原作の小説を読んでいないので無責任な言い様になりますが、
山崎直子さんご本人のTwitterの投稿で知った本です。
完全に児童向けのつくりですが、面白そうなので手に取ってみました。
たくさんの質問に対する回答という形式なのですが、その質問が多種多様で恥ずかしながらこの本で初めて知った事柄も数多くありました。
たとえば、その中からひとつ、「宇宙空間の温度」について。地球からの高度によってかなりの差があるんですね。驚きです。
(p18より引用) 空気のある大気圏は、地面から近い順に対流圏、成層圏、中間圏、熱圏、外気圏に分けられます。・・・
中間圏は、高度50~80kmで大気圏のなかでもっとも温度が低く、高度80km付近でマイナス90℃くらいになります。
その上が熱圏で、高度80~800kmです。 熱圏と呼ばれるだけあって、高度が100kmを超えたあたりから急激に温度が上がります。人工衛星や国際宇宙ステーションが飛行している高度400kmあたりで1000℃くらいにまでなるので、想像もつかない世界です。宇宙飛行土は、そんなに暑い場所で働いているの?と、信じられないかもしれませんが、熱を伝える空気が少ないので、暑さは感じないのです。
といった感じで、子どもたちはもちろんちょっと宇宙に関心のある人にとっては興味深い内容満載の本書ですが、その中から、私が最もインパクトを感じた山崎さんの言葉を書き留めておきます。
宇宙ステーションから地球に戻ってきたとき、山崎さんはこう思ったそうです。
(p91より引用) 地球にいたときは宇宙が特別な場所だと思っていたのですが、私たちにとって地球こそが特別な場所であると気づかされたのです。
なるほど、確かにそうかもしれません。
それゆえに、地球は、そこに生きるすべての生命にとって貴重であり、私たちはこの地球を大切に守り続けなくてはならないのですね。
何となく予感がありました。予想どおり?の意味不明な映画でした。
プロットはちょっと面白いかなと思ったのですが、物語の構成自体が崩壊しています。ともかく、今に至るまでの背景を辿るエピソードがないので、それぞれの登場人物が何者なのかが分かりません。
で、にもかかわらずそのままストーリーが進んでいくので、観客は “置いてきぼり” になったように感じてしまいます。
久々のジョディ・フォスターの主演作品とのことのようですが、正直、これではダメでしょう。
ありがちなタイトルですが、素直に釣られて手に取ってみました。
時系列を辿るのではなく、「文明の誕生」「ローマの興亡」「民族の大移動」といったテーマごとに俯瞰的にトピック的史実の連関を論じていきます。
さて、各論の中での気づきを紹介する前に、まずは著者の「歴史の捉え方」の基本スタンスについて開陳しているくだりを書き留めておきましょう。
(p92より引用) 歴史というものは、すべてそれが考察された時代背景や、考察者の経験などのフィルターを通らざるを得ない。そういう意味で、私はすべての歴史は現代史だと考えています。
そうしたフィルターを排除して、何にも引きずられることなく考察するべきだと思われる方もいるかもしれませんが、人が考えるものである以上、歴史は常に「現代」を引きずった形での問い掛けしかできないということを、知った上で学ぶべきだと思います。
続いて、トピック的な解説の中からの覚えをひとつ。
「第4章 なぜ人は大移動するのか」の章から、「大規模な民族移動のインパクト」について解説しているくだりです。
(p182より引用) 問題は、一気に大勢の異民族が入ってきたことでそれまでの価値観が変わっていったことだと思います。
少しずつ入ってきた場合は、ローマの文化や価値観に異民族の方が吸収されるのですが、ゲルマン民族の大移動のようにあまりにも多くの異民族が入ってくると、それまでのローマの価値観や基本的な行動規範が変わっていってしまうということが起きます。そこにこそ民族移動ならではの怖さがあるのだと思います。
今の難民問題で、受け入れる国の人々が恐れているのも、まさにこのことではないでしょうか。
この難民・移民への対応は、現在の新型コロナ禍が収まった今後の日本においても、対峙すべき課題として間違いなく顕在化してきますね。そのとき、私たちは過去の歴史からの知見を活かすことができるか、これは私たちの将来の社会形態を形作るうえで極めてクリティカルな分水嶺になるでしょう。
さて、本書を読み通しての感想です。
著者の本村教授はベテラン歴史学者の方ではありますが、教養学部の教授経験もあってか、説明の記述ぶりはとても分かりやすいものでした。ただその内容の質感はというと、はるか昔私が高校の「世界史」の授業で習ったものとそれほどの差がなかったように感じました。
著者が説く史実の読み解きには、もう少し踏み込んだ背景の紹介や根拠の説明が欲しかったですね。
たとえば、ギリシアの民主政をテーマにした章には、
(p238より引用) プラトンやアリストテレスは、民主政がポピュリズムへと変貌していく姿を目の当たりにしていたので、民主政に対してあまりいい評価をしなかったのです。
という記述がありましたが、こういう結論に至るまでの解説もかなり淡泊かつ表層的なのです。
さすがに、プラトンは「哲人王による独裁制」、アリストテレスは「貴族政(寡頭政)」を推奨していたとの説明はされていましたが、なぜ二人の哲人はそういう政体を求めたのか、その理由について、それぞれの思想の特徴に触れるとか、著作の主張を引用するとか、といったもう少し丁寧な説明があってもよかったと思います。
正直なところ、大学の教養課程の講義レベルをイメージすると、残念ながらもの足りなさを感じる内容と言わざるを得ませんね。