牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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プレミアム焼酎(の入手方法、ではなくて)

2008-04-26 14:45:03 | 附属酒類経済研究所
街歩きの途中、商売柄、酒屋があるととりあえず覗いてしまいます。

文京区のはずれ、弊社とはお付き合いのない酒屋さんの前に立つと、こんな張り紙が、、、。



百年の孤独が12,800円富乃宝山が5,250円など、プレミアム焼酎の張り紙です。
プレミアム焼酎のプレミアム価格売り。インターネットやスーパー、量販店のものだと思っていましたが、街の酒屋さんまで、、、
(ちなみに、デパートではプレミアム価格売りは見たことがありませんし、デパートによっては蔵元の地元卸と消費地の卸等、複数卸が介在することによる手数料(これは真っ当なコスト)の上乗せさえ拒否しているところもデパートによっては蔵元の地元卸と消費地の卸等、複数卸が介在することによる手数料(これは真っ当なコスト)の上乗せさえ拒否しているところもあります)。

プレミアム焼酎の是非(功罪)については、いろいろ論じられていますが、整理するとこんなところでしょう。

(功)
・プレミアム焼酎として「有名」になることで、これまで焼酎を飲むことのなかった層が焼酎を飲むきっかけを作ることになった。
・プレミアム焼酎は「美味しい」ので、焼酎を続けて飲むきっかけになった。
(なお、この「きっかけ」に続き、「普通の」焼酎を買ってみたら「同じくらい美味しい」ので焼酎ファンは減らなかった、というのが焼酎業界の地力でしょう)

(罪)
・プレミアム焼酎といえども、ほとんどの蔵では普通の価格で出しており、蔵の収入増には結びつかない(どこかでボッタくっている人がいる)。
・「プレミアム」のほとんどが入手困難性であり、味わいには反映されていないので、悪印象を与えかねない。
・「入手困難性」「限定」で価格が上がるというシグナルを受けた(ごく一部ではあるが)蔵元・流通が、首をかしげるような「限定品」を登場させているケースもあり、評判を落とす。


ワインなどでは、もともと地形・土壌という条件(これは地価に反映されるので、取得コストや税などの保有コストに反映されます)に加え、その後の醸造家の土壌造りやブドウの収穫(摘み方とか、房の制限とか)の努力(コスト)でよいワインができ、それにより原価に見合う価格で市場も評価し、結果として醸造家に還元され、持続的な経営に通じるというサイクルが成立していますが、焼酎はなかなかそこまで行かないのが現状です。

ところで、神楽坂涵清閣。今日の順位は?

そんな中、蔵元の試みとしての「努力を反映してちょっと高い限定焼酎」もちらり、ほらり。


その一つがコレ。小正醸造さんの「さつま小鶴いもいも」です。

一般のいも焼酎は1次仕込みに米と米麹を用い2次仕込みから芋を使い仕込みますが、この焼酎は1次仕込みから米麹ではなくいも麹を使用し仕込む『全量いも仕込み』の焼酎です。

「昔の復活」とかではなく、「芋焼酎なんだから芋麹で造ってみよう」というチャレンジタイプ。技術的に困難とされてきましたが、技術革新(というより他の醸造分野の技術の応用という進取の気性)で、挑む蔵も少しずつです増えているようです。
ただ、絶対量が少ないこと、原価も嵩むことから、目にすることも少ないですね。
この焼酎も年一回、数量限定で出荷とのこと、蔵元さんのHPでは既に売り切れ、とありました。
ただ、昨日ご紹介した京王デパートの焼酎フェアでは、そこそこの量を積み込んでいますので、まだ(正価で)購入できるはずです。

これから覗きに行こうっと。

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牛込・神楽坂 酒類卸 升本総本店
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