レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

本編リメイク「木太郎再び推理する」

2009-04-23 18:00:24 | 小説
本編リメイク「木太郎再び推理する」

 他方、木太郎はエイタに鍵を取られたあと、
暗がりの中、鍵の閉まっていない玄関の扉を開け、
管理人室の中へ入ると
先ほど降ろしたブレーカーをまた上げた。
 そして、先ほど掛時計をはずした扉の前にたち、
先ほどの数字をその数字の回数だけ押し、
♯を押した。
 カチッと音がすると上の窪みに右手を入れ、
中の取っ手を引く。
 先ほどと同じように少し重いが壁に紛れていた隠し扉が開く。
 扉が全開すると同時に先ほどと同じように照明がついた。
 今度は木太郎は扉を半分くらいまで閉めた。
すると、照明は消えた。
 「そうか、ここは、扉が半分くらい開くと、
照明がつく仕掛けか。」
 木太郎はそうつぶやくと
 「半分開けば、充分人が入れるな。」と
中に入りかけるがやめる。
 「畜生、誰か連れてくればよかったな。
一人で実験も地下へ行くのは危ない。
それにしてもいつきの前に地下に行った奴がいるし、
ここから最近地下に行った奴もいる。
だが、永久はあそこからここへは入れなかった。
他方、永久とアスカちゃんが一緒なら
アスカちゃんはここまでは来たのか、
それとも永久だけあそこに別途閉じこめられたのか、うーん」
 木太郎はそう呟いた後、次のような推理をした。
 まず、永久とアスカちゃんはあそこまで一緒に行って、
前の扉と同じように、暗証番号の解読に成功した。
アスカちゃんがこの先の空間に入ったところ、
何らかの原因で、永久がこの先に入る前に
この先の空間の左の扉が閉じられてしまった。
 この先にはアスカちゃんがいたので、
センサーが働いて、
結局、永久は、先ほどの自分と同じように、
開かずの扉と同じく空かずの扉の間の
あの場所で閉じこめられることになり窒息死した。
 懐中電灯が壊れていなかったのは、
何度か試して自分と同じ結論に達したので、
永久自らスイッチを切ったのだろうか。
もしかしたら、その後眠ってしまったのかもしれない。
 そして、いつまで待っても永久が来ないことに
不安を覚えたアスカちゃんはこの先に進んでしまったのか。
 しかし、それだと、
永久の死は単なる偶然の事故死ということになる。
 いつきの前に地下に降り、
この扉を自分の前に開けた人間についての説明がつかない。
 それに、そんな簡単に窒息死するのか。
 懐中電灯が消されていたのも説明はつくがなんかしっくりこない。
 その時、
 「まさか」
 木太郎はある恐ろしい可能性を思いついた。
 もし、永久の死が事故死ではなかったら
懐中電灯を消したのが永久ではなかったとしたら?
 やはり、地下室へ行くしかなさそうだ。
もちろん、棺の中身の確認も。
 木太郎はそう考えると
ヒトミのところへ一旦戻ることにした。
(続く)




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