追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)(3)

2019年11月27日 | スポーツ

スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)(3)

24日(日)早朝TBS ラジオ美輪明宏の薔薇色の日曜日をいつも通りぼんやり聴いていたら、美輪が今年の流行語と言うコーナで「渋子」を取り上げたので急にパッチリ目が冷めた。
そういえば今日はエリエール・オープン最終日、これは一種の啓示、きっと何か起こりそうだと急に心がざわつき始めた。
Bounce Back Girl(私製英語です)の異名を持つ渋子、先週の予選落ちから一転復調し、二日目は多少荒れたが、三日目はノーボギーの6アンダー、とっても良いゴルフをしている。しかも一組前の一打差に申ジエ、同組には鈴木、賞金女王闘いをする舞台装置は整っている。 
実際女王のタイトルに望みをかけた頂上対決はゲーム序盤から張り詰めるような緊張感に包まれ名勝負となったが、結果は2日続けてのノーボギー・6アンダー、4日間トータル19アンダーで渋子が鈴木を振り切って勝利し、賞金女王タイトル獲得の可能性を最終戦に残した。本人の解説によれば、流れを引き寄せたのは後半のスタート、10番だったという。 「全英女子オープンも、10番でバーディーをとって波に乗った感じ、今日もキーホールとなりました。」11番でも連続バーディー、14番まで鈴木と首位を並走してデッドヒートを展開し、15番でピン奥4メートルのバーディーを決めで単独首位にたって優勝を決め、フアンを狂喜させた。これで次週の、ツアーチャンピオンシップ・リコーカップも俄然盛り上がりスポンサーや協会関係者は大喜びだろう。今年度女子プロゴルフ会への彼女の貢献度は計り知れないものがある。
今回の優勝でメルセデス・ランキングが申ジエを抜き首位へ浮上、25日付発表の世界ランクは日本勢トップとなる5位に畑岡奈紗、この優勝争いを制した渋野は15位から12位に浮上した。鈴木は日本勢3番手の17位。まだ出場選手決定までは半年以上残されており、今後も熾烈な闘いが続くことになる。出来れば3人の出場枠が確保出来れば日本の女子ゴルフも大いに盛り上がることになるだろうし、経済効果も極めて大きいと考えられる。その実現を待ちたい。
 最終戦は宮崎C.Cで開催されるリコーカップ 、出場資格が今年度優勝経験者等に限られ、現時点での有資格者は33人。この精鋭たちが賞金総額1億2000万円、高額優勝賞金3000万円をかけて争う。
予選落ちが無く、棄権・失格がなければ賞金が加算されるが、渋子の女王戴冠の絶対条件は単独2位以上。そのうえで、『渋野が優勝の場合…鈴木が3位以下、申ジエが2位以下』、『渋野が単独2位の場合…2人が10位以下』となり、容易ではないが今週の勝利でチャンスが広がったことは間違いがない。渋子自身は優勝後の会見で、「(賞金女王のことは)考えないほうがいいと思う。出場できる人数も少ないし、1週間楽しんでプレーできれば」と述べている。このコースは海岸の林間コース、樹木の上の強い浜風に煽られ林間に打ち込まないことと、グリーンが高麗で極めて難しい。今年始めて経験する渋子にとっては経験不足が大きなハンデイーとなる。しかしイギリス・ウォバーンでもコースに慣れ親しんだ欧州勢を退け勝利しており、ハンデイーを跳ね除ける精神力と対応力は彼女の強み、是非面白いゲームを展開して欲しい。
時々荒っぽい言葉も発するが、天真爛漫・ビューティフル スマイル・高感度抜群・クレバーな渋子、そもそもAIG全英女子オープンで得た賞金7千万円を加算すればダントツの賞金女王だ。1ファンとしては勿論最終戦も頑張って欲しいが心の何処かに「もうそれで十分だ……(アリス・チャンピオンの歌詞の一部)」という気持ちもあり、最終戦は愉しめれば良いと多少複雑だ。
この試合で気になったのは3日目を終え15アンダーでトップをキープしていた森田遥選手、賞金ランキング61位で、50位以内に付与される来年度賞金シード枠に達するには単独3位以上が必要という崖っ淵にいたのである。森田は中国人の両親が卓球コーチとして来日し日本で生まれた中国名 魯婉遥という中国籍の選手だが日本のJGAナショナルチームメンバーにも選ばれた逸材であり、その美しいスイングには定評がある。2,015年アメリカ下部ツアーで優勝、2016年からJLPGAツアーに参戦し2019年までシード権を維持してきた選手である。(2017年明治カップでツアー初優勝)  最終戦も9番H まで2アンダーで良いゴルフをし16番H終了時点ではカップに手が届く所で頑張っていたが、17番テイーグランドで信じられないような不運に見舞われた。今迄静かだった天候が突如、嵐のような雨風が吹き荒れ始め、帽子は飛ぶ、傘もさせないような悲惨な状況になった。案の定、森田はバーデイを計算していた17番に加え、18番もボギーとしトータル「71」通算16アンダーで4位タイに終わり賞金ランクは52位、シード権には2ストローク足りず涙を飲むこととなった。森田は泣き言は一切言わず、気丈に「神様がそういう風にしているような感じですよね」という言葉だけを残してコースを去った。 只55位迄の5人は来年前半の出場権が与えられるので彼女の実力からすれば今年前半不振の反省を踏まえ立派な成績を残し、後半戦につなぐことも可能だと思う。是非華麗なスイングを期待したい。
コメント
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