レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

セリフサービス「交換条件」

2016-03-11 01:45:19 | 小説

セリフサービス「交換条件」


 「タダじゃあ、渡せないなあ」
 直哉がメニューを受けとろうとした瞬間、
 男はメニューをさっと背中に隠して、そう言った。
 「あー、あー...
 だから、帰れば良かったんだぞー。
 このおっさんもあのグループだぞ」
 「何?
 あのグループ?
 まあ、俺には関係ないことだ」
 男はそう言って首を傾げた後、
 また、メニューを直哉に見せて、
 「これが欲しいか?
 1万なら譲ってもいいぞ」
 「これは僕のものですよ」
 直哉はそう言い返したが、
 「嘘つけ!
 メニューだぞ!
 これは!
 横の店の中にあったメニューだろう!
 おまえら、盗んだんだろう?」
と言って、
 男は直哉たちが入った店を指さした。
 直哉は盗んだと言われて、
そこで少しの間だが、口ごもってしまった。
 「おっさん、
 そんなのいらねえから、
 俺たち帰るぞ」
と、
 龍之介は大声で言って直哉の腕を引っ張った。
 すると、
 「待て。
 龍之介。
 5千円くれ」
 「うーん?
 5千円とこのメニューか?」
 直哉の言葉を聞いた直哉の意図をすぐ理解した男が
龍之介の返事も聞かずに言った。
 「おい、
 やめてとけって!
 そんなメニュー!
 封筒を貰ったんだから、
 もういいだろう!」
との龍之介の言葉を聞くと、
 男の顔色が急に変わったのだった。
 「封筒?
 どんな?」
 「見せて欲しければメニューをタダでよこせよ」
 直哉に代わって、
 今度は、
 龍之介が男に交換条件を突きつけたのだった。

(つづく)




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