レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

偽カミサン伝説?「悪女よけの像編」213

2012-12-09 09:02:23 | 小説

偽カミサン伝説?「悪女よけの像編」213



 近田は、その老人が例の像のことを何か知っているようではあるが、
その像の効果の恐ろしさを知らないことを不思議に思いつつも、
 なるべく簡潔に例の像のことを話した。
 すると、
 老人は例の像を手にとってゆっくりと確認した後、
 「間違いない。
 これはわしが作って、
 こいつにあげたものだ。
 だから、
 本当なら、
 そんな、
 だいそれた効果があるわけはないのだがのう。
 おい、
 龍之介、おまえ、この像を世話になった女にあげた
と言ってたが、
 その女が昔噂になったトイレ女ではないんだろうな」
と言って、
 大男の方を見た。
 「うん?
 違うぞ。
 俺が像をあげた女は、
 親切で、
 少し綺麗な女で、
 トイレ女だとか言う、
 悪い女じゃなかったぞ。
 それから、
 オヤジさんからその像を受け取ってからも、
何も悪いことは起きなかったぞ」と、
 大男は最初に首を横に振った後、
 また、大きな声で答えたのだった。
 「なら、
 おまえがあげた女が誰かにその像をあげて、
 その像を最後に受け取った男が、
 噂のトイレ女をやっつけて、
 トイレ女を自殺に追い込んだときに、
 トイレ女の恐ろしい魂が、
 この像に乗り移ったのかもしれないのう」
と、
 その老人が言うと、
 近田たちは顔を見合わせた後、首を捻ったのだった。
(続く)



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