レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

春のループ作ゾンビ「トイレ女」「恥ずかしがり屋さんの場合」(冗長)

2013-03-08 22:41:19 | 小説

春のループ作ゾンビ「トイレ女」「恥ずかしがり屋さんの場合」


 そう、
 トイレ女がせっかく機嫌がよく、
珍しく助け舟を出してくれたわけですから、
 ありがたく、それに従うべきなのだ。
 そう、
 パンツとズボンをまた降ろして、
 フルチン姿で本当に倒れたフリをすれば、
 マヌケだと恥をかくだけで、
被害は最小で終るわけなのだ。
 ところが、
 せっかくのトイレ女の助け舟に乗らず、
パンツとズボンを降ろしたまま倒れているのは恥ずかしいからと、 
 救急隊が来る前に、
 わざわざ、
  パンツとズボンをそのまま履いたまま倒れたフリをした、
 恥ずかしがり屋さんの男がいたらしい。
 パンツとズボンを履いたとたん、くらくらして、倒れたんだ
と後で本人は弁解すればよいと思ったのか、
 そこまで考えられるほど、
頭がよくなかったのはよくわからないが、
 トイレ女のせっかくの助け舟を無視したのが、
 そもそもの大間違いだったのだ。
 たしかに、
 パンツとズボンを履いていれば、
 アレを流し損ねたくらいで、
 たいした恥ではないかもしれない。 
 だが、
 よく考えてみるのだ。
 相手はあのトイレ女!
 自分の助け舟を無視して、
 恥をさらすこともできない、
 男を許すわけはないのだ。
 要するに、
 恥ずかしがり屋さんはそこまで至っても、
まだトイレ女の怖さを知らなかったのだ。

 で、
 どうなった?
 トイレ女は、
 救急隊が男を介護し脈などをはかっているとき、
 「私の財布がありません」
と突然言いだしたらしい。
 そう!
 普通の救急隊員ならピンと来る。
 怪しい!
 実際、
 脈とかを調べても、
 どこも異常がなく、
 普通ならふんばった際に倒れる確立が高いのに、
アレも全部出し、
 しかも、ズボンもパンツもきちんと履いているのだから。
 すると、あら不思議!
 救急隊員がその男の身体を触っていると、
 その胸ポケットから、
 女モノの財布が出てきたらしい。
 残念!

 その後は...
 警察が呼ばれ、
 二人の警察官が調べると、
 男の鞄から女モノの時計や指輪、
ネックレスなどがたくさん出てきたらしいのだ。
 はーい。
 でも、怖くないなあ?
 単なるチンケな泥棒じゃないか?
 たしかに...
 そこまでは。

 だが、世の中甘くはなかったのだ。
 翌日、
 トイレ拝借ウンチ窃盗男なんて、
 顔写真入りでスポーツ新聞にのっただけではなく、
 その日のネタが少なかったため、
 ワイドショーに、

 マヌケなトイレ拝借ウンチ窃盗男

として全国放送されてしまったらしいのだあ。

 
 後は、
 離婚とクビです。
 まあ、事実とされれば当然でしょ。

 
 もちろん、
 それ以来、
 その男には、
 親戚や親兄弟までいなくなったのだ。
 えっ?
 トイレ女の怒りに触れ、
 親戚や親兄弟まで消されたのか?
 いや、そういう意味ではない。
 正確に言えば、
 親戚たちから、
 彼の存在が消されたわけなのだ。
 

 そして、
 孤独地獄に陥った男は、
 やがて、精神に異常を来たし...
 はーい。
 ご愁傷様!



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