新本編「キモ男3人衆、イケメン屋敷の謎」「オオおバカ青虫」
「あーたは使えないわね。
木太郎と同じような顔をして、
このおバカ。
いえ、
このオオおバカ」
ヒトミがカンカンになってリビングに戻ってきた。
その後ろを青虫が鼻をひくひくさせながらうつむいてついてくる。
「やっぱり、だめだったんですか」
アユメがいきなりきついことを言う。
「あーた、わかって止めなかったの」
ヒトミが今度はアユメに向かって怒り出す。
「まあ、お母様、押さえてください。
アユメさんのお話ですと、もうひとつ仕掛けがあるそうで、それさえ解ければ開くそうですよ。
そうですよね。
アユメさん」
タヨウはそう言うとアユメにウインクをする。
アユメが頷くと、
ヒトミは腕を組んでしばらく考えた後、
「ヒラメをこのまま一晩あそこに閉じこめるのもかわいそうだから、
最後のチャンスをあげるわ。
その代わり、
今度、
駄目だったらこの屋敷を出ていってもらうわよ」
ヒトミは青虫のことを睨みながら、そう言った。
青虫は、
「いまひらめいたことがあるんだすがやってみるだす。
駄目だったら、
オチタと一緒にここをでるだす」
と、
オチタを巻き込んで覚悟を決めた。
「俺もか...」
と、
オチタはとまどうがそこで口ごもる。
ヒトミはオチタを相手にせず、
「さあ、
ひらめいたことをすぐ実行しなさい」と命令した。
青虫は
「ありがとうだす」
と言って、
屋敷内の開かずの扉をまた開け放すと、
「ここでみなさん、
待っていてくれだすよ。
もし、
照明が消えたら僕を呼んでくれだすよ」
と言って、
足早に管理人室に入った。
そして、
管理人室のブレーカーを次々におとしていった。
そして、
玄関という表示のあるブレーカーを降ろしたとき、
「き、消えました」
アユメが大きな声で言う。
「やったぞ」
青虫は鼻をひくひくさせながら腹を掻くが、
「さあ、今度こそ開くのね。
さあ、早く行きましょう。」
と、
ヒトミが言うと、
今度は6人全員が屋敷裏の手前の鉄格子に行き、
開かずの扉の前に青虫を座らせる。
懐中電灯がプレートを照らす。
5を五回押すと、♯を押した。
カチッ。
「今度こそ、これで、開くだすよ」
と、
青虫は言うと、
すると、
ヒトミが
「さっきやってたことと同じじゃない」
と首を傾げる。
「いえ、僕の推理が正しければ、開くはずだす」
と、
青虫が右手を引っ張ると
なんとそれまで開かなかった扉が開き出したのだった。
(続く)
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