新カミサン伝説?ホラの像編改55及び56
「ユキオ、どうしたんだ?」
太郎が少し心配になって訊くと、
「それが、
ただ、
変な顔にしてください
って祈れと言われただけなんだ」
と
ユキオは答えたのだった。
「なるほど!いい考えだ」
ユキオの言葉を聴いて、
フケタは唸った。
「待てよ。
願いごとが条件なしのそれひとつだけなら変な顔にはできないけど、
それだと、
ユキオが変な顔にならないだけで終わってしまうんじゃないか?」
「そうなんだよ。
俺の顔だけが変な顔以外に変わるんじゃないかと思って、
恐かったんだよ。
何故なら、
俺の顔が、
変な顔にならなくても、
俺以外の他人の顔に変わる可能性は残るだろう。
俺はそれはイヤだし困るんだよ」
と、
ユキオは憂鬱そうな顔で言った。
「でも、教授のことだぞ。
何か考えてのことだろう。
俺が思うに、
へそまがりの像だから、
対象者をわざと省略すれば、
祈った本人じゃない人間を、
変な顔以外に変える可能性もあるんじゃないかな」
フケタが今思いついたことを言った。 「ああ、そうか。
祈った人間に単純に反対の効果を与えるのなら、
教授の意見みたいな単純な祈り方をすれば、
簡単に自分の願いを叶えられることになるからな。
俺が、
もし、へそまがりだったら、そうはさせないな」
太郎もフケタの意見を聴いて、
考えを変えた。
しかし、
祈る本人のユキオは、
「たしかに、
そういう可能性もあるけど、
そうじゃない可能性も否定できないだろう。
だから、
俺は教授の言ったとおりに祈るのは嫌なんだよ。
他に、
俺の顔だけは確実に変わらないで済む、
もっと安全な祈り方がないかな」
と言って、
フケタと太郎の変な顔を見た。
「と言われてもなあ。
今すぐ思いつかないよ。
とりあえず祈ってみて、
万一、
失敗したら次に考えればいいじゃないか?
なあ、
頼むよ」
と言って、
どっちにしろ、
これ以上変な顔になる心配のないフケタは
ユキオに向かって、
拝むように手を合わせたのだった。
(続く)
「ユキオ、どうしたんだ?」
太郎が少し心配になって訊くと、
「それが、
ただ、
変な顔にしてください
って祈れと言われただけなんだ」
と
ユキオは答えたのだった。
「なるほど!いい考えだ」
ユキオの言葉を聴いて、
フケタは唸った。
「待てよ。
願いごとが条件なしのそれひとつだけなら変な顔にはできないけど、
それだと、
ユキオが変な顔にならないだけで終わってしまうんじゃないか?」
「そうなんだよ。
俺の顔だけが変な顔以外に変わるんじゃないかと思って、
恐かったんだよ。
何故なら、
俺の顔が、
変な顔にならなくても、
俺以外の他人の顔に変わる可能性は残るだろう。
俺はそれはイヤだし困るんだよ」
と、
ユキオは憂鬱そうな顔で言った。
「でも、教授のことだぞ。
何か考えてのことだろう。
俺が思うに、
へそまがりの像だから、
対象者をわざと省略すれば、
祈った本人じゃない人間を、
変な顔以外に変える可能性もあるんじゃないかな」
フケタが今思いついたことを言った。 「ああ、そうか。
祈った人間に単純に反対の効果を与えるのなら、
教授の意見みたいな単純な祈り方をすれば、
簡単に自分の願いを叶えられることになるからな。
俺が、
もし、へそまがりだったら、そうはさせないな」
太郎もフケタの意見を聴いて、
考えを変えた。
しかし、
祈る本人のユキオは、
「たしかに、
そういう可能性もあるけど、
そうじゃない可能性も否定できないだろう。
だから、
俺は教授の言ったとおりに祈るのは嫌なんだよ。
他に、
俺の顔だけは確実に変わらないで済む、
もっと安全な祈り方がないかな」
と言って、
フケタと太郎の変な顔を見た。
「と言われてもなあ。
今すぐ思いつかないよ。
とりあえず祈ってみて、
万一、
失敗したら次に考えればいいじゃないか?
なあ、
頼むよ」
と言って、
どっちにしろ、
これ以上変な顔になる心配のないフケタは
ユキオに向かって、
拝むように手を合わせたのだった。
(続く)