新「ミケーレの蒼き仮面」第五章１２１
「何よーーー．．．」
例の世界に一行が到着するなり、
いわば故郷というべきその世界一体が焼け野原になっているの
を水晶を通してではなく、
自分の目で直に確認した肺女ハイジは今にも泣きそうな声をだした。
「こりゃー、想像以上だな。
森だけじゃなく、
城の方まで焼け野原だ。
後は海だけか．．．
妖精といえども、
こんな爆発じゃなあ．．．」
今度はラーメンが自分のいた世界でもないのに無念そうに言う。
「でもさ。
あのジンは無事だったんだから柿女たちも海かどこかに吹っ飛んで、
プカプカ浮かんでいるじゃないかな。
なあ、ウトー」
アニーが特にがっかりしている肺女を慰めるような言い方をすると、
「そうだよ。
それに、
この爆発でみんな死んだんならこの時点で人類も滅亡しているはずさ。
諦めないで海を探しに行こうよ」
と、
ウトーはわざと明るく言った。
「だな。
柿女たちは無事さ。
よし！
ここは、
ペーグループと、
カマキリ鳥グループの二手に分かれて、だだっ広い海を探しに行こう。
善は急げだ！」
サギーもアニーたちに合わせるようにそう言うと、
「では、早速といきたいところですが、グループ分けはどうしましょう？」
と、
ペーが言ったのだった。
（続く）
