三笑会

三笑会は、平成30年6月1日~陶芸活動と陶芸教室、喫茶室、自家野菜販売、古美術・古物商経営を総合的に活動していきます。

「ストックホルム合意から早5年」

2019-05-31 19:58:24 | 日記
「ストックホルム合意から早5年」

 平成26年(2014年)5月29日の日朝ストックホルム合意から早5年が過ぎた。あの日以降、政府は、「政府としては、御指摘のいわゆる「ストックホルム合意」に基づき、拉致問題を始めとする日本人に関する全ての問題の解決に向け全力を尽くしていく考えであり、この方針に変わりはない。」と繰り返し、また、「御指摘のいわゆる「ストックホルム合意」以降、北朝鮮の特別調査委員会による調査について、北朝鮮から調査結果の通報はなされていない。政府としては、北朝鮮に対し、全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査を迅速に行い、その結果を速やかに通報するよう強く求めているところである。」(出典:「拉致問題をはじめとする北朝鮮の人権人道問題に関する質問に対する政府答弁書」平成30年11月2日答弁書第5号、第197回国会(臨時会))として現状を国民に説明している。
 一方、政府が認定した拉致被害者の家族会や救う会全国協議会は、平成30年9月23日に開いた「全拉致被害者の即時一括帰国を!」国民大集会の決議文において、「我々が要求しているのは連絡事務所の設置でも、報告書や偽の証拠でもない。認定、未認定に関わらず全拉致被害者が笑顔で家族のもとに帰ってくることだ。」と主張し、安倍政権の方針と真逆を向いている。
 現行政府内にストックホルム合意による解決という方針と拉致問題最優先という方針が並立し、しかも対立したままでいる。ところが、安倍首相は本年5月7日に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との日朝首脳会談について、前提条件なしに実現を模索する考えを表明した。これまでは北朝鮮による日本人拉致問題の進展などを前提としていたが、手詰まり状況が続くため方針を転換したと見てよいだろう。「前提条件なし」を普通に解釈すれば、我が国は北朝鮮が調査結果を通報してくればそれを受け入れ、ストックホルム合意に基づいて問題解決を図っていくことを拒絶しないということになる。結局、この5年間は何だったのか、すべての日本人の人権人道問題の当事者と家族を老いさせただけではないのか。
 昨年9月23日に開いた「全拉致被害者の即時一括帰国を!」国民大集会の決議文に賛同して拍手した人々に、「全拉致被害者の即時一括帰国」を実現するための具体的手順とタイムスケジュールを問いたい。それを示せないのなら、「全拉致被害者の即時一括帰国」の看板を下ろし、北朝鮮における日本人の人権人道問題解決のための諸活動の中心から退場すべきではないのか。


令和元年5月31日

救う会徳島 代表 陶久敏郎