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ワニと読むミステリ(殺し屋の厄日)

読むと、現場の混乱にまどわされないこと。

(クリストファー・ブルックマイア著)
スカトロジー満載。
決して食事時に読まないこと。
医師が殺されているのが発見されるのですが、その現場がすさまじいことになってます。
部屋中があらされて、殺された医師の鼻の穴にはその医師の指が2本つっこまれ、さらに大きなとぐろを巻いた脱糞が悪臭を放っています。それにも負けない気が遠くなりそうな匂いを発しているのが、発見者の郵便配達人のゲロと大量の尿。
ジャック・パーラベインはこの殺人現場の上に住んでいて、様子を見に出て部屋から閉め出されて(鍵を持ってでなかったので)しまい、犯行現場を覗いてそこから自分の部屋に帰ろうとしたところを刑事に見つけられてしまいます。
強盗が居直って殺人に及んだとの警察の見解も、ジャックの確かな目でみると、殺人はプロによる犯行のようで、だがそれにしては現場は惨憺たるありさまなのは何故なのか。ジャックのジャーナリストとしての好奇心がむくむくと湧きあがります。そこへ現場を確認にきた殺された医師の元妻を見つけ話を聞くと、ますますジャックのジャーナリスト魂は刺激されます。この殺人の裏には何かあると。
この元妻は麻酔医なんですが、キャラクターが良いですね。ガッツがあり、進んでジャックに協力し、元夫殺害のウラを探ろうと病院のシステムにアクセスします。
そして病院経営をめぐる陰謀が徐々に明らかにされていきますよ。
でも一番かわいそうなのは、その殺し屋かも。
当初計画された殺人はまったく違ったかたちになるはずだったのが、ふとした最初の手違いから、どんどん思わぬ方向に展開し、最後は逆上して現場をめちゃくちゃな状態にしてしまいます。プロにあるまじき行為ですが、つい我を忘れるということもあるのでしょうね。
ゲロと糞尿にまみれますが、テンポ良く進む事件解明の展開と、脇を固める登場人物がなかなかユニークで存在感があり、楽しく読めます。
ちょっとハイアセンに通じるものがあるかも。

主人公: ジャック・パーラベイン(ジャーナリスト)
場所:  イギリス、エディンバラ
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中


殺し屋の厄日 (ヴィレッジブックス F フ 3-2)
クリストファー・ブルックマイア
ヴィレッジブックス

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