【第190回国会】
質問第四四号
「北朝鮮当局による拉致問題等」の人権教育・啓発活動に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十八年二月八日
有田 芳生
参議院議長 山崎 正昭 殿
________________________________________
答弁書第四四号
内閣参質一九〇第四四号
平成二十八年二月十六日
内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山崎 正昭 殿
参議院議員有田芳生君提出「北朝鮮当局による拉致問題等」の人権教育・啓発活動に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
「北朝鮮当局による拉致問題等」の人権教育・啓発活動に関する質問主意書
「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成二十三年四月一日。以下「基本計画」とする)に加えられた「北朝鮮当局による拉致問題等」に関し、これまでの実績及び今後の方針について質問いたします。
一 平成二十三年九月二十八日付けで三原じゅん子参議院議員が提出した「「人権教育・啓発に関する基本計画」に新たに加えられた「北朝鮮当局による拉致問題等」に関する質問主意書」(第百七十八回国会質問第二三号)に対する答弁書(内閣参質一七八第二三号)六及び七についてにおいて、政府は、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十七号)第三条においては、国及び地方公共団体が行う人権教育及び人権啓発は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じて行うものとされており、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百三十四条第一項に規定する各種学校として都道府県知事により認可を受けている御指摘の「朝鮮学校」も含めた様々な場を通じて、基本計画に基づき、人権教育・啓発の取組の推進を図ることとしている。」と答弁しています。ついては、平成二十三年度から平成二十六年度までの間、朝鮮学校において、基本計画に基づき「北朝鮮当局による拉致問題等」について人権教育・啓発の取組の推進がどのように図られてきたのか、年度ごとに実績を明らかにして下さい。
一について(答弁)
御指摘の「朝鮮学校」における人権教育・啓発の取組については把握していないが、政府としては、平成二十五年度に、「朝鮮学校」を含む各種学校全部に、拉致問題啓発ポスターが配布及び掲出されるよう、都道府県に対し依頼をしている。
二 文部科学省では、全国の学校現場で行う人権教育において、「北朝鮮当局による拉致問題等」をどのようにして教えるべきと指導及び助言等をしているのですか。また、平成二十三年度から平成二十七年度までの間、全国の教育委員会に対して「北朝鮮当局による拉致問題等」に関する指導及び助言等を目的として発送した文書はありますか。ある場合は、文書名と相手方を時系列にお示し下さい。
二について(答弁)
文部科学省では、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成十四年三月十五日閣議決定。以下「基本計画」という。)において、「学校教育においては、児童生徒の発達段階等に応じて、拉致問題等に対する理解を深めるための取組を推進する」とされていることを踏まえ、全都道府県教育委員会等の人権教育担当者を集めた会議等各種の機会を通じ、各都道府県教育委員会等に対し、基本計画の趣旨を説明すること等により、基本計画に定めた学校教育における取組を推進している。
また、お尋ねの「文書」について網羅的にお答えすることは困難であるが、平成二十五年七月三日に、拉致問題担当大臣と文部科学大臣の連名で、各都道府県教育委員会等に対し、北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品の活用促進について周知する文書を発出するなどの取組を行ってきたところである。
三 法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」において、全国の地方自治体が「北朝鮮当局による拉致問題等」について人権啓発活動を実施した回数と経費の総額を、平成二十三年度から平成二十六年度までの間について年度ごとに明らかにして下さい。
三について(答弁)
御指摘の「人権啓発活動地方委託事業」として実施した個々の人権啓発活動が御指摘の「北朝鮮当局による拉致問題等」に係るものに該当するか否かについては、調査に膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。
四 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)に基づき国が進める国民世論の啓発について、予算の一部を振り分けるなどして法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」に統合することはできないのかどうか、政府の見解をお伺いします。
五 安倍首相が拉致問題を最重要課題、最優先課題と言明していることを受け、平成二十八年度の法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」において「北朝鮮当局による拉致問題等」に係る啓発活動を別枠とし、全国の地方自治体が「北朝鮮当局による拉致問題等」に係る啓発活動を行おうとする場合には、原則全ての事業を「人権啓発活動地方委託事業」の一つとして採用することはできないか、政府の見解をお伺いします。
四及び五について
御指摘の「予算の一部を振り分ける」及び「別枠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、北朝鮮当局による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であるとの認識の下、政府は、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)に基づく「国民世論の啓発」として、国民の間に広く拉致問題についての関心と認識を深めるための取組を積極的に推進している。これに対して、法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」は、人権尊重思想の普及高揚を図り、地域住民に人権問題に対する正しい認識を広めることにより、基本的人権の擁護に資することを目的として各種の人権啓発活動を地方公共団体に対して委託するものであり、両者の趣旨・目的が異なることに鑑みると、両者は「統合」にはなじまず、また、「全国の地方自治体が「北朝鮮当局による拉致問題等」に係る啓発活動を行おうとする場合には、原則全ての事業を「人権啓発活動地方委託事業」の一つとして採用すること」もできないと考える。
質問第四四号
「北朝鮮当局による拉致問題等」の人権教育・啓発活動に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十八年二月八日
有田 芳生
参議院議長 山崎 正昭 殿
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答弁書第四四号
内閣参質一九〇第四四号
平成二十八年二月十六日
内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山崎 正昭 殿
参議院議員有田芳生君提出「北朝鮮当局による拉致問題等」の人権教育・啓発活動に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
「北朝鮮当局による拉致問題等」の人権教育・啓発活動に関する質問主意書
「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成二十三年四月一日。以下「基本計画」とする)に加えられた「北朝鮮当局による拉致問題等」に関し、これまでの実績及び今後の方針について質問いたします。
一 平成二十三年九月二十八日付けで三原じゅん子参議院議員が提出した「「人権教育・啓発に関する基本計画」に新たに加えられた「北朝鮮当局による拉致問題等」に関する質問主意書」(第百七十八回国会質問第二三号)に対する答弁書(内閣参質一七八第二三号)六及び七についてにおいて、政府は、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十七号)第三条においては、国及び地方公共団体が行う人権教育及び人権啓発は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じて行うものとされており、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百三十四条第一項に規定する各種学校として都道府県知事により認可を受けている御指摘の「朝鮮学校」も含めた様々な場を通じて、基本計画に基づき、人権教育・啓発の取組の推進を図ることとしている。」と答弁しています。ついては、平成二十三年度から平成二十六年度までの間、朝鮮学校において、基本計画に基づき「北朝鮮当局による拉致問題等」について人権教育・啓発の取組の推進がどのように図られてきたのか、年度ごとに実績を明らかにして下さい。
一について(答弁)
御指摘の「朝鮮学校」における人権教育・啓発の取組については把握していないが、政府としては、平成二十五年度に、「朝鮮学校」を含む各種学校全部に、拉致問題啓発ポスターが配布及び掲出されるよう、都道府県に対し依頼をしている。
二 文部科学省では、全国の学校現場で行う人権教育において、「北朝鮮当局による拉致問題等」をどのようにして教えるべきと指導及び助言等をしているのですか。また、平成二十三年度から平成二十七年度までの間、全国の教育委員会に対して「北朝鮮当局による拉致問題等」に関する指導及び助言等を目的として発送した文書はありますか。ある場合は、文書名と相手方を時系列にお示し下さい。
二について(答弁)
文部科学省では、「人権教育・啓発に関する基本計画」(平成十四年三月十五日閣議決定。以下「基本計画」という。)において、「学校教育においては、児童生徒の発達段階等に応じて、拉致問題等に対する理解を深めるための取組を推進する」とされていることを踏まえ、全都道府県教育委員会等の人権教育担当者を集めた会議等各種の機会を通じ、各都道府県教育委員会等に対し、基本計画の趣旨を説明すること等により、基本計画に定めた学校教育における取組を推進している。
また、お尋ねの「文書」について網羅的にお答えすることは困難であるが、平成二十五年七月三日に、拉致問題担当大臣と文部科学大臣の連名で、各都道府県教育委員会等に対し、北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品の活用促進について周知する文書を発出するなどの取組を行ってきたところである。
三 法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」において、全国の地方自治体が「北朝鮮当局による拉致問題等」について人権啓発活動を実施した回数と経費の総額を、平成二十三年度から平成二十六年度までの間について年度ごとに明らかにして下さい。
三について(答弁)
御指摘の「人権啓発活動地方委託事業」として実施した個々の人権啓発活動が御指摘の「北朝鮮当局による拉致問題等」に係るものに該当するか否かについては、調査に膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。
四 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)に基づき国が進める国民世論の啓発について、予算の一部を振り分けるなどして法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」に統合することはできないのかどうか、政府の見解をお伺いします。
五 安倍首相が拉致問題を最重要課題、最優先課題と言明していることを受け、平成二十八年度の法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」において「北朝鮮当局による拉致問題等」に係る啓発活動を別枠とし、全国の地方自治体が「北朝鮮当局による拉致問題等」に係る啓発活動を行おうとする場合には、原則全ての事業を「人権啓発活動地方委託事業」の一つとして採用することはできないか、政府の見解をお伺いします。
四及び五について
御指摘の「予算の一部を振り分ける」及び「別枠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、北朝鮮当局による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であるとの認識の下、政府は、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)に基づく「国民世論の啓発」として、国民の間に広く拉致問題についての関心と認識を深めるための取組を積極的に推進している。これに対して、法務省が所管する「人権啓発活動地方委託事業」は、人権尊重思想の普及高揚を図り、地域住民に人権問題に対する正しい認識を広めることにより、基本的人権の擁護に資することを目的として各種の人権啓発活動を地方公共団体に対して委託するものであり、両者の趣旨・目的が異なることに鑑みると、両者は「統合」にはなじまず、また、「全国の地方自治体が「北朝鮮当局による拉致問題等」に係る啓発活動を行おうとする場合には、原則全ての事業を「人権啓発活動地方委託事業」の一つとして採用すること」もできないと考える。