金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米で不完全就業者が増える

2008年07月03日 | 社会・経済

米国は公式にリセッションを宣言していないが、確実に景気は悪化している。ニューヨーク・タイムズなどをパラパラ見ていると(紙で見ている訳ではないのでパラパラは比喩だが)、物が売れないとか雇用が悪化したという話が多い。例えばスターバックスは今年600店の閉鎖を決めた。これにより1万2千人が解雇される見込みだ。米国の失業率は過去1年間で1%悪化して、5月には5.5%に達している。

失業者というのは、職を求めているけれど職にありつけない人を指し、英語ではUnemploymentという。しかしこのカテゴリーには「仕事を探すことを諦めた人」や「フルタイムの仕事からパートタイムの仕事に替わらざるを得なかった人」を含んでいない。

もう一つUnderemploymentというカテゴリーがある。日本語の辞書を見ると「不完全就業者」という訳がでているが、この訳ではピンとこない。そこで英語の投資用語辞典を見るとぴったりする説明があった。

「雇用はされているが、給料、勤務時間、技術と経験のレベルなどでの希望している仕事・地位についていない労働者。機会があれば希望する仕事を求めるので、求職市場で失業者と競合する存在」

ニューヨーク・タイムズによると、米国の労働省は「失業者に仕事探しを諦めた人・パートタイマー・Underemploymentを加えた人々」(特定の言葉は使われいないが、仮に広い意味の失業者としよう)の割合が、2007年5月の8.3%から1年間で9.7%に上昇しているという。

ところでどのようにしてUnderemploymentの数を推定したのだろうか?興味のあるところだ。

日本の失業率は現在4%で、先進国の中でも最も低い水準だが、Underemploymentを加えるとどうなるだろうか?不満を抱えながら働いている連中もいるようなので、広い意味の失業率は日本も高いかもしれない。

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中印株、もう少しの下げは覚悟しないと

2008年07月03日 | 株式

中国、インド株に投資している人は、暴落にがっくり来ているかもしれない。私も多少インド株やインドの投信を持っているので、どの辺りが底になるか気になるところだ。インド株は昨日5%近い急騰を見たが、まだ下げると見ておいた方が良さそうだ。

FTは「中国やインド株は随分下げたけれども、PERは世界平均よりも中国で23%、インドで41%高いのでまだ下げるだろう」と述べている。FTによると過去には「ベンチマークとしての20ルール」というのがあった。これは市場のPERは「20-インフレ率」となるというものだ。このルールは90年代にPERが20を越えた時に壊れてしまったが、基本的な考え方は残っている。つまりインフレ率が上昇するとPERは下落する。中国、インドのヘッドライン(コア)インフレ率は8%で、G7の主要国の倍だ。

インフレ懸念が投資家の主要関心事である間は中国・インド株はもう少し下げるだろう。ところで中国・インドをまとめてChindiaとFTは書いていた。過去のPERが高くて、原油高などに弱くインフレリスクが高いという点で一緒にしたのだろう。

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