前に出る動きが物足りない。札幌時代からそうだった。
こんなビッグチャンス、そうそう来ないのに。ベンチには背番号1の松代が控える。
J1首位決戦。競技場史上最多の動員。ロスタイム。一点リード。
ハイボールやエリアの動きはそこそこ良いモノが有るだけに・・・
相手GK曽ヶ端が決定的なミスをして2点目を取られていただけに、勝利に貢献すればヒーローに成れたのに・・・
かつてゴール裏から何度も彼の名を呼んだ。多分初めては、99年甲府だったと思う。正GK佐藤洋平の怪我で回ってきた出番。あまり出来が芳しく無い試合だったように覚えている。
コンサドーレというチームは全国的な注目度が低い。いくら頑張って1部に上がろうとも、代表の座を掴むには良い場所とは言えない。ある年のコンサドーレのポスターは、山瀬・今野・藤ヶ谷という注目の(当時)若手3人だったのだが、その3人が3人全部J1という光を求めて北のクラブを飛び去っていった。
藤ヶ谷は耐えた方かもしれない。そして2005年の始めガンバからのオファーに応じた。確かに天皇杯のパフォーマンスは素晴らしかったかも知れないが、それもお世辞にも屈強とはいえないDFのせいでもあったのは事実だ。
前に飛び出せない。現在の札幌のGK林とは全くの好対照。飛び出しすぎて、ミドルを決められる元U-21代表とは違っていた。コーチングもそれ程得意ではなく「クリアー」と叫ぶ声がくぐもっていたりした。苦労してJ1トップクラスのチームで正GKを掴み掛けたのに・・・・
藤ヶ谷、ヒーローを掴み損ねる。なぁに、まだチャンスはある。
その為には、松代とのレギュラー争いに負けないこと。高いレベルの競争、負けられない。