるでしょう(漏れて良いといっている訳ではありません)

漏れて困るのは実は「尿が漏れている」という類の人には知られたくない情報なのです。それ故マイナンバーが医療に結び付くときは、情報漏えいの問題はより重要な問題になると思います。

なおインターネットを見ると割りに有名なのが

マイナンバー ナンマイダ―と聞き違え

というのがあります。ちなみに「ナンマイダ―」と打って変換キーを押すと「何枚だー」とまず変換しました。マイナンバーカードは1人1枚です。本当にナンマイダ―と聞き違えるのであれば、熱心な念仏信者のはずで、極楽往生間違いなしですからそれは良いことだと思います。

最後に一つ私も作ってみました。

といっても日頃川柳は作りませんから、良寛さんの有名な俳句をもじってみました。

裏を見せ表を見せて散る紅葉」 (良寛)

表見せ 裏は見せないマイナンバー」(沢の詩人)

「マイナンバー」のところはマイナンバーカードか個人番号カードが正しいのですが、字余りなのでマイナンバーにしました。マイナンバーカードは写真入りの身分証明書として使うことができます。例えばスポーツクラブの入会時に身分証明書として提示することができますが、表を見せれば十分です。表には「氏名・住所・生年月日・顔写真」が表示され、裏にはマイナンバーが記載されいます。このマイナンバーは法律で特定されている業務以外に利用することはできませんし、聞くことも禁止されています。

ですから法律で特定された業務以外でマイナンバーカードの裏を見せる必要はありません。表は見せても裏は必要な時以外は見せないのがマイナンバーカードの正しい使い方なのです。

講演会 話すも聞くも高齢者

 「シルバーさん向けの講演会」と冒頭に書きましたが、話をする私も法律上は高齢者の1人です。新しい制度ができた時、「こりゃ煩わしい大変だ」と捉えるか、「新しい仕組みを勉強してもっと生活を便利にしてみるか」と考えるかでは大きな違いがあります。

好きでも嫌いでもやってくるものであれば、好きになる方が受け止めやすいでしょう。

 

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秋の旅行はトリップアドバイザーでホテル探し

2015年09月28日 | 旅行

この秋は出張や学会セミナーが重なり、京都・名古屋に連泊する予定です。

京都は紅葉のシーズンと重なり、手頃なホテルを簡単に見つけるのが手間がかかります。

そんな時の強力な助っ人がトリップアドバイザーのサイトです。

トリップアドバイザーに目的地と宿泊予定日を入れると、一つのホテルについて複数の旅行代理店(楽天トラベル、JTBなど)の提示する価格が一度に表示されます。その中から一番安い代理店を使って予約すると良い訳ですね。

世の中はすっかり「一物一価」でなくなったことを改めて実感します。そしてそれが色々なビジネスを生みます。価格競争は消費者にプラスですから大歓迎です。

 

 

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