第11弾「教授の自殺は実は殺人か」
「この遺書、よく読むと不自然ですよ」
「何」
「字は教授の筆跡に似てますが」
「どこが不自然なんだ」
「ここです。「肝心の基礎データに謝りがあったのに、
そのデータをもとに研究を進めたのはすべて私の責任だ。
私はその責任をとるべく決意した」ですよ」
「死を決意したということだろう?」
「首吊り死体を見て、読めばそうも読めますが、
もし、そうじゃないとしたら、どう解釈します」
「手紙?誰かに宛てた?」
「そう、研究結果のミスを公表するとも読めますよ。
でも、何でわざわざ手紙にするんだ。
手紙を書くくらいなら、電話一本で済むはずだ」
「たしかに」
「警察の調べでも他殺の可能性は否定されたんだろう」
「まあそうですが、私にはあの教授が自殺するとは」
「それはそうだが」
「教授が手紙を誰かに書いているところを
殺されたんじゃないですか」
「そう思いたい気はわかるが、証拠はない」
「私は探します。
犯人は教授に研究結果のミスを公表されては困る人間ですから」
「どうやって?」
「考えがあります」
「まさか?」
(続く)
「この遺書、よく読むと不自然ですよ」
「何」
「字は教授の筆跡に似てますが」
「どこが不自然なんだ」
「ここです。「肝心の基礎データに謝りがあったのに、
そのデータをもとに研究を進めたのはすべて私の責任だ。
私はその責任をとるべく決意した」ですよ」
「死を決意したということだろう?」
「首吊り死体を見て、読めばそうも読めますが、
もし、そうじゃないとしたら、どう解釈します」
「手紙?誰かに宛てた?」
「そう、研究結果のミスを公表するとも読めますよ。
でも、何でわざわざ手紙にするんだ。
手紙を書くくらいなら、電話一本で済むはずだ」
「たしかに」
「警察の調べでも他殺の可能性は否定されたんだろう」
「まあそうですが、私にはあの教授が自殺するとは」
「それはそうだが」
「教授が手紙を誰かに書いているところを
殺されたんじゃないですか」
「そう思いたい気はわかるが、証拠はない」
「私は探します。
犯人は教授に研究結果のミスを公表されては困る人間ですから」
「どうやって?」
「考えがあります」
「まさか?」
(続く)