追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

阿部友内閣

2017年07月30日 | 政治・経済
第三次阿部友内閣、どう贔屓目に見ても日本憲政史上最低の内閣ではないだろうか。
岸田外相はまだしも日本を背負って立つその他大臣に、凡そ知性や教養・品位・品格と言ったものを感じないのは何とも恐ろしい限りである。
虚言・妄言・隠蔽のオンパレード、よくぞこれだけの人材(?)を集めたものだと感心する。
そもそも大臣を選考する立場にある安倍首相自身が虚言・隠蔽を繰返し、幼稚・狭量ですぐブチ切れる。その結果首相にあるまじき野次を飛ばし、傲岸不遜な態度で相手を見下し、質問にはまともに答えずはぐらかす。そうかと思えばあまり上手くない語り口でペラペラ良く喋るがまるで要領を得ない。
麻生財務大臣同様基本的な漢字の読み書き能力が欠如している。
国会で「私は立法府の長である・・・」と繰返し発言したが、三権分立の意味さえ良く理解していない人物が憲法改正を声高に喋る、危険極まりない。総理大臣は「行政府の長である」ということ位は、中学生でも知っていること、言い間違いで済む話ではない。
安倍・麻生の二人を拾い上げ抜擢し世に出したのは小泉純一郎、小泉は外交ではブッシュの尻馬に乗ってイラク戦争を後押し、IS問題等中東混迷の引き金を曳くのに加担した。一方内政でもこの二人を登用し政界劣化と言う大きな禍根を残す事となったと言うのは言い過ぎだろうか。
安倍は祖父の戦犯岸信介真似しているに過ぎないし、麻生も祖父吉田茂がチャーチルを真似て葉巻を燻らしたようにアルカポネを真似て品のない格好を得意げに披露する。二人とも自分で何かを成し遂げたのではなくすべてそのような家系に生まれただけに過ぎないのである。

思想家の内田樹と若手政治学者・白井聡の二人は、『日本戦後史論』という対談本の中で、
「安倍首相はたぶん人格乖離しているんだと思う。本人を知っている人の話では、とっても良い人だそうだ。(略)でも、それが政治家になるとまるで別人に変わる。ということは、政治家の方の人格がかなりの部分まで演劇的に構築されたバーチャル・キャラクターだということ」、「生身の自分の弱い部分を切り離して作ったバーチャル・キャラクターだから、やることが極端なのである。」
「発言が極端に振れて、空気を吸うように食言できるのは、内的葛藤がないから。」と述べている。
バーチャルキャラクターだから内容がない。その為内容の無いひ弱な生身の部分に対するコンプレックスの裏返しとして強い人間を模倣する。国会で「早く質問しろよ」とか薄笑いを浮かべて「日教組どうすんだ!日教組!」とか大声で野次を飛ばすのを見ているとどこやらトランプに似ている。自分をappreciateしてくれる強いトランプの言動を真似ているのではないかと考えれば合点がいく。(トランプは本気で相手を評価しているわけではない。同じ人物に対しその時々で評価・称賛と罵倒を使い分けているに過ぎないのだが…)


閣僚や政府要人の余りにも低級な失言・不祥事の数々、目を覆いたくなるような失態の数々を目にすると安倍首相には人を見る目、人物を見極める能力は極めて乏しいのではないかと思わざるを得ない。(籠池の様な似非教育家にコロッとだまされるのも如実にそれを示している。)
政権の人事は(好きか嫌いか、自分にとって都合が良いか)と言ったような単純な選考基準で選んでおり、夫々の職務に必要不可欠な能力を備えているか、理念・哲学はどうか、情報蒐集・発信能力や部下(官僚等)の統率能力、危機管理能力等々、そのポストにふさわしい能力-識見を備えた人物かどうかを見極めて選んでいるとはとても思えない。自分なりの尺度・座標軸がないのである
(尤も自民党員が総理を選ぶ際にそのような基準で選んではいないという事は容易に想像できる。)

阿部友内閣…(2)へ
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安倍友学園問題で明らかになった国政の問題点…ⅳ

2017年07月20日 | 政治・経済
森友・加計問題は共に安倍首相が個人的に深く関与し公的財政支援や認可に行政の力が働いたと言う点で問題の本質は同じであるが、異なる点は森友に関与した財務省は文書は破棄した、等一切の情報提供を拒否し通したのに対し、加計に関与した文科省、或いは獣医師会等からかなりの情報が出てきたことである。財務省や法務検察等は権力の中枢におり徹底して組織防衛を図る姿は醜くも見事と言うほかはない。

しかし今回の事件で公文書管理が極めて杜撰であることが判明した。
2001年、行政の最終決定権は国民であることを明確にする為、国の全行政機関が保有する行政文書の開示ルールを定めた情報公開法が施行され,2011年になってようやく公文書管理法が施行された。
しかし国民に対し充分な説明責任を果たしてしまうと責任の所在が明確になり、或いは官僚の強力な武器である裁量権に制限が加えられてしまう為、法律自体不完全なまま放置されている。
公文書管理法には作成すべき公文書に付いて具体的に定めがなく,且つ保存していなくても特に罰則規定がない。又行政文書の管理規則の作成は各行政機関の裁量が認められており、保存期間を一年未満に設定すればかなり重要な文書でさえ極めて短期に廃棄することが出来る為、Check&Conrolが効かない仕組みになっている。

森友問題では土地売買の交渉記録について「売買契約締結で事案は終了しているので破棄した」担当職員に調査を求められると「一々指摘されたことを職員に確認することはしていない」等けんもほろろで国民に真摯に向き合う情報公開の精神とは全くかけ離れた対応であった。
一般事業会社が国税局や金融庁等の検査を受ける場合先ず会社の文書管理規定の提出を求められ、それに従って色々な文書や記録の提示が要求され、それらを根拠にして処理の是非が判断されるのが普通で、その為交渉記録等は重要な文書として長期保管が常識である。
行政機関はまず襟を正すべきであろう。





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安倍友学園問題で明らかになった国政の問題点…ⅲ

2017年07月14日 | 国際政治
森友学園問題はしたたかな似非教育家の猿芝居に愚かな政治家達ががまんまと乗せられ、行政まで動員して、国費の無駄遣いを行った全くくだらぬ私的茶番劇であった。勝者はただ一人、半分逃げ腰・へっぴり腰の国会答弁で白を切りとおした次期国税庁長官である。(ただ世間の失笑を買い、社会的な評判を落としたことだけは確かである。)

加計学園問題は安倍首相や側近等取り巻き連中が絡む私的な関係を利用した利益誘導・利益供与等の問題が指摘されており犯罪性が高いと言わざるを得ない。
韓国朴槿恵大統領が政治権力の私物化で弾劾・罷免された。政治権力の私物化は政治の腐敗そのものであり、民主政治の根幹に関わる問題である。
加計学園の代表は安倍首相が自ら述べているように腹心の友であり、安倍夫人も含めた家族的付き合いのある人物である。又側近の下村博文安倍第二次文科大臣夫人も安倍夫人同様加計学園のPR活動に関与する等公私共親密な間柄である。自ら出来ないことを夫人を使ってやっていると非難されても仕方がない。
下村氏は加計から多額のパーテイ券購入名目での不正献金疑惑が取り沙汰されている。
又国家戦略特区推進の要で、官邸の中心人物である萩生田光一官房副長官が、加計学園系列の千葉科学大学での客員教授を務めており、加計トップとも極めて親しい。更に同大学学長の木曽氏が内閣官房参与として本件にも拘わっていることも明らかになっている。これだけの状況証拠が揃っていて加計学園に決まったことに一点の曇りもないなどと云う事は常識的にあり得ない。

これだけ親密な関係にある当事者であれば認可する方も申請する方も疑いを持たれぬように慎重な対応で臨み、場合によっては辞退するぐらいの矜持があってしかるべきだろう。
文科省の担当者から出た文書も彼等が想像して書いたことと突っぱねているが、通常このようなメモを残す場合、悪意でない限り相手が言ってもいないことを言った如く書く事などありえないのではないだろうか。


岩盤規制に風穴を開ける為、獣医学部の国家戦略特区の要件として作られた所謂「石破4原則」。加計学園への認可の際にこの条件がクリアーされたのか堂かが検証されるべきポイントであるが内閣府から明確な説明がなされていないし時系列的に見ても加計ありきで進められてきたことが窺い知れる。
官邸は警察権力迄私的に使って、前川前文科事務次官の行動まで調査し、スキャンダルを仕立て上げて口封じに躍起、見苦しいととしか言いようがない。相手を倒すには何でもあり、民主党政権時代小沢代表を抹殺しようとしたのと同じ手法である。

安倍友学園問題で明らかになった国政の問題点…ⅳへ

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安倍友学園問題で明らかになった国政の問題点…ⅱ

2017年07月12日 | 政治・経済
森友学園の問題では小学校の設置認可に関し大阪府私学審議会が思想教育や財務面等から種々疑問が出され、用地も取得前であるにも拘らず異常な状態で認可を出した。
大阪府が認可の見通しを出してさえくれれば近畿財務局の審議会で森友側に国有地が渡る「確約が有った」と私学審議会長が話している。
要は籠池と言う策士が教育勅語や中韓ヘイトスピーチを駆使し右寄り大好きの安倍夫妻、稲田防衛大臣をまんまと取り込んで財務省迄動かし、ただ同然で学校用地を見事取得したと言うバカみたいな構図である。松井大阪府知事も「国から(認可の見込み)と発表してくれ」と言われたと国側の要請があったことを認めている。この問題に関し府議会に百条委員会の設置が提案されたが維新の会・公明党の反対で立ち消え、真相解明はなされぬ儘になっている。
本件は贈収賄事件ではなく、歯が浮くような安倍首相に対する賛辞や、敗戦終戦と言い募り明治憲法や教育勅語、戦前回帰を礼賛するようなultra-right のジェスチャー(=見事な演技)に惚れ込んだ首相夫妻や防衛大臣、維新の会と言った日本会議の面々を上手く手玉に取って、「国有財産=我々の税金」をただ同然でせしめ取ったと言う様な薄汚いストーリーだと見る事が出来る。
この様な私的な問題で財務省等の普段面談すらも困難なトップクラスの官僚が、ストーリー推進に走り回るその卑し気な姿。日本の行政機構は一体どうなっているのか。
国民の公僕である官僚が事実を隠蔽する為に、情報公開を一切拒否し、その論功行賞で国税庁長官に栄転すると言う茶番劇の演出迄あった。今後国税調査で文書を始末したと強弁されたら税務担当官はどう処理するのだろうか。
総理大臣夫人付の女性秘書官が財務省に口利きしたような形跡があるが、キャリヤーでもない本人がとつぜんイタリーに栄転したと報じられている。私的な問題で官僚の人事までやりたい放題である。

もう一つの問題は補助金の不正取得疑惑だ。小学校の建築事業費に関し3種類の異なる契約書を国や大阪府に提出し補助金を得ていた疑惑で目下地検が捜査中であるが、この様な稚拙極まりないやり方で巨額の補助金が易々と支払われてしまう。補助金の原資が酷(国)税であると言う意識が全く欠如しているのが真の姿。増税など以ての外、一大政治改革が必要である。

日本の民主主義の問題点…(3)で触れた官僚の裁量権が補助金行政を生み、今回の様な不正の温床となるのである。

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安倍友学園問題で明らかになった国政の問題点…ⅰ

2017年07月09日 | 政治・経済
森友学園・加計学園問題は安倍夫婦の私的な関係から生じた問題であるが国政の歪み等色々な問題を浮かび上がらせた。

森友学園は教育勅語や軍歌を教え中韓両国を敵視する言葉を幼児に暗唱させ、国家主義の洗脳教育を行う様な学校である。
教育勅語は小学校1年生の時、今でも諳んじられる程、毎日唱和させられたものだが、これこそ国家権力が国民を戦場に駆り立てる為、国民をだまし洗脳する為の便利な道具であった。
安倍首相は森友学園・理事長について「妻から先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と述べているが、運動会の宣誓で「安倍首相ガンバレ」「安保法制国会通過良かったです」「中国・韓国が歴史で嘘を教えないようにお願いします」と子供の口から言わせる教育の何処が素晴らしいのか。土地問題が国会で追及され始めた途端、掌を反す如く突き放してしまったが、一時は「瑞穂の国記念小学院」の名誉校長を引き受け、「内閣総理大臣夫人」の肩書で学校のホームページに掲載された事実は消えない。「安倍晋三記念小学校」の命名に付いても夫人は首相在任中はまずいので終わった後にしてほしいという首相の言葉を森友学園側に伝えている。
安倍晋三は瑞穂の国が好きらしく文庫本「新しい国へ」(2013年1月)でもそれに触れたくだりがあるが,瑞穂の国らしい資本主義という様な幼稚・意味不明の論を展開しており、馬鹿馬鹿しくて読むのを止めた。
安倍夫人本人の言葉を借りると、「本は読まない、頭で考えるのは苦手、心で感じるタイプ」であるとの事、メールやツイッターの発信内容からも幼稚・軽薄・単純でその知能レベルが推し量れる。
この様な人物が官僚を秘書代わりに使って総理婦人の肩書であちこちで講演会等社会活動を行っているのは極めて危険な事ではないだろうか。森友問題も理事長をその気にさせてしまったのも安倍夫人の軽挙による処が大きい。公人以上に多くの秘書を引き連れトラブルを撒き散らされては迷惑この上ないし、税金の無駄遣いも甚だしい。




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