レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

「そして3人しかいなくなった?」481

2014-04-17 20:19:41 | 小説

「そして3人しかいなくなった?」481


 だが、
 その図体の大きな少年は質問に答えることもなく
急に泣き出したのだった。
 「タケル!やっぱり、顔が怖いのよ!
 さっきのは無理してたのよ。
 それなのに2度も質問して!」
 マルナがその少年がタケルの顔を怖がっていたが
無理してやさしそうだとは言ったものの2度も質問したので我慢できなくなって泣いたもの
と思い込んで、タケルの方を睨んだ。
 タケルもマルナに言われて、そうかもしれない
と思い込んだのか、言い返しもせず俯くと、
 「違うんです...
 別れた、とうちゃんのことを思い出して悲しくなって...」
とまで言うと、また、泣き出したのだった。
 そこで、
 エミが、
 「エミもねえ。
 パパとママがいなくなっちゃった後は泣いてたけど、
 泣かないで我慢してたらきっとまた会える
って神様が夢の中で話してくれたから、もう泣かないことにしたの。
 おにいちゃんも神様の言うとおりにした方がいいよ」
と、
 作り話のような慰め方をしていたので、
周りのメンバーは声をかけずエミにその図体は大きいが気の弱い少年に任せるように
ただ見守っていたのだった。
 「神様なんているの?
 いたら何でこんな意地悪するのかなあ」
 その少年がそれぞれ片目づつを交互に右手と左手でこすりながら訊くと、
 「大人になるための勉強だってさ」
と、
 エミは笑顔でそれだけ答えた。
 「勉強?」
 「うん」
 その後も二人はなにかやりとりをしていたが、
 二人の背後で、
 信長と虎之助は、
 「エミちゃんが明るいのは神様を信じているからかなあ」
 「信長くんは信じてないの?」
 「虎ちゃんは信じてるの?」
などとこそこそ話していたとき、
 その大きな少年が中にいた巨大ビルが
大きく揺れ始めたのであった。


(続く)



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