Saraの人生右往左往

『人生は長い旅路である』
Saraの“あっちふらふら、こっちふらふら”な由無しごと

そうだ、山へ行こう!-アカガシラカラスバト編

2006-10-07 22:46:33 | 
午後は、『ボニンブルー シマ』の島さんの案内で
『東平アカガシラカラスバト バードサンクチュアリ』へ。


このアカガシラカラスバトは小笠原固有の鳩で、頭が赤くて体が黒。
地上に巣を作り地上で生活するため、野生化した猫などにやられて、
現在は30固体くらいしかいない、絶滅危惧種。
残念ながら繁殖期にはまだ早く、見ることはできず…
繁殖期は11月~3月くらいで、その時期にこのエリアに戻ってくるのだとか。

小笠原諸島は、今までどことも陸続きになったことがなく、
海だけでなく山の動植物にも固有種が多いらしい。
実際、小笠原にはダイビング目的だけではなく、山歩きを目的にした
高齢者の方がたくさん訪れているよう。

島さんのお話によると、外来種の影響で固有種が減少しているという。
小笠原の自然の中で保たれていた食物連鎖が、外来種によって壊されていると。
固有種は、今までこの島の中だけでの秩序によって連鎖の輪の中にいたので、
外来種から身を守る術を知らないのです。
そのため、小笠原でしか見られない珍しい植物が、
絶滅の危機に瀕しているようです。

文化ならば、異文化と交じり合って新しいものが作られるけど、
動植物は簡単に他との交配ができるものではない。
人間が、人間の都合によって持ち込んだものが島の環境を破壊する。
なんて悲しいことでしょう。

これはマルハチという島固有のシダ。
シダにしては珍しく、3mくらいの高さまで育つとか。



島の木として定められているタコノキ。
これも、外来種のネズミに種を食い荒らされ、
同じく外来種のヤギに若芽を食われ、年々減少しているそう。


テリハハマボウ。
ハイビスカスの原生種の1つで固有種。
ハイビスカスは赤が標準かと思ったら、原生は黄色なのね。


シマホルトノキ。
アカガシラカラスバトの好物だそう。
2週間前の台風でかなり実が落ちてしまったので、今年はアカガシラカラスバトが
繁殖できるか不安だそうです。



これも固有種のコバトベラ。
小笠原に生息するトベラ科のうちの1つ。
実をネットで覆って、守っている。



これも固有種のウラジロコムラサキ。
ヤギに食われないようにネットをかけている。



固有種をすべて見たわけではないのだけれど、
人間が手をかけすぎても生態系を壊してしまうし、
かといって手をかけないと絶滅してしまう。
自然保護って口で言うほど簡単ではないのだ
だけど、守っていかないとこの小笠原の自然はどんどん失われてしまう。

元を糺せば、外来種は人間の都合で持ち込まれたものが大半なのだから。

サンクチュアリから初寝浦方面を望む景色。
ここはサーフィンの穴場なのだそうです。



この日の月は十六夜。
月の光を浴びながら明日の好天を祈りつつ、ぷらぷらお散歩。
月の光がこんなに明るいこと、普段は忘れているなぁと思いながら。



そうだ、山へ行こう!-Weather Station編

2006-10-07 12:38:09 | 
結局、この日も朝『KAIZIN』スタッフから電話があり、
「今日もダイビングは無理です」ということだった。
ニュースでも小笠原近海の波は5mと報じられている。
これでは透明度がまったく期待できないし、
それよりもこの状態で海に行くのは自殺行為。
仕方ないのです、自然は人間の都合によって動いている訳ではない。

気を取り直して小笠原海運でいただいたパンフレットを見ながら、
「そうだ、山へ行ってみよう!」と思い立ち、
早速、山のガイド『ボニンブルー シマ』さんへ電話をしてみた。
午後からならトレッキングガイドを受けてくれるとのお返事。
それにしても、のんびりしている島である。
朝電話しても午後のガイドOKなんて
その日の気分で決められるって、実はとっても贅沢なことなのかも。

午後は予定が決まったので、
午前は『ウェザーステーション』へ行ってみることにした。
標高200m弱、お宿からの道のりは1800mくらいの気象観測所。
冬はザトウクジラの観測所にもなるらしい。

実は小笠原は9月下旬にも台風14号の直撃を受けており、
島全体が潮をかぶったらしい。
そのため、木々の葉っぱが落ちてしまい、ちょっと寂しい感じになっていた



普段はもっと青々とした葉っぱばかりだそう。

45分くらいかけて、
ゆっくり登ってたどり着いたウェザーステーションからの眺め。
うん、絶景



でも、これじゃぁ確かにこれでは潜れる海況じゃなさそうだぁ

ウェザーステーションからの帰り道、
2週間前の台風から復活してきている花たちを見つけ、
ちょっと嬉しくなりました。



2週間で新芽もちらほら。



宿に戻る途中の教会の前で、島の女の子が佇んでいた。
ここはアメリカに支配されていた時代もあるので、
今でもクリスチャンが数多くいるのでしょう。
彼女の胸に去来する思いは一体なんだろう



そして、ほんの少しだけサーフィンができるビーチもある。



サーフィンも面白そうだわ
できないのだけど…
そのうちチャレンジしたいものの1つです。