レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新「獅子唐女」「辛いのは当たり?」約4100字

2011-01-31 13:16:25 | 小説
新「獅子唐女」「辛いのは当たり?」

*大幅改造ですので、
最初から行きます。
最初の方の大筋はほぼ同じで、
長文ですので、
お読みになられた方はスルーで。


「彼女、
元アイドルの綾瀬エリカじゃないか?」
「まさか?
どっかの御曹司と結婚して、
電撃引退したから違うだろ。
そのそっくりさんだな。
それに、
もう少し小柄で、
細かったって」
「こっちにきたー!」
「本当だ。
でも、ちら見な!」


「あのー、私のことわかります?」
「それは...」
「はい! もちろんです。
綾瀬エリカさんですよね」
「残念でした!
私、エリカの妹なんですよ」
「そう言えばそうですよねえ。
あのエリカちゃんがこんなとこに... いえ」
「今の失言、許しますから、
これ見ていただけます?」
男二人組に近づいて話しかけた、
元大人気アイドルにそっくりな女は、小さな獅子唐を見せた。
「はあ...」
「辛そうな獅子唐ですねえ?」
「えー.....」
「おまえは貧乏だから、
ハズレばかり食べてるからだよ!
獅子唐は辛くないのこそ、
ちゃんとした獅子唐なんだって。
そうですよね」
「えー、私もそう思います。
すいません。
お時間を取らせて。
早速ですが、
これに似た人、
そこのスポーツクラブの中で見かけませんでしたか?」
「獅子唐に似た男ですか?」
「はい」
「うーん...」
「あっ! 携帯が、
ちょっとだけですので、
あっちで話しをしてもよろしいですか?」
「ええ」
「僕の方も携帯が...」


「いいか。
携帯で話しをしているフリして話すからな」
「ああ、なんだよ」」
「ちょっと、あの女、おかしいぞ?
目つきが何か挙動不審なんだよな」
「そうかあ?
凄い可愛いし、
見たか?
あの細い脚に凄い胸。
間違いないよ。
綾瀬エリカの妹だよ」
「ルックスはそうでも、
あの目に、
それに、
獅子唐に似た男っていうのも、
おかしな話しだぞ」
「獅子唐って、
スポーツクラブの中には、
スーパー銭湯も入ってるから、
多分、
アレのことじゃないか?」
「いくらなんでも、考えすぎだよ。
多分、頭の方がいかれているんだよ」
「そうか? 言葉は普通だぞ。
いいよ。
仮に少しくらい、
いかれてても、彼女なら。
とにかく、風呂場から探そうぜ」
「俺はアラガッキー命だから、
綾瀬エリカの妹なんて、
どうでもいいから、
ソウセキに任せるけど、
要注意だからな」
「OK!」
二人の男は携帯電話で話しをしているフリをして、
そんな話しをすると、
例の女のところに戻っていった。
「すいません。
仕事の電話でしたので」
「いえ、
こちらこそ、お忙しいときに」 
「そう言えば、
今、
ふと、
その獅子唐を見たら、
それに似た男を目撃したような気がしてきたんですが」
「えー! もうですか?」
「もう?」
「いえ、
たった今、
探し始めたばかりですから、
びっくりしただけです。
私って、
これまで姉の影に隠れて、
ずっとついてなかったもんですから」
「そんなことはないですよ。
お姉さまより、
自分的には美しいかと」
「本気で?
私のことを。
姉より背が高すぎますし、
身体も豊満過ぎる、
って思ってないですか?
この胸も凄く下品ですし、
この脚も細すぎますし、
このお尻も垂れていませんし、 
姉に勝てるものなんて、
まったくないんです。
姉の実物をご覧いただいたら、
わかりますよ。
テレビ映りが全然違いますから」
「テレビより実物ですよ!
だって、
テレビで会うわけじゃないですからね」
「さすが、
獅子唐男を早速見つけてくれた方ですわ。
お時間がおありでしたら、
その男をここに呼びだしていただけないですか?
私のことは秘密にして。
お礼はしますので」
「お礼なんて...」
といいつつ、
ふたりの男のうちのひとりは
内心期待していたのだった。
「それにですね。
まだ、見つけたかの確約までは」
「もちろん、
それはもうわかっておりますわ。
私の表現が不正確でしたね」
「いえ、そんな。
とにかく、がんばって、
獅子唐男を見つけて、
とっつかまえて来ますから!
では、そうですねえ?
入浴時間とか、
着替えの時間も考えて、
1時間以内にはその獅子唐男を」
「たった1時間で、ですか?」
「男の場合はそんなもんですよ。
化粧も必要ないですからね」
「あら?
私、厚化粧に見えます」
「いえいえ。
例えです。
あー、妹さん。
念のため、
お名前
を教えていただけないですか?」
「あー、すいません。
私、
宮崎はるかと申します」
「綾瀬さんが、
名字じゃないんですか?」
「いえ、
綾瀬は姉の芸名。
姉の本名は、
宮崎貞子です」
「はるかさんと違って、
古くさい名前ですね」
「父があるベテラン女優のファンだったらしいので。
私の場合は、
母がつけてくれたんです」
「センスのあるおかあさまですね」 
「いえ、平凡すぎて」
「そんな、
凄く素敵なお名前ですよ。
なっ!」
「は、はい、そうですね」
二人の男のうち、
ひとりの男はその名前を聞いて、
何かイヤな予感がしたのだった。
「あー、それよりも急いで、
獅子唐男を捜さないといけませんでしたね」
「お願いします。
それで、
あなた様のお名前は」
「はい!
芥川ソウセキと申します」
「あらー! 
お見かけどおりのご立派なお名前」
「で、
隣は西国原直人
って、
今お騒がせの名前なんですよ」
「どちらの方面の直人さんですか?」
「疎い方ですよ。
この額の紋所みればわかるでしょ」
「また、ご冗談を」
「バレましたか?
こいつは、
川(かわ)一(はじめ)
っていう、
羨ましい名前なんですよ」
「うーん。すいません。
よくわかりません」
「そうですよねえ」
「もう、名前のことこの辺で」
「じゃあ、
一時間以内には必ず戻ってきますから」
「じゃあ、
この獅子唐をお持ちくださいな」
「よろしいんですか?」
「芥川ソウセキさんなら、
間違いはありません」
「もう覚えてくれたんですか?」 
「もちろんです。
私、
どちらもファンなんですよ」
「いやー、そう言われると...」  「もちろん、
今、あんな作品が書ける作家はいませんからね」
「そのとおりですね」
「直人は黙ってろよ。
とにかく、見つけだしますから。
この獅子唐たしかにお預かりします」
「はじめさんじゃないんですか?」
「あー、
こいつのあだ名が直人なんです。
経済学部のクセに何もわかってないものですから、
それにブーメランが得意なもんですから」
「はあ?」
「いや、冗談ですよ!」
「本当はタイガーマスクの方の直人なんです」
「ああ、
タイガー直人さんも、
よろしくお願いしますね」
(続く)


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