第??弾「ミケーレの蒼き仮面」第五章120
「あのー...
それが...」
ペーは肺女ハイジの頼みに対し、それだけ言って口籠もった。
「もう、探してたの?
それで見つからなかったの?」
ウトーが自分の考えたことを率直に話すと、
「いえ、それが...」
「ペー! はっきり言えよ」
はっきりしないペーに、
今度はアニーがイライラした感じで言う。
「すいません」
ペーは大きい図体のまま、その場で土下座してから、
「実は、みんな不細工、いえ、似た感じだしたので、
まったく記憶にないんです」
と、
今のアニーに蹴られたりでもしたら、
いくらぺーといえどもひとたまりもなく、
どこかに吹っ飛ばされると考えたのか、
正直に答えてから謝ったのだった。
「柿女が不細工で見るのも気持ち悪かったって言うならいいのよ!
でも、今、あんた、似た感じっていったでしょ!
似てるのはあたしとでしょ!
それは侮辱よ!
あたしはあそこまで不細工じゃないからね!
それにあんただって凄い不細工でしょ!」
ペーは、
今度は、
はたから見れば、似たような不細工な化け物で、
よく観察しないと柿女とほとんど区別のつかない肺女を怒らせてしまったのだった。
「ということは、
干しぶどう女も青みかん女も覚えていないんだな。
肺女はここにいるしなあ。
まいったな...」
ラーメンが呆れたように言うと、
「あのー、
妖精はどんな爆発でも死なないということでしたら、
例の世界にこれから移動し、
探してみてはどうでしょう。
爆発でふっ飛んだだけで、
あの世界のどこかにはいるんじゃないでしょうか?」
と、
小判女がまた自分の考えを述べた。
「小判女は頭いいねえ。
どっかの誰かとは違うねえ。
今は僕らも強いし行ってみようよ」
「ウトー、
一言余計だよ!
それから、
ジンがあの調子じゃ、
あの世界に戻ってきやしないよ。
だから、
みんなであそこに戻ってみよう!
柿女たちが不死身なら探せばいるさ」
ウトーとアニーが順にそう言ったので、
一行は焼け野原になった例の世界にまた移動することになったのだった。
(続く)
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