新作ディープ(?改)「パスワードとホウセイの自信?」
「本当の正解って?
そんな話し、合宿の途中で消えちゃったしな。
あのとき、
207号室に泊まらされたアスカちゃんのことかな」
と、
木太郎が鼻をほじりながら永久の方を見ると、
横から、
ホウセイが、
「でも、アスカちゃんも名前はカタカタなだぞ。
うーん...」
と言って、
首を傾げると、
「だったら、
10人の中で、
漢字だけの名前の奴の名をアルファベットで入れてみれば、
試しにいいじゃないか」
と、
木太郎がまた鼻をほじりながら新しい意見を言った。
「だな。
えーと、
そうすると...
なんだ!
漢字だけの名前は、
俺、永久浪人、
観月木太郎、
落田中並、
しかいないじゃないか」
永久が指を折って、数を数えながら、そう言った。
「3人なら、すぐだ。
じゃあ、永久からいくか」
ホウセイは、
早速、
入力を始めたが、
永久ではダメだった。
続き、
木太郎もダメで、
残るは、
皮肉にも、
もとこを殺すハメになった、
オチタだけだった。
「もし、オチタだったら、何か怖いよなあ」
と、
ホウセイも木太郎も思ってはいたが口には出さないことを、
永久は言ったのだった。
永久がそう言ったが、
ホウセイはその言葉をわざと無視するかのように、
「あいつ、
落田中並(オチタちゅうへい)
って、ジジ臭い名前だったよな」
と笑いながら言うと、
ochitacyuuhei
と、
解凍ソフトのパスワード入力欄にその文字を素早く入力したが、
やはり、解凍できなかった。
「おかしいなあ。
最初のテストの解答だろ...」
と、
永久が残念そうに呟いたとき、
「そうか!
最初のテストは俺たちが選抜されたときのテストのことかもしれないぞ。
たしか、
問題は...」
と、
ホウセイが言うと、
木太郎が、
素早く、
「忘れたのかよ。
あの変な問題を。
二つのテーマのうち、
一つを900字から999字までの文字数(句読点含む)でまとめなさい。
1,私花久素子の魅力について
2,私花久素子のイヤなところ
だよ。
でも、
900字以上のパスワードはないだろう」
と、
鼻をほじりながら、それは違うというような表情で言うと、
「いや、
俺の解答は一応900文字以上なんだが、
結局、構成がうまくいかなくて同じことの繰り返しにしたんだ。
多分、アレで合っていると思うけどな」
と、
ホウセイはかなり自信ありげに言うと、
「この文字はどっちかな」
と呟いてから、
「まあ、どっちかは合っているだろうから、入力してみるか」
と言って、
マウスをいじってから、
パソコンのキーボードに手をかけたのだった。
(続く)