3行日記

猫とか漫画とか車とか色々…

絵の力

2010-11-24 21:15:06 | 漫画のこと絵のこと
父が寝たきり状態で入院している。
看護師さんたちが日々介助してくださって、家族は2時間ほど行ってるだけ。
ほんとうお世話になって、感謝しています。

でも事細かなことに気づくのは家族の役目。
首が後屈すると痰がからみやすくなるので枕は2つ重ねてくれとか
膝の関節を伸ばしたままにしていると、曲げられなくなるので、膝の下に枕入れてくれとか
体温が上がりやすいので、暑い時は布団を脱がしてくれとか
ベッドの頭の部分はフラットにしないでくれとか…。
気がついたことは、看護師さんにお話し、
看護師さんは「はいわかりました~」と言ってくださる。
しかし、24時間3交代制で色んな人が介助するので、
申し送りでそんな細かいことまで全員に徹底させるのは不可能なようだった。
どうやったら家族が常に傍であーしてくれ、こーしてくれ
と言ってる状態を作れるのか。

私は、色々要望が生じる度に絵で図解して、短い説明文を入れて頭床台(床頭台?)に貼り付けた。
同業者には見られたくない様な落書きだが。

今は、行く度に会う人会う人(看護師さんばっかり)に話題にされる。
「これ描いたんですか?すごい~きれい~」
来る人、見る人、みんなが話題にしていくそうだ。
私とお会いしたことのない看護師さんが私の言いたいことを理解してくれ、
そうやってみんなにメッセージが浸透し、介助に活かされている。
父の寝てる姿を30秒で描いた絵が、何度言っても行き渡らなかったことを
伝えてくれたのだ。
日常が絵になるということに、人が感嘆しているようだ。
もしも全部文字で書いていたら誰も読まないだろうし
張り紙みたいで反感も買うかもしれない。

これは漫画の力だ。
ペン1本、墨一色で、簡潔に自分たちの日々の景色が白い紙に浮かび上がる。
そして見知らぬ人のところに書き手のメッセージが届く。
正直、商品価値のあるような絵ではなくて、同業者には見られたくない落書き。
感心されると気まずいが、絵が持つコミュニケーション力というものを
改めて知らされた桜であった

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