Runrun日記

最近読んだ本ーロビンソン・クルーソー

デフォー 著作 「ロビンソン・クルーソー(上)」岩波文庫

吉村昭さんの「漂流」を読んだら、昔、そんな本を読んだと、思い出しました。押し入れの中を探したら、有りました。
「ロビンソン・クルーソー」(上/下)の2冊。(下)の方は不愉快な本だったような記憶があります。それはさておき、「漂流」の話は、(上)の方です。

時代は、17世紀中頃。吉村昭さんの「漂流」は18世紀だから、100年以上の差は有るんですけれど、鎖国をしていた日本と大航海時代を経たの西洋。船舶・航海技術も雲泥の差があったのだと思います。

イギリスのヨーク市生まれの放浪好きな息子クルーソーが、親に逆らって船に乗ったのが1651年。貿易商人になるけどアフリカ沖で海賊に捕まり奴隷にされたり。逃げだしてブラジルに落ち着き、しばらく農業をするけど、一攫千金を夢見てまた船に乗ります。この一攫千金の方法が、アフリカから黒人奴隷を連れて来て安い労働力を得ようというのだから腹が立つ

ブラジルから、アフリカに行く途中、嵐にあって難破。船は小島に打ち付けられて、クルーソーはただ一人助かります。ベネズエラのオリノコ川河口付近にある、無人島だった。絶海の孤島!!!

「漂流」の長平との違いは、長平が打ち上げられた島は、溶岩で出来た火山島で、アホウドリしか住まない島だった事。クルーソーは、南国の緑豊かな島で、難破した船から生活に必要な品々を持ち出すことが出来た。
似た所は、長平は、念仏を唱えることで心の平安を得ようとした。クルーソーは聖書を読み、信仰により心の安定を得て行く。

クルーソーは、知恵を尽くして住処を作り、生活に必要な色々な物を作り、山羊を飼い、麦の種をまき・・一人ぼっちの平安な生活をおくります。
長平の流された島は、日本の沿岸で難破して漂流して来る潮の流れ道だったらしく、長平の後も漂流してくる人達がいました。クルーソーの場合はそれも無く、ずっと一人ぼっちだった。道具を上手く作って平安な生活が送れても、不安・葛藤は大きいのですね。神様に頼るしかないのだ。敬虔なキリスト教信者になって行きます。

15年も過ごした後に、海岸で人の足跡を見つけます。ここらに住む人達は、カリブ人といって、野蛮な人食い人種だった 戦いで得た捕虜をこの島に連れて来て、饗宴を開いて食べていた。クルーソーは、その饗宴の跡を見つけてしまいます。

クルーソーは、この蛮人に出会うことを恐れ、引きこもりがちの生活になります。
誰かに助け出されて、無人島から脱出しなけらばならないのに、これは矛盾だよね

漂流してから24年目。スペインの物と思われる船が難破して打ち上げられます。残念、生存者無し。
クルーソーは、海岸で食べられそうになった蛮人を助け、従者とします。その従者フライデイの話を聞いて、やっと新しい展開が始まります。絶海の孤島と思っていた海の向こうには、人の住む大陸がすぐそばにあった。難破したスペイン船の乗組員たちは、大陸に流され、蛮人達と過ごしていた。この人達を助けて合流すれば、協力して大きな船を作って、キリスト教徒の国へ帰る事が出来る 

・・・・スペイン人達との合流を果たす前に、イギリス船がやってきます。悪い船員に乗っ取られたイギリス船で、船長をこの島に置き去りにして行こうとしたのですね。クルーソーは、その船長を助けイギリス船を取り戻します。

めでたし、めでたし・・・、クルーソーはイギリス船に乗って、とっととイギリスに帰ります・・・

ちょっとまって、3年間も仲良くしていた、蛮族の従者フライデイはどうなったの?
スペイン人達を助けようとしていたのに、その決着も見ず、放り出して自分ひとり帰るのか

イギリスに戻ったのは、1686年。島にいたのは28年間だったとさ。

フライデイは、クルーソーの従者となって、ずっとクルーソーを助けます。
1694年。クルーソーは、あの小島に行きます。島に残ったスペイン人たちは、島を開墾し幸せに過ごしていました。
スペイン人たちは、南国の住みやすいこの島へ、住み着いてしまったのだろうか?

◇◇◇◇◇

ヨーロッパの人達は、大航海時代に未開な土地に行き、そこに住む原住民たちを踏みにじり、蔑み支配していたのではないか。現地人達が、キリスト教でない宗教を信じるからと言って、現地人の神々を壊してしまったのではないか!

この作品の作者、ダニエル・デフォーは1660年生まれの、非国教会派の人だったとか? 何の事だか判らんけど、当時のイギリスはピューリタン革命とかあった時代。この小説では、キリスト教に対する思いが書かれています。他の宗教や教派を非難する考えには、ついていけません。

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