米ドルが、対円でじわりと上昇してきた。水面下に沈んでいた毎月積立のセゾン投信に若干の含み益が出てきたので、検討課題も出てきた次第。
昨今のドル高の背景は、比較的堅調な米国経済と欧州債務危機の一服感だ。昨日(8月16日)の米国株式市場では、シスコの予想を上回る好決算と配当アップ(8セントから14セント)と、新規住宅許可件数が好調だったことを好感して上昇した。SP500は4月の高値更新に後4ポイント弱まで迫る1415.51でクローズした。
市場というものは、時として自分が持っているシナリオに都合が良い統計データを重視する、という傾向がある。昨日市場が開く前に商務省が発表した7月の新規住宅着工件数は前月比1.1%減と弱い数字だったが、市場はこの数字ではなく、812千件という新規住宅許可件数の方を評価した。812千件という数字は08年88月以降ではベストの数字だ。許可件数が多い、ということは向こう数カ月新規住宅着工件数の増加が期待できるからだ。
株価は欧州でも堅調だ。Eurofirst300指数は6月初めから13%上昇し、過去1年の高値に1%のところまで迫っている。
景気見通しの回復にともなって、金利は上昇基調だ。米国債10年物指標銘柄の金利は2ベーシス上昇して1.84%になった。金利先高感を受けてドルはじわりと上昇している。
このため市場では、9月のFOMCミーティングで、連銀は資産購入等の金融緩和策を取らないだろうという観測が広がり始めている。だがこのまま米国経済が順調に景気回復のパスを歩き続けるかどうかは疑問だ。もっとも将来のことは常に疑問だらけだ(先行き見通しがはっきりしていれば、金融ほど楽な仕事はない。)。
もし短期的にドルが80円を超えることがあれば、外貨バランスファンドの2,3割をキャッシュ化する、という選択はありかな?と私は考えている。