追憶の彼方。

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アメリカ白人社会の素顔

2017年02月11日 | 文化・文明
日々メデイアを賑わすトランプの異常な発言を聞かされていると、この人物はアメリカ人に多数見られるサイコパスではないかとさえ疑いたくなる。
更に一連の過激・支離滅裂な発言を聞いてそれを異常と感じず、尚熱狂的にサポートする白人を中心とするアメリカ人が多数いることが分かってくると、今迄、心の片隅に多少の疑念を抱きながらもアメリカを中心とする欧米諸国を文明先進国と崇めてきた一種独特な思い入れが一挙にはげ落ちてしまったというのが正直な感情である。もはやアメリカは文明の鑑でも、世界の模範国・理想像でもなかったことを自ら明示してしまった様な気がする。

America 1stのような発言はまだ許せる。しかし人権無視や、人種差別に関する発言はよくぞ本音を言ってくれたと多くの白人が歓迎したとしても、一国の指導者の発言すべきことではない。
白人、キリスト教徒であることに強い選民意識を持つ人間が全て本音で発言を始めたら、人間としての道徳性、倫理性を喪失した社会になってしまうだろう。

トランプの衝撃的な発言から浮かび上がってくる人物像を整理すると下記の様になると思うが、この様な人物を国のトップ選んでしまうアメリカの白人達とは一体何なんだろうか。
イランの第2代最高指導者ハメネイ師がトランプはアメリカの本当の顔を明らかにしてくれたと述べているがアメリカや欧米の白人たちが行ってきた野蛮な行動から見て確かに共感出来る処がある。

トランプという人物像
* 典型的なナルシズム…自分が素晴らしく頭脳明晰で力強く偉大な人物であると思われることに至福を感ずる。それを誇示する為の自己顕示欲の強さ、異様なまでに繰り返される自分への言及がそれを物語っている。父親の葬儀で本来誰もが述べる「父が」「父の」より「私が」「私の」の一人称発言の方が多かったと伝わっている。
大統領選挙でヒラリーに総得票数で負けたのは不法移民数百万人が彼女に投票した為だと全く根拠のない主張を平気で繰り返す。
メデイアを敵対視し無視する割には彼らが取り上げる自分に対する評価、それが些細な事であっても一々ツイートで噛みつくのは自信の無さコンプレックスの裏返しである。
衝動的、感情的で全ての問題、都合の悪い事は全て相手に責任があるとして平気で侮辱し口汚く罵倒する。器の小ささ、幼児体質そのものである。

* 平気で嘘をつく……大統領選挙中のトランプの演説の75%、ヒラリーの25%は嘘であったと報じられている。しかしアメリカ人にはそれを厳しく追及するような気配が余り見られない。
アメリカ社会には選挙期間中の嘘は許容されるような風土があるのではないだろうか。
或いは選挙民は候補者の発言を盲目的に信用してしまう体質があるのかもしれない。
トランプは相手を打ち負かす為には嘘も方便、良心の呵責など全く感じない風情である。
自分に都合の悪い事はメデイア等の嘘、捏造報道と決めつける.
大統領就任式観客数に関するalternative fact発言などその典型である。
真実を根拠も示さず嘘だと強弁しそれを盲目的に信じる多数の国民がいる。
トランプのツイート・フォロワーは1千万人を優に超えるが新聞の購読者数は数百万に過ぎないと言われており、このような嘘の正当化が常体化する危険性は計り知れない。


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