追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

ASKA再逮捕劇

2016年11月29日 | 文化・文明
ASKA本人が「盗撮、盗聴されている」と、自ら110番通報し言動に不明な点が有った為、警視庁で薬物の尿検査をしたところ陽性反応が出たため、覚せい剤取締法(使用)の疑いで逮捕されたと報じられた。
本人は「事実に反します」と容疑を否認しているというし、薬物によるフラッシバックの可能性も完全に否定できない段階で、警視庁のASKA逮捕の事前予告、リークのお先棒を担いでのNHKはじめマスコミの騒ぎ様はどうだろう。当局の自己PRとマスコミの商売の格好の材料として見世物にされる、いつものパターンで痛ましい話である。

覚せい剤依存は一種の<慢性疾患>であり、これを刑罰によってやめさせようとしてもうまくいかないことが多いと言われている。それよりも、治療やカウンセリング等いかに医療モデルの中に組み込んでいくかが大切で、何処かアプローチの仕方が間違っている気がする。
一罰百戒の名の下に、司法やマスコミにより有能な人材が社会的に抹殺されるようなことがあってはならない。
医療プログラムに上手く乗れず再発の失敗を繰り返していても回復するケースも多いと聞く。静かな環境の中で暖かく見守っていくことが必要だろう。

問題は薬物利用者ばかりが大騒ぎされ密売者やその元締めが逮捕されたという報道には殆どお目に懸かれない。
麻薬は人間を廃人にする毒薬である。アジア各国は阿片戦争等過去の苦い経験から麻薬販売は殺人と同様厳罰で対応している。
フィリピンのルテルテ大統領の麻薬撲滅の強硬策も生半可な対応では解決できない国情から理解できる点もある。
日本の当局の犯罪加害者に対する対応の緩さにはあきれる外はない。
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キラーストレス…(3)

2016年11月24日 | 文化・文明
文科省がストレス解消法の一つとして リラクセーション法を取り入れている。
リラクセーション法は、リラックス反応を誘導し、ストレス反応を低減させ、心身の回復機能を向上させる方法である。多くの文化圏で古来より様々なリラクセーション法が実施されてきたが、近年、医学的にもその有効性が確認され、ストレスマネジメントの方法として活用されている。リラクセーション法は、ストレス軽減に即効性があり、訓練を続けることで心身の自律機能が回復し、ストレス反応が起きにくい体へと変化させる。
リラクセーション法には様々な方法があるが、自分自身で簡単にできる方法が紹介されている。

1)<漸進的筋弛緩法>
筋肉の緊張と弛緩を繰り返し行うことにより身体のリラックスを導く方法で、「漸進的筋弛緩法」と呼ばれる。筋肉の完全な弛緩を誘導するために、各部位の筋肉を数秒間緊張させた後に弛緩することを繰り返していく。
ポイントは70%程度の力を入れ一気に力を抜く(全身の脱力が良い…ゆっくり力を抜くと緊張が持続し逆効果となる)
①握りこぶしを作る(5秒)、一気に脱力(15秒)、力を入れ脱力する時間は②以降同じ
②腕を曲げ脇を占める、両肩を持ち上げ、目をかたく閉じ、ひょっとこの顔をして力を入れる。
③胸を張り肩甲骨を閉じてっ力を入れる。
④少し前かがみになるように背中を曲げお腹を引き締めるように力を入れる。
⑤椅子に腰かけ、肛門周りの筋肉を占め足を延ばして踵だけが床に接するようにして力を入れる。
この弛緩法は肩こり、腰痛、不眠、不安、抑鬱、倦怠感、過敏性腸症候群,頚部・背部痛に効果があるとがん医療に於ける「心」を専門とする活動、サイコオンコロジー(Psycho-Oncology)でも取り上げられている。

2)<呼吸法>
 ストレス・緊張状態では、呼吸は浅くて速い呼吸になる。その反対に、リラックス状態では、深くてゆったりとした呼吸になる。緊張しているときに、深くてゆったりした呼吸をすると、気持ちが落ち着く。このように、体の状態と呼吸には密接な関係がある。普段、私達は、無意識に呼吸を行っているが、意識して呼吸をコントロールすることもできる。東洋では、古来から、ヨガや気功、各種武道で、この呼吸法が心身の活動を高める効果があるものとして重要視されてきた。特に腹式呼吸は、副交感神経系の活動を賦活させる効果があることが医学的にも確認されている。
 腹式呼吸法は、下腹部が膨らんだり、へこんだりするように呼吸する方法である。(臍の下に手をあて)体の力を抜いたまま、口からゆっくりと息を長く吐いていく。このとき下腹部をへこます感じで息を吐いていき、苦しくならないところで、下腹部を膨らませる気持ちで、鼻から息を自然に吸っていく。これを繰り返していくのが腹式呼吸である。
 吐く息に気持ちを落ち着ける効果があるので、吐く息に注意を向けて、ゆっくりと息を吐いていく。この時に、体の緊張も息とともに吐き出すようにイメージしながら脱力すると、リラックス効果が高まる。5~10分程度行う。

3)<瞑想法>
 人間の意識は、あれもこれも考えているように思えても、ある一瞬はある一つのことにしか意識を向けることができない。この意識の性質を利用し、ある一つのことに意識を集中させ、日常のストレッサーから開放された意識状態に導く方法である。日常の煩わしい出来事から切り離された精神状態になれるならば、リラックスできることになる。意識を集中させる対象は、いろいろなものが使用されるが、身体感覚に意識を集中させることもできる。呼吸に意識を集中させる「呼吸瞑想法」は、簡便で効果が高い。

○  「呼吸瞑想法」の方法  【 2)、3)はマインドフルネスで紹介した】
 静かな場所で行う。立っていても行うことができるが、座るか寝て実施するほうが深くリラックスできる。目を閉じ、ゆったりとした気持ちで腹式呼吸をする。そして、一呼吸毎に意識を集中していく。「吸う時は吸うことに」「吐くときは吐くことに」意識を集中していく。呼吸のスピードは、ゆったりと楽に呼吸できる速さである。呼吸に意識を向けることができたら、次は「呼吸する時に動く空気の流れを感じること」に意識を集中していく。途中で、いろいろな考えが浮かんでも、考えを捨て置き、呼吸や空気の流れを感じることにのみ、意識を集中していく。気持ちが落ち着くまで繰り返す。


4)<受動的音楽療法>
 音楽には、感情を高めたり、落ち着かせる効果がある。ゆったりとしたテンポで落ち着ける曲であれば、好みの曲でもかまわない。瞑想法の要領で、音楽に意識を集中する。「音楽に聴き入っていきます。体の力を緩め音楽に意識を集中し、その心地よさに浸っていると感じる。

<アファメーション>
 アファメーションとは、自分を励ます言葉である。ストレス状態や大きなダメージを受けている時は、自己コントロール感が失われていることが多い。また、精神的サポートを必要としていても、求める支えが得られないケースがほとんどである。このような状態においても、自分で自分を励ますことができる。
 アファメーションでは、次のような言葉を使用するとよい。「私はとても大切な人間です」「私は自分を愛しています」「私は私のままでいいのです」「私は皆と仲よくして、これから元気に生きていきます」

5) 統合リラクセーション法
 統合リラクセーション法は、すでに効果の確認されているリラクセーション法を有機的に組み合わせ、その相乗効果により、より深いリラックスを簡便に誘導するリラクセーション法である。各種のリラクセーション法は、それぞれに特徴がある。筋弛緩法や呼吸法は身体のリラックス効果が高く、瞑想法や受動的音楽療法は精神的なリラックス効果が高い。一方、ストレス反応にも個人差があり、身体的緊張の高い人には、身体的緊張に効果の高いリラクセーション法を適用する。
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キラーストレス…(2)

2016年11月24日 | 文化・文明
NHKスペシャルで放映された「キラーストレス」、その中で今世界中で注目される最新のストレス対策の一つとして紹介されたのがマインドフルネスである。

日本マインドフルネス学会では、“今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること” と定義する。
なお、“観る”は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である。
観るを五感として捉え、観たものの評価をしないという点では仏教の瞑想の思想を取り入れていることがわかる。
つまるところマインドフルネスとは、「いま・ここ」の体験に意識を集中させて、良い悪いなどの価値判断を捨て、五感や心で感じたまま、「あるがまま」に現実を受け入れることと言うことが出来るだろう。
NHKスペシャルで紹介された簡単な方法
(1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる。脚を組んでも、正座でも、椅子に座っても良いです。「背筋が伸びてその他の体の力は抜けている」楽な姿勢を見つけて下さい。
(2)呼吸をあるがままに感じる
呼吸をコントロールしないで、身体がそうしたいようにさせます。そして呼吸に伴ってお腹や胸がふくらんだり縮んだりする感覚に注意を向け、その感覚の変化を気づきが追いかけていくようにします。  例えば、お腹や胸に感じる感覚が変化する様子を、心の中で、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」などと実況すると感じやすくなります。
(3)わいてくる雑念や感情にとらわれない。
単純な作業なので、「仕事のメールしなくちゃ」「ゴミ捨て忘れちゃった」など雑念が浮かんできます。そうしたら「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、考えを切り上げ、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。
「あいつには負けたくない」など考えてしまっている場合には、感情が動き始めています。「怒り、怒り」などと心の中でつぶやき、「戻ります」と唱えて、呼吸に注意を戻します。
(4)身体全体で呼吸するようにする
次に、注意のフォーカスを広げて、「今の瞬間」の現実を幅広く捉えるようにしていきます。
最初は、身体全体で呼吸をするように、吸った息が手足の先まで流れ込んでいくように、吐く息が身体の隅々から流れ出ていくように感じながら、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続けていきます。
(5)身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく
さらに、自分の周りの空間の隅々に気を配り、そこで気づくことのできる現実の全てを見守るようにしていきます。
自分を取り巻く部屋の空気の動き、温度、広さなどを感じ、さらに外側の空間にも(部屋の外の音などに対しても)気を配っていきます。それと同時に「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況は続けますが、そちらに向ける注意は弱くなり、何か雑念が出てきたことに気づいても、その辺りに漂わせておくようにして(「戻ります」とはせずに)、消えていくのを見届けます。
(6)瞑想を終了する
まぶたの裏に注意を向け、そっと目を開けていきます。

要するにマインドフルネスとは瞑想の事であり、そのやり方は色々あるが自分にあった方法でやればよいという事ではないだろうか。
例えばインドの瞑想法 (1)胡坐をかいて座ります  (2)頭は前に傾け、目を閉じる (3)舌を上あごにつける (4)手のひらを重ねて、親指を合わせる (5)呼吸のことだけを考える
仏陀(お釈迦様)は「意識して息を吸い、意識してはく。こうすれば、大きな効果がもたらされる」
と述べておられるように(1)から(4)は呼吸の為の準備でありポイントは呼吸にあることがわかる。

私が実践している呼吸法(寝転ぶ、座る等楽な姿勢で)
(1) AAA・鼻から息を吸いその息が肺を通って足先から下腹に達するようにイメージする(5を数える程のスピード)。   BBB・2を数える間息を止め下腹に溜まった息を鼻から吐きながらその息が右足・左足・右手・左手・胃、腸をめぐり最後に耳・眼を巡って頭の先から抜けていく。
2を数える間息を止めAAAに戻る。  これを一呼吸で出来るようにゆっくり呼吸するのがコツである。
(2) もっと簡便な方法。
上のAAAと同じ方法で息を吸う。2を数える程息を止め、ゆっくり永ーく右の鼻、左の鼻から息を吐く
(3) 超簡単にできる集中力のいらない瞑想の方法…この方法は「マントラ」を使用する。
マントラ(Mantra)の「マン, Man」は 「mind, マインド」で「トラ, tra」は「tool, 手段」という意味らしい(?)。
始める前に自前の「マントラ」を選ぶ。言葉とか音とかなんでもよい。私は真言宗のお経「南無大師遍照金剛」を使っているが、一呼吸で代替10回のマントラを唱えることになる。
覚えやすい言葉、自分が覚えれるなら長くてもOK。花の名前等などなんでもいい。
これを繰り返しているとふと雑念もなくなる『無』の状態になる時がある。 瞑想で大事なことは浮かんできた雑念をすべてスルーすること。 目標も期待も持たないこと。
何れの方法で行っても殆ど雑念が涌かず、涌いてもあまり意識せずとも消えて行く。睡眠にも大きな効果があるようだ。一回15分程度、出来れば数回が望ましと言われている。 電車の中、会議の前、時間があれば短時間でも瞑想する習慣をつけることが大事である。

瞑想にはいろいろな効果が期待できる。即効力として、「衝動を抑える能力を高める」ことがあると言われている。 衝動を抑えれば 人間関係を良くし、信頼性を高め、パフォーマンスを向上させ、 思慮深い意思決定が行えるようになる。
その他 ・心を落ち着かせ ・不安が和らげ ・集中力を高める ・ストレスが軽減される ・記憶力を高め ・観察力を高める ・創造性を高める ・欲求のあり方を変える・思いやりの気持ちが育まれる ・気付き力を高める ・思慮深くなる ・共感力を高める ・幸福感を高める・リラックス感を高める ・免疫力を高める ・身体が冷えにくくなる ・脳の海馬や灰白質の密度を増やす
・脳の全般的能力を高める ・加齢による認知機能の低下を抑える効果がある
・15分の瞑想は2時間分のレム睡眠と同じ効果がある等々様々な効果が述べられている。

科学的にも、瞑想をすることによって脳の海馬および灰白質の密度を増やすことが分かっており
それにより、感情は前向きになり、 情緒も長期的に安定し、日常的な集中力も高まる効果がある。
瞑想中の脳をMRIスキャンしたところ, 日常行っている「情報処理」が完全に停止している状態で、確かに「非常に休まる感覚」があると実感できる。
ハーバード大学院研究チームの実験によると、 「ヨガ瞑想はストレスや病気の防止効果がある」ということが科学的に証明された。慢性的なストレスを受けている210人に6ヶ月間、 瞑想をやってもらったところ、ストレス遺伝子が減少していることが分かり、また脳ばかりか、身体にも良い生物学的影響を及ぼしていることも分かった。
アメリカ ウィスコンシン大学の科学者、スペイン、フランスの国際研究者チームの研究によると、
「瞑想が遺伝子、分子レベルで起こる体の変化と関連して、ストレス解消になる」と科学的な証拠を発見しました。一般社会生活をしている瞑想をするグループとしないグループに8時間後、科学的に計測したところ瞑想をしていたグループには「抗炎症薬や鎮痛剤の役割をする遺伝子に変化」が見られ、それらの働きによって「ストレス状態から素早い回復」を見せたことが分かった。
瞑想によりストレスへの過敏な反応も抑えられるため、うつ病予防や、パニック障害の改善にもつながると期待されている。

ストレス解消法その他…
に続く
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キラーストレス

2016年11月22日 | 健康
人間は過剰なストレスを受け続けるとそれを上手くコントロールできなくなり、自殺や、脳細胞、血管を破壊して死に至らしめることがある。キラーストレスとは色々なストレスが積み重なってコントロール不能に陥り、人間を危険な状態に陥れるものである。

日本に於ける死因の上位はガン、心臓発作,脳卒中が上位3位、自殺が7位である。
これらの死因とキラーストレスとは脳科学や分子生理学の研究からその因果関係が極めて近いことが明らかになっている。
就労者がストレスが原因で発症する疾患は色々あるが特に循環器系では高血圧、冠動脈疾患、内分泌関連では肥満、糖尿病が挙げられており、これらはキラーストレスが主因であることが多い。
過剰なストレスを一定期間受け続けると、肥満や糖尿病、高血圧が発病し、動脈硬化が進んでしまった結果、脳卒中や心臓発作(冠動脈疾患)が発症し、死に至るという事である。


大阪樟蔭女子大学の夏目誠教授が、ライフイベント(生活上の出来事)毎のストレスを得点で表して居る。
勤労者のストレス得点から上位のものを抜き出すと次の通りである。
配偶者の死ー83点 会社の倒産ー74 親族の死ー73 離婚ー72 夫婦の別居ー67
転職ー64 自己の病気ー62 業務上のミスー61 左遷ー60 単身赴任ー60点。
このライフイベントのストレス得点を用いることで、ストレス度合いについてセルフチェックを行うことが出来るようになっている。一年間に経験したライフイベントの得点を合計して、どれくらいストレスが蓄積しているかを把握することが出来る仕組みである。
通常であれば、合計点が300点代であることが多いが、600点を超える場合、高ストレス状態に相当すると考えられている。

NHKスペシャルで放映された「キラーストレス」、その中で世界中で注目される心の病を防ぐ最新の2つのストレス対策が紹介された。
認知行動療法をストレス対策に応用した「コーピング」。そして、瞑想をベースに生まれたプログラム「マインドフルネス」。

先ずコーピングとは、ストレスをどのように受け止め、どのように 行動するか、という対処方法のことである。
コーピングの考え方の基本にあるのはストレスは「認知=考え方の歪み」によって生ずるというものである。考え方は感情に影響を与える。感情は自然に生ずるものでは無く実際は「考え方」から生まれる。
ネガテイブな考え方はネガテイブな感情を作り、それがストレスになるという考えである。誰しも考え方には偏りがあり、言わばそれが拘りであるが、ストレスを強く感じる人はその拘りが「常に」「どのような状況でも」発生させてしまう。
苦しい,辛い、腹が立つと言った感情に囚われたとき、それはどのような考えから来ており、別の見方をすればどのような考え方が出来るのかと言う見直しを行い、改善することがストレス軽減に大いに役立つというものである。
大きなストレスに繋がる「認知の歪み」を改善する方策にはどのよなものがあるか。

コーピングの提唱者であるバーンズは「認知の歪み」を10パターンとしている。
主なものを取り上げると次の通りである。
1)(All or Nothing)思考
すべてについて、「全か無か」「白か黒か」で判断する思考のこと。極端に完璧であることを求める。このように考えると自分にも他人にも満足が出来ず絶えず不満が鬱積しストレスとなる。
しかし、世の中に「完全、完璧」なものは殆どない。そもそも人間も不完全なもので絶えず失敗をする、その失敗から学び、改善していくことで成長していくのである。
改善するには   ・「100点でなければ失敗」ではなく「80点なら成功」 ・「好きではないが、嫌いでもない」・「善行とは別に、犯罪や迷惑をかけるものでないなら悪行があってもよい」、このように考えてみると、ガチガチに縛られていた考え方や行動が少し楽になり
ストレスから解放される。

2)過度の一般化
1回や2回の失敗や悪い出来事を一般化し、常に失敗するのだ、悪い出来事が絶えず発生するのだとと決めつける考え方。
一つの事象を過度に一般化すると、他の可能性が考えられず、憂うつになったり、立ち直れなくなる。この考え方は主に対人関係で起こりやすい問題である。  たとえば、近所の人に挨拶をしたのに反応がなかった時、普通の人なら「聞こえなかったのかな?」と考え、あまり気にすることはない。しかしこの考え方が強すぎると、「きっと嫌われたんだ」「みんな私のことが嫌いなんだ」となってしまう。
実際には聞こえなかったのかもしれないし、タイミングを逃しただけかもしれない。また、その人が返事をしてくれなかったから、他の人も返事をしてくれないとは限らない。
この考え方が強くなると、「いつも」「絶対」「みんな」というような言葉がが多くみられる。
改善するには…これらの言葉使わないようにすることで一般化の軽減につながる。 「いつも」ではなく「今回は」、「絶対」ではなく「もしかしたら」、「みんなは」ではなく「あの人は」とする。 ポイントは、先入観を入れずに目の前の事象のみを見ることである。

3)べき思考
何かやろうとする時に「すべき」「せねばならない」と断定的に考える思考。
断定するために、それが実現しないことに怒り、憤り、不満を感じることでストレスになる。
この考え方は他のパターンと違い、「すべき」と一緒に「一般的に」「常識的に」「当然」のように自分も含めた「すべて」という言葉が口癖として発せられる。
「白黒思考」とよく似ているが違いは「べき思考」の場合は黒すら認めず、人にも「すべき」ことを押し付ける。 「べき」思考の根底には「強い不安」があり、「みんなと同じ」であることで「安心」する。また、みんなと同じことを他人にも押し付けるのは、「みんな同じ」という枠からはみ出しているものに対して不安を感じるためと考えられる。   
改善するには…まずは、「べき」「せねばならない」「一般的に」など断定的な言葉を使わないようにし、その上で「してもいいし、しなくてもいい」と言葉の置き換えをすると、思考やストレスを和らげることができる。

4)物事の個人化
何か良くないことが起こった時、自分に責任がない場合でも自分のせいにしてしまう考え方。
この思考パターンを繰り返すと、罪悪感、後悔、自責が強くなり、結果的に大きなストレスとなる。
・「子供の成績が悪いのは、私がしっかりした母親ではないからだ」  ・「課長が部長に叱られているのは、もしかして私が何かミスしたせいかもしれない」 
自分と関連付ける必要がないこと迄関連付けてしまうのは、自分と出来事を分けて考えられていないことが原因である。
子供の成績が悪いのは、子供が勉強しない、努力をしないことが原因である。そして成績が悪くて困るのは、あなたではなく子供である。 また、部長に叱られているのは課長。もしも原因があなたにあるのなら、課長は後であなたに注意する。
改善するには…まずは、目の前で起きている現実を見るように心がける。
そして、事実だけを言葉にしてみることが大切である。事実だけを確認することで、関係ないことまで自分と関連付けないことが「楽」だと認識することが、このクセの改善に役立つ。

認知の歪みの改善のポイントは考え方のクセを変えること。考え方を変えるには、言葉に気をつけることが重要で、ネガティブな言葉、断定的な言葉、否定的な言葉を多用すると考え方がマイナス方向に偏る。
また、事実を推測、誇張する見方が考え方の偏りを助長させる。それがクセになることが、自分で自分を苦しめ結果大きなストレスとなるという事である。


次はキラーストレス…(2)
マインドフルネス等
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日本の民主主義…(9)マスメデデイアと特捜検察

2016年11月16日 | 文化・文明
マスメデイアと特捜検察の問題

最後に小沢裁判事件に触れ日本の民主主義の締め括りとしたい。
この事件こそ既得権益を必死で守り抜くために、自民党の走狗となり果てた卑しい者達(特捜検察やマスメデイア)と日本に国民主権を何とか根付かせようとする者を識別する多くの判断材料を国民の目に晒す結果となった。

小沢氏が主導し一度は政権与党となった民主党マニフェストの骨子とは
①特別会計の廃止、②独立行政法人など外郭団体の統廃合、③天下りによる官僚OBの不労所得の禁止、④米国による内政干渉の排除、⑤クロスオーナシップ(新聞社によるテレビ局経営)の禁止と電波オークション制度の導入、⑥企業団体献金の廃止(「政党評価表」による外資支配の排除)、⑦消費税引上げ禁止、⑧最低賃金法の導入と非正規労働の規制強化、が中心で、これら政策の本質とは米国,日本の支配体制の既得権益の破壊につながるものばかりであった。
彼等は民主党など剛腕小沢を排除しさえすればあとは無能・ひ弱な素人集団、何れ行き詰まるとの読みで猛烈な小沢攻撃が始まった。
政権交代直前の西松建設事件捜査で小沢は民主党代表を辞任し、政権交代を実現した直後には陸山会事件捜査幹事長を辞任、そして民主党代表選のさなかの検察審査会の強制起訴議決刑事被告人となった。
当時一連の捜査指揮を執った吉田特捜副部長は「これは検察対小沢の全面戦争だ」と檄を飛ばし、朝日を筆頭に大手の新聞、テレビも揃って「正義の検察」を礼賛し検察有利のリーク報道を繰返し小沢潰しに狂奔し異様な様相を呈した。
オランダ人政治学者ウオルフレン氏は霞が関・検察・マスメデイアと言う利権複合体が体制にとって脅威である小沢氏の人物像を破壊して政治的に抹殺しようとする「人物破壊」そのものだと指摘している。
案の定、菅・野田政権は既得権益集団の攻撃に恐れをなし権力構造の改革など放り投げたのは勿論官僚の下僕となって消費税増税に突っ走り、「政治・経済・社会の変革」に大きな期待を抱いた国民の夢を木っ端微塵に打ち砕いて自民党に政権を譲り渡す結果となった。
官僚・司法・マスメデイアの利権複合体の狙いは小沢の有罪・無罪は関係がない。体制変革の芽をつぶす、その為には変革の推進役である小沢氏の政治的人物破壊が出来ればよかったのである。
事実西松建設事件、陸山会事件、検察審査会強制起訴そのいずれもが検察とそのお先棒を担いだマスメデイアのねつ造に近い物であった。

小沢裁判事件の発端は西松建設事件である。
小沢氏の公設第一秘書大久保が西松建設からの寄付を報告する収支報告書の虚偽記載の疑い(政治資金規正法違反)で逮捕・起訴された。その内容は実質的には西松建設からの寄付なのにダミーである政治団体(検察の一方的認定)からの寄付と偽って記載したのは虚偽だとして起訴したものである。
しかし政治家の殆どは同様の記載をしており、所管の総務省もこの記載方法を認めて来た経緯もあったので、もし検察の言うように記載していたら逆に虚偽記載とされるような問題である。
この取るに足らぬ事件で小沢氏は党首を辞任、民主党圧勝後の小沢首相の芽が消えることになった。
ところで、この西松建設事件はその後どうなったか。
この裁判は、2009年11月に第1回公判が開かれ、第2回公判では、検察側要請の証人が西松建設の2つの政治団体はダミーではなく実態のある団体であることを証言した。検察側はそれらの政治団体はダミーであることを前提に起訴しているので立証の根拠が崩れたことを意味する。 検察は窮地に追い込まれた。そこで検察がやったことは、陸山会の別の事件「陸山会土地購入事件」を取り上げ、小沢事務所の元秘書大久保隆規、石川知裕、池田光智の3氏を逮捕し他の事件にすり替える為時間稼ぎをやったのである。違法まがいの訴因変更を行って西松建設事件をうやむやにする作戦に出たわけである。
注目すべきは、大久保被告の公判(西松建設事件)を担当していた裁判官が、陸山会事件の公判を担当している登石郁朗裁判長であることである。
無罪必至の裁判をスケジュール通りにやって、もし本当に無罪判決が出ると、世間からあの逮捕は何だったのか、小沢潰しが目的の政治謀略ではないかと一斉に非難を浴びる結果になり、検察として権威が保てなくなる。先送りしてしまえば、いくら無罪必至の裁判でも無罪判決が出るまでは無罪ではなくメデイアが取り上げなければ何れ国民の頭から消え去ることを読んでのことだと思われる。
 
次は陸山会事件である。
陸山会事件とは、2004年10月に代金決済が行われ、2005年1月に移転登記が行われた、小沢一郎氏の政治資金管理団体=陸山会による世田谷不動産に関する政治資金収支報告書への記載について、東京地検特捜部がその違法性を提示した事案である。
検察は、「①2004年分の収支として報告すべきだった。 ②陸山会が不動産取得費として受けた銀行融資の実行に際して、銀行側に指し入れた4億円の定期預金の原資について、これを陸山会の収支報告書に記載すべきだった。」と主張し、これを理由に「虚偽記載」の疑いで石川・大久保・池田の秘書3名を起訴した。
しかし、会計学の権威である大学教授は2005年の収支として報告したことについて、これを「適正である」と法廷で証言した。
また、融資を受けるために銀行に差し入れた4億円の定期預金は、陸山会自身の収支ではなく、単なる小沢氏からの「預り金」であることから、これを収支報告書に記載する必要はないというのが、収支報告書記載の一般的考え方である。
百歩譲って検察の主張を取り入れるとしても、適正処理としては、収支報告書の修正で済ませれば十分な事案であり、このことを刑事事件として検察が立件したこと自体、異常というほかない。
捜査段階の供述調書の多くは脅迫・利益誘導によるもので任意性がないと不採用となるなどこの事件の異常性が至る所に見られる。その中には虚偽の捜査報告書が特捜部長はじめ多くの検察官合意の上で作成されていたことも判明している。
石川秘書が検察の再聴取の際にICレコーダーを持ち込み録音をしていたが、その際に実際にはなかったやり取りが捜査報告書に記載されていた。更に、小沢氏が共謀罪で検察審査会に於いて強制起訴相当議決を受けたがその議決を行った東京第5検察審査会へ提出された捜査報告書では、田代政弘検事が作成した報告書について当時の東京地検特捜部長・佐久間達哉が記載部分にアンダーラインを引いたり、供述内容を書き加えたりされていたことが報道された。

この虚偽の捜査報告書が一般市民で構成される検察審査会に提出され小沢の起訴議決の判断材料に繋がったものであり、弁護側は強制起訴の無効を主張したが、東京地方裁判所は2012年4月26日の小沢への判決で「検察審査会に提出された証拠は裁判の中で証拠能力がないと否定すれば済む話で」強制起訴自体は有効とした。しかし、この判決の中で、「検察官が、公判において証人となる可能性の高い重要な人物に対し、任意性に疑いのある方法で取り調べて供述調書を作成し、その取調状況について事実に反する内容の捜査報告書を作成した上で、これらを検察審査会に送付するなどということは、あってはならないことである」「本件の審理経過等に照らせば、本件においては事実に反する内容の捜査報告書が作成された理由経緯等の詳細や原因の究明等については、検察庁等において、十分調査等の上で対応がなされることが相当であるというべきである」と、検察を厳しく批判した。
田代検事は「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」から虚偽有印公文書作成・行使と偽証の容疑で2012年1月12日に告発された。さらに同会は、2012年6月27日に陸山会事件の捜査に関わった佐久間、木村匡良、大鶴基成、齋藤隆博、吉田正喜、堺徹の各検事を検察審査会に対する偽計業務妨害や虚偽有印公文書作成・行使、犯人隠避などで告発した。最高検察庁は2012年5月までに「記憶が混同した」と繰り返す田代の証言を全面採用、また当時の上司らも「虚偽とは知らなかった」と説明したことを理由に、不起訴とする方針を採用した。
2012年6月27日、田代に嫌疑不十分の不起訴処分とした上で減給処分、他の検察幹部に嫌疑なしの不起訴処分とした上で戒告処分が出た。田代は同日に辞職した。さらに監督責任を問われた当時の東京地方検察庁検事正・岩村修二検事が厳重注意処分を、当時の東京地方検察庁特捜部長の佐久間が、戒告の懲戒処分を受け有耶無耶の内に収束を図ろうとした。

虚偽捜査報告書について当時の法務大臣・小川敏夫が、「検察が田代個人の記憶違いとして幕引きを図っているのはおかしい」として、再調査指示の指揮権発動を当時の内閣総理大臣・野田佳彦に相談したが認められなかった。小川はインタビューで、この件を理由に法務大臣を解任された旨をほのめかしている。
無能な野田は消費税増税に反対した小沢の復権と利権集団の報復を恐れて幕引きを図ったのである。
陸山会事件に絡んで利権集団が行った不合理な動きを追記して終わりとしたい。
* 陸山会事件の4億円の中に西松建設社長による違法献金5千万円が含まれていたという検察の見立てである。全く根拠のない検察のリーク情報に飛びついた新聞のあたかも一大疑獄事件の如く、小沢「悪」のキャンペーンが毎日メデイヤを賑わした。しかし検察の情報源は獄中にいた西松建設の社長によるもので同社会長や社長運転手の証言等時間的に全く辻褄の合わない証言であり、社長本人も誰に渡したか顔を覚えていないという始末。検察の主張が正しければ先ず贈賄側を逮捕することから始めねばならないが、一切手を付けていない。結局は小沢氏の人間破壊の為のイメージ戦略に過ぎなかったことが明白である。
それでも裁判所は「…と考えられる。 …とは到底考えられない。 …はずがない。…としか考えられない。 …と推認される。」等々矛盾だらけ、自白・物証皆無のこの事件を登石裁判長は推認だけで有罪としてしまった。この判事は将来出世し天下り等甘い生活が保障されているのだろうか。
誰かが「5千万円を先生に渡した」と言えば相手の政治家は検察と裁判所の思うままになってしまう。痴漢裁判と何ら変わらない。
* 西松建設事件の虚偽記載に関連し、検事総長と大学の同級生・漆間自民党官房副長官が「自民党に捜査の手は及ばない」との発言が発覚し大問題となった。自民党には記載ミスどころか長期政権与党として汚職の疑いが山ほどあったと言われており検察が自称する「不偏不党、厳正公平な公益代表者」は何処にも見られない。
* 西松建設事件に関し民主党が開設した第3者委員会でロッキード事件で名を馳せた元検察官堀田力は「法律論がどうのこうのではなく、小沢代表は民主党にとってふさわしくない、速やかに辞任するべきだ。」堀田はこういう発言をするときは必ず多くの国民がそう考えていると逃げを打つ。(国民の声とは当に検察リークによるメデイアの報道である。)
* 佐藤栄佐久・福島県知事、国が推進する福島の原子力発電のプルサーマル計画に反対していたが、その佐藤知事にダム工事発注に伴う収賄疑惑が浮上し、5期目の任期半ばで辞職に追い込まれ逮捕・起訴された。利益ゼロの収賄と言う世にも奇妙な罪名で有罪判決を受けたが
当時の特捜担当検事は「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」と述べたと言われる。
この二人の検察官の発言こそ「我こそが正義・法であり、国民の上に君臨し差配する者である」と言う驕りを象徴するものである。
憲法より公権力が優先し、その為には冤罪もやむを得ないと言うのが根底にある。
一介の公僕・公務員に過ぎない人間が多数の国民が選んだ党首や知事に対し堂々とこのような発言を行う。法の番人を自称する官僚が民主主義のイロハも知らないのが日本の現実である。

又厚生省冤罪事件に関し朝日新聞は当時「村木局長は容疑を否認しているが障碍者を守るべき立場の幹部が違法な金儲けに加担した疑いをもたれてしまった事実は重い。」との社説を載せている。つまり朝日は社の意見として冤罪であっても検察に疑いをもたれたら反省しろという見解を堂々と発表した。検察応援団の面目躍如である。

抜本的な司法改革とメデイア改革、記者クラブの解体が叫ばれる所以である。





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