室戸岬から高知へ向かう途中、吉良川という町が「重要伝統的建造物保存地区」という
長い名前がついた名所だとか。なのでバスを降りてぶらついてみることにした。
ここは郵便局として使われていたそうです。なかなか立派。
おお、古い。こういう木造は俺の好みのタイプ。左の石垣も凝っている。「いしぐろ」
というそうです。
ここは昔から木材や薪などの森林資源が豊かで、主に京阪神に出荷していたそうです。
良質な備長炭も作られて、その交易で町が繁栄したそうです。それは昭和の初期まで
なので、あとは寂れて過疎地になっていったのですね。
何年くらい経てばこんなに朽ちるのでしょう。片づけて新しい家を建てる人も
いないというわけだ。
海岸からテラス状に土地が高くなってゆきます。ここは少し高くなったところで、
向こうからおばーさんが歩いてきました。20分くらい歩き回って始めた会った人。
こういうのはなんという造りの名前なんでしょうね。音が響きそうなので、中で
音楽でもゆっくり聞きたいなあ。白壁に水平に並べられた瓦は、雨風から建物を
守るためにつけられた「水切り瓦」というそうです。
なんかの店だったのでしょうね。
和の建物で煉瓦もいいねえ。
「まちなみ館」という、トイレがあり、ちょっとした食べ物を出す観光スポットがあり
ました。町おこしの拠点みたいな?とりあえず入って、庭に灰皿があったので一服
させてもらうことに。
するとバイクに乗ってやってきた初老の郵便屋さんが、火のついた煙草を手にして
中のおばちゃんに声をかけ、「ここは禁煙だからそれ持って入っちゃダメ!」と
注意されて、入口から半分だけ中に入っておしゃべりをしていました。平和だねえ。
その郵便屋さん、おしゃべりが済んで出てくると、よそ者の俺に声をかけてきた。
「よく東京からこんな遠くまでやってきたね」と言われる。たしかにはるばるです。
車ではなく、列車とバスを乗り継いで旅をしているのに驚かれる。
こっちのはずれまで電車が来てないからねー。いらねーんだよ。人は少ないし、
作ったって赤字になるだけだから。ハッハッハ!と陽気な人です。
室戸岬はどのホテルに泊まったの?あ、民宿?あそこに星野リゾート出来たんだよ。
あんな高級なところ、私らにゃ全く関係ないねえ。有名人がおしのびで来てね、
あっと思っても黙ってなきゃねえ。ハッハッハ!
楽しい会話が続きましたが、郵便屋さんは軽トラックでやってきた地元の人に話し
かけられ、私は挨拶をして離れたのでした。郵便屋さんはこういうところでは話を
して回る仕事のようですね。(^益^;