狂気のタリフマン
高崎山の老いたボス猿そっくりの狂気の老人が、何をどう間違えたかアメリカという大国の大統領に選ばれたお陰で、世界は大混乱に陥いった。
その直情径行振りは野生の猿と何ら代わるところがない。経済・金融に関する基礎知識・皆無の醜い猿男が「関税、相互関税、なんと美しい言葉だろう」などと嘯きながら、その凶器を振り回し始め、やがて世界中が米国にひれ伏し、米国に途轍もない繁栄をもたら事になるだろうと大見得を切った途端、その凶器が自分たちに跳ね返ってくることに気付き、朝令暮改どころか、朝令朝改、猫の目の如く、やれ中止だ、延期だと方針転換するため、世界中が驚き,あきれ 遂にはその馬鹿さ加減に気付き始めた。スマホ等電子機器関税免除に続き、中止の発表が相次ぐ事が目に見えている。米国産車フォードは部品を24か国から輸入して居り、最早国産車とは言えないのが現実、部品を国産に切り替えるため何年掛かるか、更にアメリカの高賃金・高インフレの中、全てを国産に切り替えても、高くて故障しやすいアメリカ国産車を買わされるのはアメリカ国民である。中国からの輸入品に25%の関税を課したところで、中国に進出している企業がアメリカに戻り雇用を生み出してくれるようなことは絶対に起こらない。なぜなら、アメリカにはそもそも部品がなく人もいないのだ。iPhoneを中国で製造する鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)は、成都で100万人の労働者を雇用している。それだけの頭数をそろえないと、アップルのオーダーに対応できないからだ。すでに完全雇用状態のアメリカでこれだけの熟練の工場労働者を集められるかといえば、無理な話である。
関税による保護貿易政策は一時的に国内産業を守るように見えるが、長期的には国内の技術革新の停滞や国際競争力の低下を招くことはアメリカの「チキン税」の歴史が物語っている。市場の歪みは産業構造の非効率化を固定化して仕舞い、温室育ち、抵抗力を失ってひ弱になったアメリカは衰退の道を駆け落ちる事が目に見えている。
5年前の2月、ブログで「破落戸「ゴロツキ」大統領として紹介した際,「ゴロツキ」 とは「他人の弱みに付け込み、ゆすり,たかり,嫌がらせ等をする無頼漢と定義したが、その悪辣振りは、ゴロツキどころの話ではない。低俗、無知・無能・無教養、粗雑、尊大、傲慢、驕り、大風呂敷、居丈高、横柄、高飛車、身勝手、ナルシスト、傍若無人、嘘つき・法螺男、傲岸不遜、下品、粗野、妖怪、悪鬼、敵か味方の二元論、差別主義、女性蔑視、色情狂、数え上げたら切りがない。
この男の頭の中には不動産取引同様,「勝った、負かした」しか存在しない。しかも自分も被害を受けたが、周りや相手がそれ以上の被害を受ければ、「自分の勝ちだ」という歪んだ持論で全く始末に負えない。貿易赤字も貿易で負けたから相手国を許せないという単純な感覚なのである。
粗雑な頭の中にある自分達の武器は「関税」しかないと言うお粗末故に、ウクライナ・ロシア戦争は大統領就任式前に解決すると豪語していたが、関税は全くの役立たずで、ロシア寄り一辺倒の停戦では、欧州や世界の顰蹙ヲ買う恐れが出てきたため、前に進めず、解決の糸口すら掴めていない。イスラエル・パレスチナ問題も同様、大風呂敷を広げるが過去に大きな成果を収めた話は皆無である。それにしても、こんな男を熱狂的に支持するアメリカ国民が25%も居るのには驚きだが、それは、自分の支持者が聞きたがって居る事を嘘(フェイク)であっても言い続けるからである。ポスト・トゥルースと呼ばれるこの現象は、SNS等の情報伝達手段が多様化する中で、客観的な事実を訴えても軽視・無視され、感情的な訴えのほうが政治的に大きな影響を与えると言う状況を指しトランプの最も得意とするところである。
トランプの熱狂的な支持者は、教育水準の低いラストベルト地帯のプアホワイトだが、彼らに向けて「メキシコとの国境に壁をつくって不法移民を入れないようにして、君達の仕事が奪われないようにする」「中国からの輸入品に関税をかけて、君達のつくる製品の競争力を高めてやった」などと叫ぶと、たとえそれが嘘であっても(嘘と分かっていても)、そういう話を俺たちは聞きたかったのだと熱狂するのだ。ある統計によれば、トランプ大統領は1日平均6回嘘をついているというが、彼の嘘に酔いしれる熱狂的なトランプ支持者が、アメリカ国民の25%も存在し、投票率が50%程度であるから、選挙に強いわけだ。口を開けばアメリカの労働者は不法移民に職を奪われているというが、IMFの統計によれば、2018年10月の段階でアメリカの失業率は3.78%とほぼ完全雇用状態なのだ。しかも彼等の仕事はアメリカ人が嫌う底辺の肉体労働が中心で、アメリカの好景気は彼等が支えている。トランプのゴルフ場にも不法移民が働いており、彼等を首にすれば、底辺で働いてくれる労働者を見付けるのに、苦労するだろうと言われている。プアーホワイトは頭は悪いが、プライドだけが高いのでそんな仕事にはつかないのである。
狂気のトランプ-2に続く