Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

2枚の二十銭銀貨

2023-03-24 21:33:52 | コイン
 最近はメインである古伊万里は全く入手できていないので、とりあえずちょっとだけある古銭を紹介します。

左は明治3年と4年だけに発行された「旭日竜二十銭銀貨」で、右は明治6年~明治38年に発行された「竜二十銭銀貨」です
どちらも品位は銀800銅200ですが、「旭日竜二十銭銀貨」の方がわずかに大きく直径が24mmで、「竜二十銭銀貨」は23.5mmです。

デザイン的には以前の紹介した二種類の五十銭銀貨と共通ですが、さすがに額面にあわせてサイズが小さくなっています。
現在の10円銅貨の直径が23.5mmですから、ほぼ同じサイズということになります。
さて、個人的に疑問なのは、現在の貨幣には「ニ」という単位がない(「二千円札」はともかく)のに
明治期にはなぜ「ニ」という単位の貨幣が発行されていたかという点です。
この時代には今回の二十銭銀貨のほかに、コインコレクターにとって憧れの「旧二十銭金貨」(二千万とかします)を筆頭に
「旧二円金貨」(数十万~一千数百万)、明治30年~昭和7年にかけて発酵された「新二十円金貨」(数十万~一千万)
そして江戸川乱歩の小説のタイトルにもなっている「二銭銅貨」(直径31.8mmという大きなサイズです)が発行されています。

日本における「二」単位の貨幣は昭和7年の「新二十円金貨」を最後に姿を消します
「二」単位の貨幣が消えた理由は判りませんが、江戸期には「二朱金」とか「二朱銀」が存在しますので、このあたりにヒントがあるのかも知れません。


戦後まもなくの五十銭黄銅貨

2023-03-14 23:30:11 | コイン
以前に明治時代の五十銭銀貨を2種類紹介しましたが、今回紹介するのは戦後まもなくの昭和21年~23年に発行された50銭黄銅貨です
この2枚はずっと前からウチにあったもので、恐らく昭和28年以降、一円未満の貨幣が使えななったので、そのまましまい込まれたんだと思われます。
明治期の50銭銀貨は直径30ミリ以上あり、品位も銀800銅200という立派なものでしたが、第二次大戦の敗戦という混乱期に発行されたのが
上記の二種類の50銭で、材質も銅600に亜鉛400、サイズ的にも左が直径23.5ミリで現在10円硬貨と同じサイズ
右に至っては直径が19ミリと、現在の一円玉よりも1ミリ小さいサイズです。
ちなみに、左の五十銭は昭和21~22年のみの発行で、右の五十銭は昭和22~23年だけ発行されています。
以後、日本では一円以下の硬貨は発行されていませんので、どちらも古銭としての価値はと低いものの
サイズや材質に時代が反映されていることに価値があるのかも知れません。


2枚の五円黄銅貨

2023-02-24 23:17:19 | コイン
まずは↓の画像の2枚の五円玉をご覧ください

恐らく現在60代より若い方々には馴染みのない五円玉だと思いますが、この二枚の五円玉はワタシが小学生の頃から所有しているものです
五円玉といえば中央に穴が開いているものしか知らない方も多いと思いますが
この穴ナシの五円玉は昭和23年と24年の2年間だけ発行されたものです

デザインは見ての通りで、表が国会議事堂、裏が鳩と梅花がデザインされています(國になっているのが時代を感じさせます)
この五円玉が何故2年しか発行されなかったのかは判りませんが、昭和24年には現在の五円玉と同じデザイン(書体が違う)
の五円玉が発行されていますので、昭和24年には二種類の五円玉が発行されたことになります

文字が明朝体の五円玉は昭和24年~33年の間発行され、昭和34年には文字がゴシック体に変更されたデザインに変更されます

右側のゴシック体に変更されてから64年になりますが、小銭は手数料を払わないと入金できない時代ですので
政府がキャッシュレスを推進したがるのも判る気がしなくもありません。

蛇足ながら、来年には新たなお札が発行されるようですが、これが小売業にとっては大迷惑でありまして
自動釣札機のプログラム(ファームウェアと言いますが)の変更が必要で、一台あたり何万円という単位の改修費用がかかります。
(自動販売機や病院や役所の支払機も同じです)
キャッシュレスを推進する一方で、新たな紙幣を発行するなんていうのは全く理解できない現実ではあります。



五十銭銀貨2種類

2023-02-05 23:17:29 | コイン
以前に明治時代の「竜一圓銀貨」を紹介しましたが、今回はその半分の額面の五十銭銀貨です
日本貨幣カタログによると、五十銭という額面の貨幣は明治3年~昭和23年の間に8種類(うち一種類は未流通)あり
ウチにあるのは初期の2種類です
画像がイマイチですが、左が明治3~4年に発行された「旭日竜五十銭銀貨」で、右が明治6年~38年に発行された「竜五十銭銀貨」です
裏面は↓のようになっています

サイズ的には「竜一圓銀貨」ほど大きくはないものの、直径が31.5mm(旭日竜)、30.9mm(竜五十銭)ということで
現在の500円硬貨(26.5mm)より一回り大きく、重さも12.5g(500円硬貨は7.1g)と重量感があります。
銀貨ということで品位的には銀800に銅200と、立派なものなのは確かです
又、ネットで調べたところ、明治時代の1円の価値は現在の2万円くらいのようなので
五十銭は1万円の価値だったことになります。
キャッシュレスが推進されている昨今ですが、明治時代には立派な銀貨が普通に使われていたことに憧れを感じます。



竜一圓銀貨

2022-12-10 23:42:52 | コイン
コレクターというのは困ったもので、時々、自分の主な収集品のジャンルとは違う品に魅力を感じる場合があります
今回の品は普段は古伊万里が中心なのに、衝動的に購入してしまった品です。
「竜一圓銀貨」(明治二十八年)

一圓銀貨そのものは、以前に骨董市で見かけたことがありましたが、当時は興味を持っていなかったので真面目に見た記憶はありません
一圓銀貨は人気が高いことからレプリカや贋物がかなり流通しているようで、鑑定ポイント(重量や直径、側面のギザ、龍のウロコ等)はあるようですが
正直なところ、素人には無理のようです。
(この品は専門業者から購入しましたが、真贋については業者を信頼するしかありません)
ワタシがこのジャンルの違う品を購入した理由は、その大きさに驚いたからです

現行貨幣である500円と比較すると一目瞭然です
一圓銀貨は直径が38.1mmもあり、500円硬貨は26.5mmしかありません
重さも一圓銀貨は26.96gあるのに対し、500円硬貨は7.1g(素材はニッケル)しかありません。
ちなみに、一圓銀貨の品位は銀900に銅が100になっており、品位の高さも魅力のひとつです
随分大きいと思っていた昭和39年発行の東京オリンピック千円銀貨ですら、直径35mm、重量は20gしかありません
(ただし、品位は銀925に銅75ですので、この点では東京五輪の千円に軍配が上がります)
それにしても、こんな大きな銀貨を鋳造していた明治時代というのは凄い時代だったとしか言いようがありませんね。