米国は公式にリセッションを宣言していないが、確実に景気は悪化している。ニューヨーク・タイムズなどをパラパラ見ていると(紙で見ている訳ではないのでパラパラは比喩だが)、物が売れないとか雇用が悪化したという話が多い。例えばスターバックスは今年600店の閉鎖を決めた。これにより1万2千人が解雇される見込みだ。米国の失業率は過去1年間で1%悪化して、5月には5.5%に達している。
失業者というのは、職を求めているけれど職にありつけない人を指し、英語ではUnemploymentという。しかしこのカテゴリーには「仕事を探すことを諦めた人」や「フルタイムの仕事からパートタイムの仕事に替わらざるを得なかった人」を含んでいない。
もう一つUnderemploymentというカテゴリーがある。日本語の辞書を見ると「不完全就業者」という訳がでているが、この訳ではピンとこない。そこで英語の投資用語辞典を見るとぴったりする説明があった。
「雇用はされているが、給料、勤務時間、技術と経験のレベルなどでの希望している仕事・地位についていない労働者。機会があれば希望する仕事を求めるので、求職市場で失業者と競合する存在」
ニューヨーク・タイムズによると、米国の労働省は「失業者に仕事探しを諦めた人・パートタイマー・Underemploymentを加えた人々」(特定の言葉は使われいないが、仮に広い意味の失業者としよう)の割合が、2007年5月の8.3%から1年間で9.7%に上昇しているという。
ところでどのようにしてUnderemploymentの数を推定したのだろうか?興味のあるところだ。
日本の失業率は現在4%で、先進国の中でも最も低い水準だが、Underemploymentを加えるとどうなるだろうか?不満を抱えながら働いている連中もいるようなので、広い意味の失業率は日本も高いかもしれない。