追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

アメリカ白人社会の素顔……(7)

2017年02月26日 | 文化・文明
アメリカ白人社会の素顔……(7)

米欧白人達の難民受け入れ拒否
「トランプ」、「ブレグジット」「オランダ・仏等のUltraーRight」の出現によって米欧白人達の潜在意識に宿る選民意識、身勝手さが明確に浮かび上がっってきた。

そもそもシリア、アフガン、パレスチナ等からの難民問題を中心とする現在の中東の混乱の原因は何処にあるのか。
先ず最も大きな原因の一つは英・仏・独・露といった欧州帝国主義諸国が資源や領土獲得に狂奔し、しのぎを削った結果、第一次世界大戦を引き起こした。
戦勝国英・仏が深い思慮もなく自分達の都合の良いように中東を分割、植民地化したことで、民族的・宗教的に異質な集団が一つの国家として存在することになった。
これがトラブルの発端である。民族が分断され違った国家で違った民族と国家を形成するようなことが発生し、民族がバラバラになった為、他民族主流の国家で虐げられた生活を送るようになった。   イギリスのイスラエル建国密約もイスラエル・パレスチナ紛争という大きな火種を残した。

第二の原因は米国主導のイラク戦争である。
イラクのクエート侵攻に端を発する湾岸戦争後にイラクが受諾させられた停戦決議…(イラクの大量破壊兵器不保持)に違反しているとして、査察機関が違反事実を否定し、イラクへの戦争開始に反対しているのを押し切って一方的に英・オーストラリアを巻き込んでイラクに戦争を仕掛けることとなった。
結果はイラクや査察機関の主張通り大量破壊兵器は存在せず、サダム・フセイン政権が崩壊した。米大統領ブッシュはフセインの息の掛かったスンニ派が権力を握る体制を完全に崩壊させイラクを変えるという考えから宗派間の微妙な問題を軽視して、イラク政権をシーア派に簡単に手渡してしまった。
フセイン独裁下で肩身の狭い思いをしていたシーア派はスンニ派を虐げるようになり200万に以上のイラク人(スンニ派と一部キリスト教徒)が国外に逃れた。
イラクに残るスンニ派は、反政府勢力として反撃を開始し、より過激、且つよりイスラム原理主義的になっていった。シリアやシリアのスンニ派が急進化したのは、イラクの内戦の影響である。
シリア難民の元凶であるISはサダム・フセイン政権時代の元将校や元政治家が現指導体制の中核を担っており、イラン・イラク・シリアの弱体化を目論むサウジアラビアの資金援助が支えとなっているとの噂もある。
第三の原因はイスラム教徒が抱えていたムハンマドの後継者争い…「スンニー派とシーア派の確執」が第一、第二の原因によって西欧諸国に対す不信感も手伝って一挙に噴き出したことである。
今では中東の紛争は完全な宗教戦争の様相を呈している。

この様に見て来ると難民問題の責任は米欧白人達にある。特に米・英・仏3国の責任は重い、難民の受け入れ拒否など言えた義理ではないのである。






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アメリカ白人社会の素顔……(6)

2017年02月20日 | 文化・文明
トランプの金融・為替政策
トランプが進める法人税改革では「米国からの輸出企業には優遇税制を適用し、輸入する企業の税負担を重くする」という内容が盛り込まれるらしい。事実上の輸出補助金でWTOのルール違反の可能性が強いがアメリカのごり押しで紛糾する可能性が強い。

トランプが進める政策は全く整合性がない。
産業政策はグローバリズムから保護主義へ、金融政策は規制緩和により一層のグローバリズム・マネーゲームの推進である。
トランプ本人が意図していたかどうかは別にして政権の方向は確実にそちらを向いている。 経済政策の司令塔となる国家経済会議(NEC」議長にゴールドマン・サックス(GS)のゲーリー・コーン前社長兼COOを起用、財務長官にはGSの元幹部で選対金庫番を務めたステイ―ブン・ムニューチンを据えた。
彼等は世界経済を大混乱に陥れたアメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機の再発防止を図る為、(高リスク取引の制限、消費者保護、資本の水準等)オバマ政権が取り決めた金融規制を見直す方針を打ち出している。
事実世界経済の攪乱要因である大手のヘッジファンド向け業務のトップはモルガンスタンレー、2位が上記GS、次いでJ.Pモルガン、バンカメ、シテイBグループ等で金融規制の緩和を声高に叫んでいる真に懲りない面々である。

ヘッジファンド等の投機ファンドは世界中の超富裕層やオイルマネー、年金基金から巨額の資金を募り圧倒的な資金量で空売り・デリバティブ取引,Hot Moneyとして金融工学を使って極めて足の速い取引を行い利益を出す。人間が考えるのではなく人口知能を活用し圧倒的資金量を誇る為、損をするのは常に一般企業・素人の個人である。

1997年アジアの通貨危機、2000年以降円相場、日本の株式相場の攪乱要因になっている。(経済実態とは無関係に円を買い円高にして日本株売り叩く、又逆に足早に逆に動き利ザヤを稼ぐのが彼らの常套手段である)
ヘッジファンド等の取り引きは飽く迄マネーゲームで社会的に何らの価値を生まない。それどころか逆に地道な企業努力等とは無関係に企業決算を大きく動かし、株式市場を通じて個人の資産を食いつぶす当に社会のダニ的存在である。

地球上で最も裕福な62人が所有する富が、世界の人口の半分を占める下層階級の人達36億人分の富とほぼ同額と言われている。
大金持ちは想像を絶する贅沢を味わい、片や悲惨な貧困にあえぐ何十億に上る人がいるとして格差是正と貧困の解消が世界的に社会問題化しているが、その原因の多くがマネーゲームによる不労所得を得た富裕者が益々富裕になり格差拡大を助長しているのである。
(NY、ボストン,SF、LOSには企業経営者に混じって引退したプロスポーツ選手、芸能人、シリコンバレーで財を成した若者達がファンドの資金提供者=勝ち組として優雅な生活を送っているのである)
トランプはフォードやGMにメキシコへの工場移転を止めさせ8百人、1千人の雇用を増やしたと言い喝采する白人がいるが、誤差の範囲、大統領の話としてはあまりにも小さい。
実際には新型のロボット導入でGM・フォードの雇用は益々減少する可能性の方が高い。白人の子供達は親元を離れ新しい職種を探すに違いない。

恐らくアメリカ中部のpoor whiteが選んだトランプ、その閣僚達の総資産が1.5兆円、トランプが自分達の救世主でなかったことに気付くのは2年後位であろうか。








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アメリカ白人社会の素顔……(5)

2017年02月19日 | 文化・文明
トランプは何よりも「アメリカ1st」、国益を最優先する為、人や物の自由な移動を原則とするグローバリゼーション、自由貿易を否定しNAFTAさえも見直しを主張している。

しかし良く考えてみると自由貿易も、グローバリゼーションもアメリカやイギリスが作ったグローバルスタンダードである。彼等は自分達が作ったルールで大きな利益を得てきたが、それが自分たちに取って不利になるとルール変更を要求する。(スポーツの世界でも勝てなくなると自分達に有利になるようルール変更を強要するのはよく目にするところである。)

鉄砲・大砲等の武器や蒸気船・蒸気機関車等を利用して南米、アフリカ、中近東、アジア各国に脅迫的に開国・自由貿易をを迫り、それらの国の天然資源・産物更には、人間までをも奴隷(労働資源)として、ただ同然で持ち帰り大した努力もしない白人・自国民に豊かさを保証してきたのである。

米トランプ大統領と最初のトップ会談の相手となったイギリスのメイ首相、トランプ好みの真っ赤なスーツに身を包み「英米再び世界を率いる好機」などと叫ぶのを聞くと長期に亙り両国の暴政に泣かされたインドや中国、アフリカ、南米の国民は悪夢を見るような思いではないだろうか。

確かにグローバリゼーションによってこの30年で中国13億人の所得が56倍、インド12億人の所得が22倍その他の東南アジア、中南米、東欧でも飛躍的に豊かになり中産階級が大幅に増え、地球規模で人類の幸福度が上昇したとのレポートがある。
米英欧州等の白人達は彼等が豊かになり幸福度が増した分,自分達が貧しく、不幸になったというのである。どこかで書いたが庶民の味方アメリカのサンダース(民主党大統領選の候補者)ですら「米国人が時給の低い低賃金国の労働者と競争させられるのは間違いだ」と述べている。隣人が豊かになるのを妬む自己中心の卑しい差別主義丸出しである。
彼らが豊かになったことで購買力が高まり先進国の所得も増えているのである。

只単純労働製造業は人件費の安い新興国に移転し国内の低賃金の仕事(気位の高い人間が嫌う仕事)は移民が担う。
更にはロボット・人工知能等による単純労働が消滅しつつあることが非常に大きい。
仕事の変化への対応能力、知能の格差が貧困を生む大きな要素なっている。何時までも鉄鋼や自動車組み立て等の単純労働しか頭にない白人には厳しい時代が続く。急激なグローバル化の痛みを和らげ白人達の考えをシフトさせることが政府の大きな仕事である
日本でも多くの企業が中国や東南アジアに移転したがその結果彼等の所得が高くなり、日本の農産物を含む高級品の需要が増え観光客も大幅に増えた。日本経済が急速に第3次産業にシフトしつつあり日本人は苦労しながらもそのシフトに上手く対応しようとしている。

トランプの内向き、自国第一主義は貿易戦争を引き起こし世界規模で貿易を縮小させ世界経済の壊滅的な危機を招きかねない。
自由貿易を標榜する共和党の良識人に期待したい。









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アメリカ白人社会の素顔……(4)

2017年02月18日 | 文化・文明
トランプの危険な外交交渉…其の二
トランプは同盟国を罵り中国を挑発しロシアやイスラエルに接近するかとおもえば、明確な説明もなく簡単に前言を翻す。
自己の知識・判断力のレベルに対する認識が欠落しており、具体策のない自己の発言に対して一切責任を負わない。アメリカの心理学者が「加虐性、偏執性などを含む悪性ナルシスト」と評したそうだが幸か不幸か永い人生でこのような人物に遭遇した経験がない。

日本やNATOその他の同盟国に対し米軍駐留経費増額に応じなければ米軍を引き上げると叫んで世界を驚かせたが海外に駐留する十数万人の帰還米軍の失業対策をどうするのか。雇用増大こそ選挙公約最大のセールス・ポイントではないのか。
メキシコ国境に壁をつくりメキシコにその費用を払わせると脅かして白人労働者の喝采を浴びたが、メキシコ大統領の予期せぬ強気の反撃に遭い腰砕けとなってしまった。 メキシコの不法移民は安い労賃に依存するアメリカ側の雇用者のニーズによる処が大きいことが分かっていない。又白人労働者は不法移民に代わって彼等が行ってきた誰もが嫌うダーテイーな仕事が出来るのだろうか。

更にアメリカの対メキシコ貿易赤字は600億ドル、メキシコと下手なNAFTAの交渉をした為でその分雇用がメキシコに流出してしまった。交渉の上手い自分がメキシコとの交渉をやり直し失った雇用を取り戻すと息巻いている。
しかし両国間の産業には複雑なサプライチェーンが出来上がっていてそれを解消するには多大の費用・労力に加え場合によっては両者共倒れの危険性もあり、その皺寄せが消費者に多大の負担となってのしかかる可能性が大きい。
メキシコ輸出の80%はアメリカ向けだがその内40%はアメリカ製の部品である。
メキシコ産(世界最大産地国)アボガドのような単純な輸入とは全く違って居り輸入を減らす為関税を課せばよいというような単純な話ではない。(車の場合はメキシコ・カナダ・アメリカ間で部品や組み立てが分散され複雑な多国間サプライチェーンが出来上がっている。
エネルギーも同様、アメリカはメキシコから多量の原油を輸入し、一方アメリカで精製されたガソリンの最大輸出先はメキシコである。又メキシコ向けシェールガスの輸出が急増しており、2019年迄に両国パイプライン輸送容量を倍増させる計画が進んでいる。
トランプはシェールガス開発の促進を明言しておりこの問題をどう解決するのだろうか。


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アメリカ白人社会の素顔……(3)

2017年02月16日 | 文化・文明
トランプの危険な外交交渉

外交交渉は不動産取引のような単発・単純取引とは異なりはるかに複雑であり、敵対国やイスラム原理主義勢力との交渉は一つ間違へば戦争やテロと言った多くの死者を出す問題に発展する危険性がある。
トランプが進めようとしている外交で最も危険なものはイスラエルのアメリカ大使館を現在のテルアビブからイスラエルが首都とするエルサレムに移転するとの方針である。

そもそも中東問題の殆どは第一次世界大戦を勝利する為に行った英国等の三枚舌外交がその発端になっている。
① 英・仏・露の間で結ばれたオスマン帝国領分割の秘密協定=サイクス・ピコ協定、② オスマントルコ戦でのアラブの反乱と戦争支援・協力を条件にアラブの独立とパレスチナでの居住を認めたフサイル=マクマホン協定、③ 英議会のシオニスト運動支持を受け外務大臣バルフォアがイギリスのユダヤ系貴族院議員である第2代ロスチャイルド男爵に送った曖昧な書簡の内容=バルフォア宣言(パレスチナに国民的郷土樹立を認める。但し先住民の権利等を侵害するものでは無い)。以上がその三つである。
デビッドリーンの名作「アラビアのロレンス」もこの辺の複雑なやり取りを説明しているが、何れにせよ中東における先進国の勝手な線引きがイスラム諸国間の紛争や、イスラエル・パレスチナ問題の発端であることは間違いない。
(米英を中心とする白人社会が世界に行った巨悪については改めて記したい。)
中東の紛争の根源は上記三枚舌外交の結果パレスチナ先住民とイスラエルとの歴史的対立がある。
その解決に向け国際社会の努力により「国を持たないパレスチナが国家を樹立し、イスラエルと平和共存する」と言う2国家共存の目標が定まっている。
処がトランプはパレスチナやアラブ諸国と話し合いもせず「2国家共存と1国家どちらでも双方が話し合えばよい。」と一方的に変更容認の発言をしている。
アメリカの仲介によって成立したオスロ合意を覆し、パレスチナ・中東イスラムに対する裏切り行為そのものである。
米国大使館の移転計画はイスラム教徒の神経を逆なでするものである。
エルサレムはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地であり、米国始め多くの国はエルサレムをイスラエルの首都と認めていない。アメリカが大使館をテルアビブからエルサレムへ移せば世界中のイスラム教徒の反発を招き新たなテロリストを生むことになる。

トランプはテロ対策に力を入れると強調するが、まず進めるべきは5百万人近い貧困にあえぐ
パレスチナ難民の救済とパレスチナ国家の成立に力を貸すことである。
愛娘夫婦が敬虔なユダヤ教徒であるならばイスラエルへの偏向は厳に慎むべきである。


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