追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

アメリカ白人社会の素顔……(2)

2017年02月14日 | 文化・文明
トランプの行動理念

私が会社に入った頃は社是や社訓が大はやりで社員手帳にも長文の社是が掲載され社長の年頭挨拶や入社式の挨拶等では必ず一部が引用されたものである。
しかし今や人材多様化の時代,金太郎飴のような人材は会社にとってマイナスであるという観点からいつの間にか余り声高に叫ばれることもなくなりいつしか消滅してしまった。
今では人材育成の観点から各個人が判断の拠り所とする座標軸や基本的な考えである行動理念が重要視され、それがその人物の評価基準の一つとなっている。

それではトランプの行動理念とは一体何なんだろうか。
トランプの発言を聞いているとまず感じるのは感情的、直情径行的、独善的でご都合主義、粗雑・緻密さに欠け、唯我独尊のオンパレード、そこには本人の国家運営に対する理念・哲学、更には戦略的思考が全く欠落しており、情報リテラシーに乏しいpoor white には熱烈歓迎されてもアメリカ東岸、西岸に住むアメリカ人や外国人の心に響いてこないのではないだろうか。
三権分立の理解や他国の首脳に対する敬意等は大統領に最低限求められる資質、品位、品格 、知性等を云々する以前の問題であろう。外交儀礼の無視はアメリカの品位を落とすことに気付かない。全く呆れた御仁である。

トランプの事業家としての手腕を評価する声もあるが本当にそうだろうか。
事業は父親から引き継いだ不動産業であるがカジノやホテルへの投資で失敗し経営母体は非上場で実態は不明である。中国系やアラブ系の銀行からの多額の借り入れも噂されており、選挙の際問題となった納税実態の開示も拒否しており事業は赤字で法人税等も払っていないのではないかと疑われている。トランプネットワークという名義貸しでマルチ商法にも手を貸していて非難の対象となっている。
トランプは父親以外に誰かに仕えて事業のN・Hを学んだ経験がなく、しかも不動産事業という「他人が得れば、自分は失う」というゼロサムの社会、最大限自己の要求を満たそうという謂わば特殊な領域である。メキシコ・中国・日本が得をし、アメリカが損をしているという勝つか負けるかというような視野狭窄的な発想は此処にその原点がある。 ビズネス社会で求められる「長期的な取引の為に必要な相互の信頼関係、win/win」の考えなど全く念頭にない。
政治家・事業家などのトップに立つものが常に求められるのは意思決定能力である。
意思決定には ①目的・目標を設定し ②それを達成する為の多くの案から最適案を選択し③それを実行した場合のリスクの分析とその対策を準備した上で ④実行することになる
トランプの場合②,③が抜け落ちている為世界中を大混乱に巻き込む危険性がある。
意思決定には持ち合わせる知識・経験・情報を総動員し有効なアドバイスに耳を傾けて熟慮の上行われるものであり、皮相的な現象だけを捉えた理論的裏付けのない感情論は間違った意思決定をもたらす危険性が高い。、

トランプには情勢を分析し熟慮を重ねて意思決定する能力がなく、多くは本人の損得勘定を中心に判断し、ひたすら相手を恫喝、畳みかけるだけの印象を受ける。



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