新本編リメイク「真犯人とエイタの推理に対する疑問」

新本編リメイク「真犯人とエイタの推理に対する疑問」



　「どうした、いつき？」
　「エイタの推理はたしかに筋は通っているようにも思える。
　だけど、今の推理の逆も成り立つんじゃないのか？
　いいか。
　さっきの爆破は俺たちの特定の誰かを狙ったものではない。
　そう、
　犯人は俺たちの誰一人も殺す気はなかったとも考えられないか？
　エイタは、
　犯人が俺たちを生かしておくのは俺たちの誰か一人以上残して、
　
　真犯人は既に死んでいたと証言させる目的だ

と推理したが、
　実は、
　そう思わせて、
　逆に、
　真犯人が俺たちが見たと思った生首の人物だ
と警察に思わせるのがそいつの狙いなんじゃないのか？
　たしかに、
　生首状態だと人相が変わるが、
それでも俺たちは見間違えるかな。
　俺にはそうは思えない。
　多分、
　爆破の理由は真犯人は本当は俺たちがまだ生首を確認できていない人物だが、
ああいう爆破を起こしてあたかも俺たちの誰かを狙ったように見せかけて、
　エイタが推理したような考えに俺たちを誘導するつもりだったんじゃないかな」
　いつきがそこまで話すと、
　「うーん？
　よくわからない話しだな？」
　木太郎はそれだけ言うと鼻をほじる。
　エイタといつきの話しを聞いていたあおむは、
　「爆破は時限爆弾というより、
　遠隔操作だすよな。
　うーん。
　ということは、僕も騙されていたんだすかな」
とぶつぶつ言った後、
　また、
　辺りをきょろきょろ見回すと、
　「あそこに、
　また、
　大きな木があるだすよ」
と言った。
　すると、
　あおむの言葉に対し、
　「そんなことは俺にもわかってるよ。
　問題はエイタの推理といつきの推理、どちらが正しいのかだ。
　いいか。
　いつきの推理が正しければ、
　ミカエルが、
　仮にこの辺りにいたとしても、
　俺たちはもう助かったも同然なんだからな。
　あんな木に行く前に、
　ちゃんと、考えないとな」
　木太郎はあおむのおでこを軽く叩いてから、そう言った。

（続く）