三笑会

三笑会は、平成30年6月1日~陶芸活動と陶芸教室、喫茶室、自家野菜販売、古美術・古物商経営を総合的に活動していきます。

「輜重無ければ即ち亡び」(孫子・軍事2)

2019-11-14 18:49:53 | 日記
「輜重無ければ即ち亡び」(孫子・軍事2)
(しちょうなければ すなわちほろび)

(本文)軍、輜重無ければ即ち亡び、糧食無ければ即ち亡び、委積無ければ即ち亡ぶ。
(解釈)軍隊に物資を補給する輜重隊がなければその軍は滅び、食料がなければ軍隊は滅び、物資の蓄えがなければ滅んでしまいます。
(参照)「孫子~勝つために何をすべきか」谷沢永一・渡部昇一著、PHP研究所

 「孫子」は、今から約2500年以上も前の春秋末期に生きた孫武の作といわれている。この「戦うための基本は物資の調達である」との教えは現代にも通用し、端的にいえば、一部で提案されている「自衛隊による拉致被害者救出作戦」にも十分当てはまるものだ。
 そして、この文章の後には「(本文)郷導を用いざれば、地の利を得ること能わず。(解釈)その土地の道案内がいなければ、その地の利を得ることができないのであります。」とあり、これもまた「自衛隊による拉致被害者救出作戦」にも十分当てはまるものだ。
 武器や食料の補給がなければ軍隊として戦えないことを、我々はガダルカナルやインパールで尊い犠牲を払って学んだはずだ。また、その土地の道案内がなければ部隊が迷走することは、八甲田山の雪中行軍で経験している。
 北朝鮮に拉致された同胞を一日も早く救出したいという想いは同じだ。しかし、自衛隊が出動して拉致被害者を救出することによって手にする日本の利益と、自衛隊が出動することによって懸念される国際政治や安全保障に及ぼす日本の不利益というものを、もっと広い視点で冷徹に考察すべきだと思う。精神論や感情論で軍隊は動かせない、我々はそのことを先の大戦においてよく学んだはずではないか。
 現実的には、政府の方針に則り、ストックホルム合意に基づき交渉していく中で局面を打開していくことが妥当であると考えるものだ。



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