金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

介入の効果弱める個人の円買い圧力

2010年09月21日 | 金融

マーケットの今週(9月21日)の注目点は、日本政府の単独介入が円高圧力を押し戻せるかどうかだ。

FTは先週の日本政府の為替介入は、もしデイトレーダーが多額の円買いに動かなければもっと効果が出ただろうと書き出す。

証拠金取引を行う個人デイトレーダーは、円安を見込んで円のショートポジション(円売り・外貨買い)を積み上げていたが、政府介入により円高が進んだので急いで円買いに向かった。JPモルガンが東京外為市場やガイタメ.comから集めたデータによると、1兆8千億円の円売り介入に対して、デイトレーダーは2兆4千億円の円買いを行った。この結果円のショートポジションは4兆4千億円に減少した。

JPモルガンの為替ストラテジスト棚瀬氏によると、もしまた政府の円売り介入が実施させると、デイトレーダーは円買いに回るので円の下落に歯止めをかけるだろうと述べている(因みに棚瀬氏は少し前まで政府の為替介入の可能性は極めて低いという見解を示していた)

先週の為替介入は一定の効果をあげたというのが、市場の評価だが為替の単独介入だけでこれ以上の円安を期待することは難しいだろうと私は考えている。

ただし何らかの理由で、個人投資家達が円高がこれ以上進まないと判断して、円売りドル買いにポジションを変更すると、円安は加速する可能性がある。個人の力は侮れないものである。

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