牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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豪気な奉納「清酒一駄」@夏祭浪花鑑

2023-09-27 12:32:37 | 酒の道具など
                          
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週末のテレビで、この夏、博多座で行われた歌舞伎「夏祭浪花鑑」をやっていました。

牢屋から出てきた侠客が主人公なのですが、筋がどうこうというのもさることながら、泥まみれで人を殺したり、話しているうちに女形が突然自ら顔に焼きごてを当てるとか、グロいともいえるお話。
(これが大阪的、なのでしょうか。確かに主人公は愛之助だし、老侠客の鴈治郎との関西的なやり取りはそれっぽい)


で、その一場面で!!と思ったので、その話。





上は松竹の歌舞伎のサイトの演目案内での「夏祭浪花鑑」のその場面
(鴈治郎の家)

女形が突然焼きごてを顔に当てるのもこの場面ですが、「剣菱」の樽が見えますよね。
剣菱強し、ですが、その左には、半紙に書かれた札がずらりと並んでいます。

お祭りの宵祭りの奉納でしょうか。下のように拡大してみると、「反物一反」とか「大鯛一尾」、「清酒一樽」などの中に、中段右端には、、、





「清酒一駄」とあります。

「一駄」、、、、、、聞いたことはあるのですが、実際に使っているのを見たのは初めてです。
記憶では、駄は馬で運ぶ時の単位で、馬の背の両側に振り分けられた2つの酒樽を意味するのかな、なのですが、調べてみると少々違うようです。

ネット上の日本大百科全書(ニッポニカ)によれば、こういう感じ。

・馬一頭に背負わせられる荷物を一駄という。
・江戸時代の定めでは、荷物運び専門の本馬が一駄36貫(約135キログラム)、人1人を乗せる軽尻(からじり)が一駄16貫(約60キログラム)。


なるほど、一応重さの単位なんですね。
さらに、お酒に関してはこうも。

・(上掲の)軽尻の馬の場合の重量に換算して、酒3斗5升(約63リットル)入りの樽(たる)二つを一駄といい、一つを片馬(かたうま)といった。


なるほど、これが(振り分けの)2樽ということですね。

ただ、上の説明はちょっと?で、例えば、上の3斗5升の樽を考えると、中身は63リットルならそれだけで約63キロ。
樽の重さが載りますから、70キロとかは楽勝で超えます。
で、その樽2つが一駄なら140キロなので、「軽尻の馬に換算して」ではなくて「荷物運び専門の本馬に換算して」、ではないでしょうか。
あるいは、2斗樽×2のこと?

まあ、写真の剣菱の樽は4斗樽っぽい大きさなので、

一駄=4斗樽(or3斗5升樽)×2

ということでよいと思います。

しかし「奉納 清酒一駄」とは豪気な奉納ですね。
こちらの「一日一駄話」とはえらい違いです。反省。



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