レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

ループ「椅子クソ兄弟の謎サード(以下3)」前編

2011-01-20 15:45:09 | 小説
ループ「椅子クソ兄弟の謎サード(以下3)」前編

*下品要注意!食事中厳禁!


巷有名な探偵、
あの椅子クソ兄弟二人を、
俺はフリーライターとして追いかけていた。
世界的に有名だが、
どう見てもうさんくさい、不細工な双子の兄弟を。
一人は生意気な口のきき方をし、
もう一人は穏やかで
なまったようなしゃばりかたをして人を油断させる。
生意気なのが弟、
おしゃべりなのが兄。
某通信販売の社長が、
わざと訛って話すのも
人から信頼されやすくするためだ
との噂もあるが、
兄の東北弁でもない異様な言葉は
本当にわざとらしく、
俺の経験からする
とかなり怪しげな人物に違いない。
本人たちは、
二人の区別をわかりやすくするためだ
と弁解しているが、
うさんくさいことに変わりはない。
後日否定されたが、
実際、過去には奴らが元詐欺師だった
という噂も流れたこともあった。
最近は、
海外の日本人からの仕事の依頼もあるそうだ。
客はすべて金持ちばかりで、
報酬が最低でも3000万円だ
という噂だから、驚きだ。


俺は二人の正体を暴こうとあるルートから、
彼らがパリへ、
ある企業の依頼で出張するというので、
奴らを追いかけることにした。
そして、
あるルートを使って、
彼らが乗る便名を調べ
一緒に同乗することになったが、
奴らが予約していたのは、
予想どおり、ファーストクラスの席だった。
俺は料金を聞いておったまげたが、
奴らの正体を聞き出せば一発大儲けだ
と思い、
サラ金から借金して同乗することにした。
フォーストクラスには
俺を含め4人しか乗客がいなかった。
奴らは
何故か後ろから2番目あたりに並んで座っていた。
最初の座席についてからのCAの応対も、
座席の広さもエコノミーと大違いなのには
少しは驚いたが、
あの料金ほどの価値はない
と、
俺は正直そう思った。


俺は空いていたのでCAに頼んで、
弟の後に席を移動した。
ちょうどトイレとCAの座席
(といっても簡単な腰掛けだが)の近くだった。


残念なことに二人は
ほとんど喋らなかった。
機内で、
しばらくすれば正体を現す
と思ったが、
奴らは俺の予想に反し、
ごく普通の紳士だった。
食事が終わると、
すぐ弟がトイレに行き、
弟が戻る直前に兄がまたトイレに行った。
トイレの水を何度も流す音が気になって、
俺は、
たまたまCAがいなかったこともあり、
トイレの前で立って様子をうかがった。
そして、
兄がトイレが出る寸前に隠れ、
すぐ、
俺はトイレに入った。
が、呆然となった。
なんと、
クソが流れていなかったのだ。
しかも、
モリモリのクソだった。
奇妙だったのは、
トイレットペーパーが
まったく見あたらないことだったが、
そんなことより、俺は困った。
気づいたときには、
小さな声だが、
CA二人の話し声がトイレの外で聞こえたからだ。
いつのまにか戻ってきたのだった。 
それも二人も。
あー、このままでは俺のせいにされる、
俺はそう思った。
そして、
奴らが、
俺が奴らの秘密を探っているライターだ
ということに気づいて、
わざと俺をおとしいれたのだとも。
俺は何度も何度も水を流した。
しかし、
重く固そうなクソのヤマは流れない。
俺は焦っていたが、
時間だけが過ぎていった。
水を何度も流すのはかえって怪しまれる
と思い、
俺は、
しばらくCAが立ち去るのを待つことにした。
(続く)


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