生野の近代化産業遺産

2018年01月31日 | 但馬の近代化遺産
       日高町松岡 冬の晴天 


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(2級)問題より

【29】生野鉱山に関連する歴史遺産・近代化産業遺産に関する記述で、誤って
いるものはどれでしょうか。

(a) 旧生野警察署は、明治時代に建設された木造平屋建の擬洋風建築物である
(b) 旧海崎医院は、明治時代に建設された洋風と和風を折衷した建築物である
(c) 旧吉川邸は、まちづくり活動の拠点施設「以命亭」となっている
(d) 「カラミ石」は、金属を取り出す製錬過程で発生した鉱石のくずを固めたものである


 生野町口銀谷(くちがなや)地区には、生野銀山で町が栄えた頃を偲ぶとても

たくさんの建築物があります。口銀谷地区そのものが兵庫県景観条例、景観形成

地区に指定されています。地区内には国登録有形文化財(建造物)に指定されて

いる建物が数多くあります。

旧海崎医院、松本家住宅母屋、佐藤家住宅別邸、桑田家住宅、日下旅館、今井家

住宅、旧吉川家住宅、綾部家住宅などです。さらに市指定文化財として旧生野警

察署、旧生野鉱山職員宿舎が指定されています。江戸時代には代官所が置かれ古

い家屋が多くあり、その建物は焼き杉板張り、漆喰塗り、擬洋風建築や赤瓦の屋

根、鉱石のくずを固めた「カラミ石」の擁壁やトロッコ道のアーチが見てとれま

す。鉱山の山師だった吉川家の建物は、生野まちづくり工房井筒屋として活用さ

れています。

ちなみに(c)の「以命亭」は新温泉町浜坂にある浜坂先人記念館です。生野町

にはありません。この質問は旧吉川邸のことを問うてますので、(c)の文章は

誤りです。(a)(b)(d)の文章は生野町のことです。答えは(c)となり

ます。


『しんかわ』

 新川、新川と子供のころ言ってた川があります。池上の地区内を縦断して流れ

る用水路でした。大人になって分かりましたが、この用水路は正確には「蓼川(た

でかわ)」、蓼川用水路だったのです。

新川用水路は、同じ土居井堰から取水しています中筋地区を流れるものを言うよ

うです。でも、子供のころは「しんかわ」でした。大人も子供も「しんかわ」で

した。

小さい子供のころは、まだ土のままの水路でした。川底には川草が濛々と茂り、

長い葉が流れに沿って揺らいでいます。浅いところ深いところの凸凹もありまし

た。流れる水はきれいだったのでしょうか、フナもナマズもとてもたくさんいま

す。夏の暑い日にはみんなと一緒に、泳いだり水遊びをしました。フナ取り、ナ

マズ捕りは男の子たちの一番の楽しみで、網を使ったり手で石や土のほこらを探

して、よくナマズを捕まえ捨ててあるヤカンに入れたものです。

とにかく、「しんかわ」は楽しい楽しい宝物探しをするような遊びの川でした。