日が落ちてから雨が降り始め、屋根や軒をやさしくたたき、裏山は闇の静寂に包まれている。深い森の奥、雨のしずくが岩陰にたまり不規則に波紋が広がり、消えて…、とそんな情景を想像しながら、ああ今日はこのまま泥のように眠れたらいいのに、とちょっと弱気になっていたのは数時間前だ。出勤前の駅前マックで120円のコーヒーをすすりながらピースをくゆらす。こんな何でもない1日の積み重ねなのだ、日々は。さ、今夜はどんな . . . 本文を読む
日曜の朝、仕事帰りに実家に寄り、そのまま泊まった。軽く朝飯を食べてから昼過ぎまで寝たのだけれど、夜には再び眠くなり、まだ9時だけどああ疲れがたまって…と思いながら爆睡。いくらなんでも寝すぎだろうと身体の呼び声に目覚めたのは早朝の4時半。平日なら、バイト先の店でそろそろ片付けにはいり、撤収の準備を始めるくらいの時間だ。目覚めとどうじに起きだしてコーヒーをいれて一服。そうだたまには下の妹の弁当でも作っ . . . 本文を読む
始発待ちの駅前マックで、大手居酒屋チェーンのバイト店長ときおり顔をあわせる。しばらく顔を見ないなと思っていた昨日早朝。店の入り口に近いカウンターに腰をおろしてコーヒーを飲んでいると、反対側の席から声をかけられた。「お疲れさまです」おや、誰だろうと顔をのぞくと、ネクタイにスーツでしっかりきめこんだバイト店長。あれえ、そんなかっこうだからわからなかったよ。どうしたの、と尋ねると、今月から正社員になった . . . 本文を読む
タイトルはジョン・デンバーのその昔、70年代のヒット曲の借用。御岳散歩道で、緑の小さなトンネルを抜けた時、ふと「緑の風の…」と思い出したのだ。青々としげった梢が手を差しのべるように道にかかり、下を通る人影が青く染まっていた。
川の流れを聞きながら樹影に足をいれて、大きく呼吸する。青葉茂れる6月だ♪ . . . 本文を読む