金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「歳には勝てる」(鳥越俊太郎)を読んで

2014年01月20日 | 本と雑誌

先日鳥越俊太郎氏の「歳には勝てる」(マガジンハウス)という本が図書館で目に留まったので借りて読んでみた。30分ほどでさらりと読める本だ。こういう本は・・などというと筆者に叱られるかもしれないが、一つか二つ共感し、自分の考え方をenhance(補強する)ところがあれば良いと思う。しかし逆はダメだ。人が書いた本の中に何かを求めても、そこで得るものは少ない。

さて「歳には勝てる」で一つ共感したところは「若さ帰らず、しかし・・・」の中の「仕事でもいい、趣味でもいい、少なからず何かをやっていたら、顔や体が垂れ下がろうと、二重顎になろうとも、それはそれで生き生きとしている。・・・・僕(鳥越氏)は六十五歳だけれど、気持ちなかでは若い頃と何も変わっていない。昔と同じように、いろいろなものに興味がある。」

この話のポイントは好奇心を持ち続けると、いつまでも生き生きとしていることができるということだろう。

医学的に完全に立証されているのかどうかは知らないが、感動すると脳内神経伝達物質が分泌されて脳が活性化するという話を耳にすることがある。仮に医学的に完全に立証されていなくても、美しい風景に接すると感動して、気持ちが良くなり、生きていて良かったと思うことは多い。

好奇心を持ち、新しい発見(自分として)に感動する。そして新たな好奇心を持つというポジティブな循環を作り出せたらいいな、と思う。

一つ二つ私の考えを加えると、好奇心を持続させ感動に結び付けるには、頭の中の動きだけではダメで、肉体の動きを伴う必要があると私は考えている。

つまりパソコンやスマートフォンの中で探し物をして、それに満足していてはいけないと私は考えている。感動はバーチャルでは得られない。体を動かして、汗をかいて、時には寒さをひしひしと感じながらリアルの世界に接する中に感動はあると私は思っている。

そしてその感動を多くの人と分かち合えるスキームを作り、人々の好奇心と感動が良い循環をする社会をつくるために多少なりとも貢献することができれば幸せである。

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シングル・イシュー・ボーティングの危うさ

2014年01月20日 | ニュース

先週の日経産業新聞の「眼光紙背」面「原発なき東京『脱原発』の底流には」には共感するところが多かった。

コラムのポイントを列挙すると次のとおりだ。

  • (東京都が)自らの行政地域ではなく、他県に立地する施設をゼロにしましょう、という主張は地方自治なのだろうか?
  • 他県の原発の電力を使いたいだけ使い、反映してきた東京が「もう原発はいらない」と言い出せば原発立地県は身勝手もいいかげんにしろと言いたくならないだろうか?
  • 多くの原発立地県は地域経済活性化のために原発を受け入れ、それに基づいて地域が動いている。それを東京の論理だけで、やめさせられてはたまらない。まことに不思議な都知事選が近づいている。

新聞の性格からして原発支持的なので、反発を感じる読者もおられるかもしれない。しかしここでは原発支持・原発反対の問題は横において冷静に考えると、今後の国政にも大きな影響を持つと考えられる都知事選が原発問題というシングル・イシューで争われ、その結果他の経済圏に大きな影響を与える可能性があるとすると、まことに不思議な選挙という指摘は妥当、と言えるだろう。

シングル・イシュー・ボーティングsingle issue votingは、小泉元首相の「郵政選挙」で有名になったが、元々はアメリカ発の言葉だ。Wikipediaはカリフォルニア大学の研究を紹介しているが、それによると候補者に関する情報が少ない国会議員の選挙ではシングル・イシュー選挙の反対概念である「政党選択」型の選挙となり、大統領選挙のように候補者に関する情報が多い選挙ではシングル・イシュー選挙になる傾向が多いという。

日本では首相公選はないが、その一種のproxy(代理)として、東京都知事選が行われると考えると都知事選がシングル・イシュー選挙の様相をとることは米国の傾向と一致しているといえる(小泉元首相は米国では「政党選択」型の選挙になると考えられる国会議員の選挙をシングル・イシュー選挙にした点では選挙の達人なのだろう)。

だが首長をシングル・イシューで選んで良いかどうか?ということについては私は明確に反対である。

およそ多くの政治的課題は「Aが絶対に正しくて代替案はない」というようなものではない。A政策を行うと、Bは利益を得るがCは不利益を被るという類の話である。そのような課題が並列的に並んでいて、それに優先順位を与えながら、長期的視野に立って最大多数のメリットを追求し、その過程で不利益を被る人を救済するというのが今日の政治のはずだ。シングル・イシュー選挙には原理主義に共通する危うさを感じる。

大型地震を含めた災害対策、高齢化社会への対応、オリンピック開催、老朽化した社会インフラの整備などなど政策課題は多い。

原発問題に関して東京都が言えることがあるとすれば、「省エネルギー政策の実行・支援」「東京におけるエネルギー自給率の改善(熱電併給システムの導入等)」などではないだろうか?

生ぬるいと思われるかもしれないが、世の中には漸進的にしか改善できないことがあると私は考えている。

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厳冬の美ヶ原~山本小屋から茶臼山往復

2014年01月20日 | 

1月19日日曜日6時30分。日の出まで半時間ほどあるが、防寒体制を整えて山本小屋の外に出て望遠レンズで朝の雪景色を撮った。地平線がほのかに紅色に染まり始めている。

Moring

やがて富士山が姿を現した。

Fuji

7時15分ごろ雲の上に朝日が昇った。

Sunrize

7時半に朝食。8時43分茶臼山(2006m)に向けて出発。美しの塔から左手に見える小高い丘が茶臼山だ。

Chausu

トレースはかなり昨日の雪で消えている。まだ根雪になっていないところがあり、スノーシューの人は太ももまで沈むことがあった。

地図の黒〇が山本小屋で赤〇が茶臼山だ。

Map2

赤線が歩いたルートのGPS軌跡なのだが、赤い線は茶臼山の前で止まっている。

なぜかというと茶臼山の最後の登り(標高差約60m)がクロスカントリースキーでは登ることができなかったからである。手前の1957m峰と茶臼山の間のコルで私は止めたが、スノーシューチームの二人は見事に茶臼山を往復した。

Chausu2

写真は茶臼山から1957m峰に戻ってくる二人。

Kurokann

写真は私が借りたクロスカントリースキー(クロカン)の板だ。写真ではわからないが、スキー板の裏には細かい鱗があり、多少の傾斜は登ることができるが、急斜面を登ることはできない。茶臼山はクロカン の対象外の山だったのだ。

11時28分山本小屋帰着。3時間弱の雪遊びは無事終わった。12時に昼食を頂き、その後山本小屋の温泉で冷えた体を温め、13時30分の送りの車を待った。

小屋の外ではスノーモービルのエンジン音が響いていた。これもまた雪遊びのツールだ。14時30分下諏訪駅到着。自宅に戻ったのは、大相撲の横綱戦の少し前だった。

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厳冬の美ヶ原~山本小屋から王ケ頭往復

2014年01月20日 | 

1月18日土曜日。あずさ3号は定刻より少し遅れて10時7,8分に下諏訪に到着した。八王子から間違って特急に乗車したセンター試験の受験生を相模湖駅で臨時下車させたためだった。10時半には名古屋からのSさん、Kさんも下諏訪に到着。今夜泊まる美ヶ原・山本小屋の迎えの車で美ヶ原に向けて出発。冬季はビーナスラインは閉鎖されているので、中仙道・和田宿を回る道で美ヶ原に向かった。途中運転手さんが「あそこに鹿がいる」「こっちにカモシカの子供がいる」と時々車を止めて教えてくれた。カメラを入れたザックをトランクに置いていたので写真は撮れず。

11時45分ごろ山本小屋到着。厳冬期も週末は宿泊客が賑わうといわれている山本小屋だがこの日は閑散としていた。宿泊者は我々3名ともう一組2名だった。カレーライスの昼食を食べた後、Sさん、Kさんはスノーシュー、私は小屋で借りたクロスカントリースキーで王ケ頭を往復することにした。目標は王ケ頭ホテルの喫茶店でコーヒーを飲むことだ。

Map1

地図右の黒〇が山本小屋、地図左の赤〇が美ヶ原の最高点王ケ頭だ。青い線が往路のルートで緑の線が復路のルートだ。

山本小屋出発は12時46分。往路は美しの塔から直線的に王ケ頭を目指し、焼山沢川の最上部を横断した。写真は焼山沢川の最上部を降るスノーシュー組。

Snowsanctuary2

このルートはスノーシューには手頃なのだが、登り傾斜に弱いクロスカントリースキーには手ごわいコースだった。樹林帯の中でキックターンを繰り返しながらようやく尾根筋にでたのは13時44分。1時間かかった。13時58分王ケ頭ホテル到着。計画通りコーヒーを飲んでからホテルからほど近い最高点を往復した。

Peak

 

14時19分山本小屋目指して出発。帰りは少し距離は長くなるが高低差の少ない夏道に近いルートを選んだ。一面の雪原だからどこを歩いても良いので気持ちが良い。

Snowsanctuary3

途中スノーシューで歩く若い男女3人に会った。プラスチックの大きなシャモジのような板をぶらさげている。聞くとそれに乗って滑るそうだが、雪がふかふか過ぎて沈んでしまうということだった。後ろの山は左が蓼科山 でその右が北八ヶ岳連峰だ。

13時10分美しの塔まで戻ってきた。

Snowmobile

王ケ頭ホテルから美しの塔を往復する雪上車が時々走ってきた。雪上車には美ヶ原の雪景色を車上鑑賞する観光客があふれていた。

冬の美ヶ原はいろいろな楽しみ方を提供してくれる。スノーシュートレックあり、クロスカントリースキーあり、スノーモービルあり、雪上車でのイージーツアーあり、写真撮影ありと色々だ。美ヶ原は雪のプレイグラウンドだ。

15時16分山本小屋帰着。帰りはゆっくり休みを入れても、1時間以内で戻ることができた。クロスカントリースキーは楽なコース取りをすると歩くよりもかなり早い。手前味噌な言い方をすると数ある冬の美ヶ原の楽しみ方の一つの王道はクロスカントリースキーである。

だがそのクロスカントリースキーで翌日は苦しみことになった。その話は次のブログで。

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